月別アーカイブ: 2014年5月

ハイランドパーク ニューメイクスピリット

HighlandPark New Make Spirit Drink (Official Bottle Distilled-2010.02 Bottled-2010.03 50.0%)

香りは焼酎、もわっとする少し乳製品っぽさ、麦の糖分、メンソール、塩気のニュアンス、微かにリンゴ系のフルーツの甘さを思わせる。

味わいはピーティだが若干オイリーでまろやかな口当たり、率直な麦の甘さ、バナナ、ヨーグルトのニュアンス、ミドルから後味にかけて塩気とスパイシーさ、フィニッシュはアルコール感による温かさとメンソールの清涼感があるが、すぐに消える。

【Okay】

ハイランドパーク蒸留所のビジターセンターで売られていたニューメイク・スピリッツ。加水してあるようで、アルコール度数は50%で詰められています。樽熟成は行われていないはずですが、1ヶ月程度は寝かせてあるようですね。

香り、味ともに当然ながらニューポッティですが、味わいはなかなかに複雑さを伴っていて、原酒の良さが伺えます。アタックに感じるピート感や塩気はハイランドパークらしいともいえるのではないでしょうか。

仲間内の持ち寄り会にて、ハイランドパークの某オフィシャルボトルが不評だった後にこれを持っていったのですが、それよりも美味しいという評価が寄せられました(笑) 確かに、この原酒であればポテンシャルはかなりのものだと思います。あとは樽による熟成がどのようになるかですが……。コントロールしきれない部分も多々あるでしょうし、難しいですね。

グラスに注いだ瞬間に、蒸留所で感じることができる麦を糖化した甘い香り、あの香りが押し寄せてきて懐かしい気持ちになります。日本でも蒸留所を訪れたことのある方なら、多分お分かりになると思います。あの感覚を思い出させてくれる、不思議なボトルです。

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アバフェルディ オフィシャル 21年

Aberfeldy 21yo (Official Bottle 40%)

香りは洋ナシ、薄めの蜂蜜、少しセメダインのニュアンス、チーズのような乳製品のニュアンス、スッとする軽めのハーブ類

味わいは、イチジク、レモン、トロッとした糖蜜、軽く植物感、奥にリコリスや甘草などのハーブ類のニュアンスが乗っている。全体的に円熟したまろやかさで構成されている。フィニッシュは少しハーブ類と植物感が主張する。長くは引かず、スッと消える。

【Good/Very Good】

アバフェルディのオフィシャルボトルの21年物。らしさというか、良い熟成感を味わえるボトルで、全体的にまろやかで飲みやすく良いバランスです。アバフェルディらしさと考えている蜂蜜のニュアンスはしっかりと出ており、加えて穏やかながらフルーツ様と、奥に潜むハーブ類が複雑さを与えている印象です。あまり立体的な味の構成ではありませんが、奥行きを感じさせる味わいが素敵です。

一時期はかなり安かったようですが、流石に最安の頃からは2割程度値上がりしたようです。とはいえ、この内容で8000円程度で買えるというのはかなりお買い得だと思います。入門用としての12年ものと比較などしてみるのも面白いと思います。

キンクレイス 35年 1969 シグナトリー ヴィンテージ・コレクション

Kinclaith 35yo 1969-2004 (Signatory “Vintage Collection” Cask#301443 Sherry 54%)

香りはオールド香を伴いながらオレンジやブルーベリーなどのフルーツ感が強い、熟成感を感じる穀物様、微かにスモーキーさ、奥に枯れた草、微かに湿った樽材のニュアンス。

味わいは強くブリニー、ドライチェリー、ドライトマト、オレンジピール、ミドルから少し草感、スポンジケーキ、バニラ、全体的に陶酔感あり、フィニッシュにかけては少しブラックペッパー系のスパイシーさを伴いながら、ブリニーさが長く余韻を残す。

【Very Good】

シグナトリーがボトリングしたキンクレイス35年。

キンクレイス蒸留所は1958年から1975年までの稼働ということで、非常に短命だったようです。グレーン・ウイスキーの工場の一部として稼働していたとのことで、ほぼ全てがブレンデッド(ロング・ジョン)用のモルトを作っていたのでしょうか。とてもレアなモルトですね。

かなり多彩なフルーツ感が出ており、味わいの強いブリニーさと相まってしっかりとしたフルボディの味わいでした。香りに微かにオールド香のようなニュアンスを伴いながら、しかし味わいはまだまだ奔放な荒さも残っており、穏やかとはいえないところが面白いボトルです。ローランドはあまり個性が無いといわれがちですが、このボトルに関してはそんなことはなく、しっかりと主張する華やかさがあります。

今はなき往年の蒸留所に思いを馳せながら飲む、なんてことが結構好きだったりします。ウイスキーはその背景を知りながら飲むと、また違った味わいを得ることができると思います。例えばその蒸留所を訪れてみたり、歴史的な背景を知ってみたり、製造工程について知識を得てみたり……。そういった情報と味とは無関係かもしれませんが、自分なりの思い入れがあると、味や香りに対する記憶が強固になるのではないでしょうか。

グレンドロナック 23年 1990 シングルカスク#2190

GlenDronach 23yo 1990-2014 Single Cask (Official Bottle Cask#2190 Pedro Ximenez Sherry Puncheon 53.1%)

香りは高貴さを感じる紹興酒、オレンジピール、少しサルファリー、微かに温泉卵のようなニュアンス、サルタナレーズン、デーツ、コリアンダーの葉、時間を置くと糊のようなニュアンス。

味わいはビターチョコ、トフィー、オイリーというか柔らかいテクスチャ、マンダリンのような濃いめの柑橘、少しスパイシーさもあり。フィニッシュは濃い黒蜜のような粘性のある味わいが長く続く。

【Good/Very Good】

グレンドロナックのオフィシャルシングルカスクで、このボトルはキャンベルタウンロッホさんが他のBarの方々と協力し、現地で樽を選んで詰められたものとのことです。凄いですね。

特に味わいにおいて、ペドロヒメネスらしい濃厚な甘さが特徴的で好印象です。粘性があり、どっしりとしたフルボディな飲みごたえは度数以上のものを感じます。さすがに、カスクストレングス・バッチシリーズなどのノンエイジものとは明らかに異なりますね。熟成感を比較してみるのも面白いです。

オールドプルトニー 1990年 カスクストレングス アメリカ向け

OldPulteney 1990-2008 Cask Strength (Official Bottle for USA Cask#4931 57.8%)

香りはバター、レーズン、塩気を強く感じるスモークチーズ、ワクシーさを伴うリンゴ、全体的に少しアルコール感が強い香り立ち。

味わいはバタースコッチ、強くブリニー、凝縮したオレンジ感、紙っぽさではない植物感、少し白桃のニュアンス、後半はヒリヒリとスパイシーさが強く、フィニッシュにかけてはブリニーさと微かにカスタード感が長く残る。

【Good/Very Good】

プルトニーのカスクストレングスで、これはアメリカ向けのもののようです。90年代のプルトニーは幾つか試していますが、このボトルはブリニーさが強く、フルーツ感は少し控えめのように思えました。この辺りは、ボトルを開けてからの時間がまだ短いことに起因しているのでは、とのマスターのご意見もあり、なるほどと思わされました。もう少し時間が経つとフルーツ感やカスタード感がもっと強くなるとのことで、そうなるとやはりボトル1本と付き合いたくなってきます。

度数の高さもあり少し飲み疲れしそうなところがありますが、全体的によくまとまっていて、安定した美味しさです。やはり90年代プルトニーのオフィシャル・カスクストレングスはほぼ間違いがないですね。このとき18年程度の熟成ですが、キャンベルさんの1990-2013など、さらなる長熟も出てきましたし、ますます期待が高まります。

グレンモーレンジ 1978年 ティン・エルミタージュ

GlenMorangie 1978 “Tain L’Hermitage” (Official Bottle 43%)

香りはカスタード、オレンジ、すももなどが華やかに香る、少しミルキーさ、微かにアーシーなニュアンス、奥に香木のような香りも潜む。

味わいは酸味が強く青リンゴのよう、しみじみとした滋味深い穀物の味わい、ミドルから草や土、ミネラル感、若干オイリーさを伴う、フィニッシュにかけても滋味深く落ち着いた穀物様が短めで終わる。

【Good/Very Good】

グレンモーレンジの1978年蒸留の特別なボトル、ティン・エルミタージュと銘打たれています。ローヌワイン樽でのフィニッシュものということで、その後のマディラやポートなど様々なフィニッシュものの先駆けとなったボトルでしょうか。ちなみに Tain というのはグレンモーレンジ蒸留所がある町の名前ですね。

明らかなフルーティさや華やかさがそこまであるわけではないのですが、どちらかというと麦感、ミネラル感が中心に置かれているようで、落ち着いてしみじみと美味しいモルトです。また、香りに比べると味わいは酸味が強く出ており、少しギャップがあるように思われ、この辺りはフィニッシュものならではなのかもしれないと感じました。

この日のスターターとして頂きましたが、飲みやすく奥深い、良いモルトでした。

ハイランドパーク フレイヤ

HighlandPark Freya 15yo (Official Bottle “Valhalla Collection” 3rd 51.2%)

香りは井草、若さを感じる麦感、リンゴ、ドライイチジク、少しバターのような乳製品様、シトラス。

味わいはアタックから感じる不思議な植物感、ハーブ系だがどれとも言いがたい、軽い麦の甘さ、ニューポッティなアルコール感、バニラ、スポンジケーキ、後半に苦さを感じるハーブ感がありフィニッシュにかけて続く。

【Good】

ハイランドパークのスペシャルボトリング「ヴァルハラ・コレクション」第3弾のフレイヤです。特徴的な緑のボトルが印象的ですね。

ボトルのイメージに引っ張られているかもしれませんが、確かに草やハーブ、シトラスのようなサッパリとした香りが印象的でした。香りにも少し出ていますが、味は結構若々しい麦感が出ており、15年という年数と比較すると若さを感じたのが印象的でした。度数に比べると強いアタック感などは無く、割と飲みやすさを感じます。

ハイランドパークはスタンダード品以外のものはこの系統の味わいであるように思われます。あまりシェリー樽の味わいが無く、プレーンで少し若さを感じる味わい。人気で原酒不足が祟ってしまっているのかもしれませんが、是非こちらの方向でも良い味わいを打ち立ててもらって、新しいハイランドパークの軸としていってもらいたいですね。