月別アーカイブ: 2014年6月

ボウモア オフィシャル 2014年アイラフェス向け

Bowmore (OB Feis Ile 2014 Bourbon Cask 56.1%)

香りはまさに煙、若い麦、海を思わせる潮気、後半にピートしっかり、やはり煙。

味わいは麦のどっしりとした甘さからすぐにたっぷりの塩気、濃い花の蜜、メロン、少しプラム、ピートは控えめだがしっとりと染みこむ。フィニッシュにかけてはペッパーのスパイシーさが残る。

【Good/Very Good】

今年2014年のアイラフェス向けに限定ボトリングされたボウモア。年数表記はありませんが、かなり若いものが使われている印象です。

香りがまさにスモーキーともいうような煙が特徴的で、さらに海のニュアンスが香り、海辺の蒸留所らしさをしっかりと出していました。味わいにおいても同様の傾向で、あまりフルーツ感は無く、麦とピートの競演といった印象を受けました。ボウモアらしいフルーツ感を求めると少し肩透かしをうけたように思われるかもしれませんが、短熟アイラの美味しさはしっかりと出ているように思われます。

アイラフェスは毎年5月末に行われるアイラ島のお祭りとのことですが、一度は行ってみたいと思うもののなかなかタイミングを合わせるのは難しそうですね。宿もそこまで多くはないので、確保するのが大変そうです。フェスの時期ではなくとも、またいずれアイラ島へは行ってみたいです。

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クラガンモア 14年 スペシャルエディション

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Cragganmore 14yo Special Edition (OB for Friends of Classic Malts 47.5%)

香りはモルティ、ナッツのオイリーさ、ミルキーなニュアンス、レーズン、イチジクなどの華やかな香り立ち、少しアルコール感がツンとくる強い芳香。

味わいは柔らかい立ち上がりだが、グッと迫るミルキーさとオイリーなニュアンス、すぐに凝縮したレーズン、ブドウの皮の渋みが強い、濃いカカオ、フィニッシュにかけては渋みが抜け暖かくまろやかな余韻が残る。

【Good/Very Good】

2000年ころにボトリングされた、クラガンモアのオフィシャルボトル14年ものです。

香り、味ともにとてもパワフルでガツンとくるタイプで、かなり樽の影響が強いのかそれとも長熟のモルトも混ぜられているのか、14年にしては非常に濃厚な味わいをまとったモルトでした。樽の影響が強いようにも感じられるため、特殊な加工でも施しているのでしょうか。不思議です。

かなりシェリー樽の味が支配的ですが、クラガンモアはこういったシェリー樽系の味わいというイメージがなく、かなり意外に感じました。とはいってもクラガンモア自体ほとんど飲んだことがないためなんとも言えませんが……。

既にボトリングから15年になろうかというものでしたが、オールド香などはまったく感じないですね。いつまでもこのパワフルさが続くのか、ちょっと興味があります。

アラン 17年 プライベートカスク for キャンベルタウンロッホさん&Barカリラさん

The Arran Malt 17yo 1996-2014 (OB Private Cask for Campbelltoun Loch & Bar Caol Ila Bourbon Barrel #1996/357 42%)

香りは煮出した紅茶、濃厚なアンズやマンダリンなどの甘酸っぱいフルーツ、トフィー、徐々にバニラとカスタード。

味わいは紅茶とシナモン、蜂蜜、ドライチェリー、上顎に微かにミルキーさを感じる。ミドルには染みこむような麦の味わい、淡く草、フィニッシュにかけてスパイシーさが現れ、微かにタンニンの渋みを残しながら消える。

【Very Good】

アラン蒸留所のプライベートカスク、キャンベルタウンロッホさんとBarカリラさんのジョイントボトルです。

17年で42%という、カスクストレングスならどうしてこのような度数となったのかは分かりませんが、加水には思えずかなり濃厚です。香り、味わいともに多彩なフルーツ感、染みこむような麦の味わいのバランスがとても良く、柔らかい飲みくちということもあって、ついつい飲み進めてしまうような美味しいアランでした。

アランというと、最近の17年物でも結構な麦感が残るとともにミルキーさがハウススタイルと考えていましたが、このボトルにはそのミルキーさはほとんど感じられず、注意深く探してようやく見つけられる程度でした。ブラインドで出されたらアランとは絶対に答えないでしょうね。スペイサイド系の良いところ、ベンリアックやロングモーンなどと答えてしまいそうです。

美味しいと評判だったオレンジアランのように、シングルカスクでは思いがけないような美味しいものが生まれる、そういった楽しさがよく分かるボトルでした。

白州 シェリーカスク 2014年ボトリング

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Hakushu Single Malt Whisky Sherry Cask (OB bottled in 2014 48%)

香りはプラム、干しレーズン、チョコレート、ナッツなどのオイリーさ、樹脂、微かに油絵の具やクレヨン様

味わいは強めのウッディネス、カカオ、オイリー、プラム、チェリー、フィニッシュにかけてペッパー系のスパイシーさ、樽感と共に程よく切れ上がる。

【Good】

サントリー白州蒸溜所のシェリーカスク、2014年ボトリングのものです。

樽由来と思われるウッディネスが強めな印象で、全体的にオイリーなニュアンスもあり、少しシェリーカスク独特のオフフレーバー気味の味わいが出ていましたが、そこまで引っかかりはしませんでした。チョコレート感や果実感もまずまず顔を出していて、近年のシェリーカスクといえばそれらしい印象は受けました。

こちらもおおよそ年に1度の限定品となっていますが、年ごとに味わいが結構違いますね。年ごとのシェリーカスクを同時に開けて比較してみたら、どのような違いが出ているのか正確に分かりそうですが、なかなかそこまで出来ないのが実情でしょうか(笑)

とはいえ、最近では貴重となったシェリーカスクものが、それなりにお手頃価格で山崎から出てくれるのは大変ありがたいです。原酒不足ではあると思いますが、今後も是非続けていってもらいたいですね。

山崎 シングルモルト ミズナラ 2014年ボトリング

Yamazaki Single Malt Whisky Mizunara (OB bottled in 2014 48%)

香りはバター、ローズマリー、松脂、バナナ、微かにレザー、ジンジャー。

味わいは流れるような砂糖水、サトウキビの汁のような甘味、蜜柑シロップ、少し塩気を伴うバター、ミドルから返りにかけて樽感と香木感、軽くスパイシーさもあるが、ほとんど気にならず流れるように消える。

【Good/Very Good】

2014年にボトリングされた山崎ミズナラカスクです。

全体的に流れるような糖蜜のような引っ掛かりの無い素直な出で立ちで、味、香りともに線が細く繊細な印象を受けました。ミズナラ感が凄い出ているかというと、自分はどうもそこまでは出ていないのではないか、と感じましたが、何をもってミズナラ感というかは難しいですね。いずれにしても、クセがなくて上品な味わいだと思いました。

人気の高さ故か、かなりの高額ボトルですがあっという間に売り切れてしまいましたね。ミズナラの樽は生産量が少ないのか、管理が難しいのでしょうか。ミズナラ樽だけで出せるモルトには限界があるようですし、この値段も致し方ないのかな、という気がします。貴重なモルトをいただけたことに感謝です。

ミズナラ感を手軽に味わいたいとなれば、ブレンデッドの「響」はミズナラも交えて良い味わいに仕上げていますし、お手頃価格でオススメしやすいです。17年あたりが良いのではないでしょうか。

ブラインドサンプル from pppさん(3)

pppさんからのサンプル、最後の3つ目です。

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【Blind Sample C from pppさん】

香りはバターのようなオイリーさ、樽由来と思われる木の香り、糖化した麦の香り、ケミカルっぽさもある、シェリーカスクと思われるレーズン、インスタントコーヒー、ドライイチジク、奥の方に軽くピート、バレンシアオレンジのニュアンス。

味わいは、強くなく流れるようなアタックで、煮出した紅茶、軽くオレンジ、ミント、草っぽさ、軽くピート感が下支え。ミドルは少しミネラル感と共にイチジクとオレンジのニュアンスが広がる。フィニッシュにかけても穏やかだが、複雑に混じりながらあまり長くなく終わる。

【Good/Very Good】

香りから複雑さがあり、プレーンな麦感からシェリー感まで様々な要素が絡み合っている印象を受けた。単純なバーボン樽でもないが、純粋なシェリーカスクでもないように思え、麦の香りから若さも感じるがこなれた熟成感もある、なんとも不思議な印象を受けた。

味わいも同様の傾向があり、様々な方向性でうまくまとめられている。複雑さから考えても、シングルモルトという傾向が捉えられない。かなり柔らかい飲みくちからして、加水のヴァッティングものなどが頭をよぎった。

香り、特にグラスの残り香に良く出ている木の香りにオリエンタルな要素を感じ、また全体的なバランスの良さからジャパニーズのブレンデッドではないかと推測。若干ピート様を感じたことから、ニッカの竹鶴あたりだろうか。シェリーのニュアンスも感じたのだが、かなり控えめであるため、判断に迷いながら以下の予想とした。

【予想蒸留所】①ニッカ 竹鶴 シェリーフィニッシュもの ②ニッカ 余市 ③サントリー 響
【蒸留年】1990年頃
【熟成年数】20年程度
【度数】40-43%

上記の内容でメールをお送りした結果……。

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ホワイト&マッカイ 12年 1990年代流通品
Whyte & Mackay 12yo (Blended Scotch 1990s 43%)

ブレンデッド・ウイスキーのホワイト&マッカイ、こちらは1990年代流通のボトルだそうです。

pppさんはパヒュームとレザー感を感じたとのことでしたが、自分はあまりパヒュームとは思いませんでした。しかし、改めて飲んでみると、確かに香りのトップに香水というか花の香りが出ていますね。自分は「木の香り」の方が良く出ているようにとらえたため、あまりパフュームとは思わなかったのかもしれません。

一応、ブレンデッドという括りでは当たっていましたが、自分はその木の香りなどからオリエンタルな要素を連想して、ジャパニーズ・ブレンデッドと考えてしまいました。スコッチのブレンデッドもまだ飲んだことがないものばかりなので、どんな香りのウイスキーがあるか、未知のものが多いです。でも、このホワイト&マッカイはよくできていると思います。少なくとも、薄っぺらいような印象は一切ありませんでした。

ブラインドサンプル from pppさん(2)

続いてpppさんからのサンプル2つめです。

【Blind Sample B from pppさん】

香りは熟したリンゴ、蜜蝋、白い花を思わせるワクシーさ、軽く白桃、ヨモギ、重さを感じる水に濡れた草の茂み、軽く機械油、鼻をつくアルコール感少しあり。

味わいは、とろんと粘性のあるアタックから始まり、バニラ、バター、ホワイトチョコレート、カスタードプディング、マジパン、ミドルに紅茶のニュアンス、鼻抜けもバニラ感が強い。嫌味なところがほとんどなくするっと通りすぎる。フィニッシュはチョコチップを混ぜたバニラアイスのような甘さが長く続く

【Very Good】

香りは良いフルーツ感と共に、もったりした重めな感じのオイリーさやワクシーさを感じた。良いニュアンスとオフフレーバー気味のバランスが微妙なところで、それが複雑さを出しているように感じられる。

一方、味わいではほとんど気になるような部分は無く、バニラ系の甘さが特に強く感じられた。バーボンカスクなのかとも思ったが、奥の方に広がる紅茶のニュアンスやフルーツ感はシェリーカスク由来のようにも感じられ、度数もあまり高くないことからオフィシャルのヴァッティングものなのではないかと推測した。

味わいは塩気をほとんど感じない。また、香りの油っぽさはラフロイグのあたりに感じることも多く、ピーティさとフルーツが合わさるとこう感じるのかもしれない。とはいえ、ラフロイグの味わいではない……と思う。香りのワクシーさあたりから組み立てて、予想は次のようにした。

【予想蒸留所】①グレングラッサ ②ベンロマック ③ボウモア
【蒸留年】1980年台
【熟成年数】20年程度
【度数】43-46%

上記の内容でメールをお送りした結果……。

バルブレア
Balblair 38yo 1966 (Official Bottle “Limited Edition” Spanish Oak Cask 44%)

バルブレアのオフィシャルボトル、60年代蒸留の38年ものでした。

バルブレアはほとんど飲んだことがなく、ハウススタイルなどは掴めていないのですが、このボトルは香りと味わいにギャップがあり、その辺りも含めて複雑さに富んだ内容が印象的でした。ちょっと地味目な印象のある蒸留所でしたが、少なくともこのボトルはそんなことはなく、時間をかけた分だけ様々なニュアンスが拾えそうなモルトでした。

まだ少し残っているので、もう1杯はゆっくりと時間をかけて頂こうと思います。pppさん、貴重な1960年代蒸留の長熟ボトルをありがとうございました。