月別アーカイブ: 2014年7月

オスロスク 15年 1988 フレンズ・オブ・オーク

Auchroisk 15yo 1998-2014 (Acorn “Friends of Oak” Hogshead 46%)

香りは乳製品と酸味を感じる、ヨーグルトにサッパリとしたオレンジやレモンのようなフルーツのニュアンス、少しブリニーでバニラ様もあり。

味わいは優しい口当たりで典型的なバーボン樽のニュアンス、バニラ、清涼感のあるハーブ、シトラス、ミドルからフィニッシュにかけて草のニュアンスが強い、軽くスパイシーさを伴ったフィニッシュは短い。

【Good】

ボトラーのエイコーンから Fiernds of Oak の最近のリリース。オスロスクの15年です。

典型的なバーボン樽のモルトを感じることができるボトルで、バニラ様に清涼感のあるハーブ感が印象的でした。後半に少し植物感のようなニュアンスが感じられてしまい、引っかかる所があったのが残念でしたが、まずまずうまくまとまっているように感じられました。

グレングラント 30年 1982 クライスデール

GlenGrant 30yo 1982-2012 (Clydesdale Cask ref.CO681 51.9%)

香りはトーストしたパン、大麦などの穀物感が強い、ナッツ系のオイリーなニュアンス、奥にプラムやチェリーのような酸味のあるフルーツ、木のニュアンス、樽感が強い。

味わいはバニラとブリニーな口当たり、ミドルからチャーした木の樽の芳香が抜けてくる、コーヒーのよう、軽くプラム、フィニッシュにかけて樽の渋みによる収斂味とブラックペッパーによるスパイシーさが残る。

【Good】

クライスデールのグレングラント30年熟成。

フルーティさは抑えられていて、どちらかというと麦そのものと樽の味わいを強く感じられるボトルだと思いました。かなり樽の影響が強い印象で、木のニュアンスが強いですがエグみとまでは言えないギリギリのラインくらいだと思います。チャーした影響と思われるコーヒーのようなニュアンスも感じることができ、まさに原酒そのものといった感じです。ちなみに少しだけ黒い粉のようなものが入っていたようなのですが、RawCaskと同じようなことをやっているのでしょうかね……?

ニッカ カフェグレーン ウイスキー

NIKKA COFFY GRAIN WHISKY (OB 2013 45%)

香りはリンゴ、酸味のあるフルーツ、クリーム、少しハーブ感のあるバニラ、香木のニュアンスと穏やかな樽の香り。

味わいはバニラ、ヘザーハニー、清涼感のあるハーブ、奥の方に黒糖のニュアンス、焦げた木のニュアンスを伴いながら軽いフィニッシュ。

【Good】

ニッカのカフェ式連続蒸留機で蒸留されたというもので、こちらはグレーン(トウモロコシが主原料)の原酒。

傾向はカフェ・モルトとほとんど同じですが、こちらの方が少しハーブ系のニュアンスが出ているのと、甘味が少し刺激的で舌にピリピリとした感覚を残すようでした。とはいえ、やはりどちらも落ち着いた感じでまとまっており、ライトでスムースな甘味を感じることができるボトルでした。

グレーンの長熟というのもそのうち試してみたいとは思っているのですが、どうしても複雑さや華やかさではモルトの方が面白そうなイメージがあり、なかなか機会がありません。ジャパニーズではなくスコットランドの長熟グレーンなどもいろいろあるので、今度どこかで試してみたいと思います。

ニッカ カフェモルト ウイスキー

NIKKA COFFY MALT WHISKY (OB 2013 45%)

香りはリンゴ、酸味のあるフルーツ、麦の甘味、香木のニュアンス、穏やかな樽の香り

味わいは強くバニラ、木の良い香り、蜂蜜、ヘザーハニー、奥の方に黒糖のニュアンス、焦げた木のニュアンスを伴いながら軽いフィニッシュ。

【Good】

ニッカのカフェ式連続蒸留機で蒸留されたというもので、こちらは大麦(モルト)の原酒。

連続蒸留機による蒸留では、シングルモルトなどで通常使われている単式蒸留器の蒸留に比べると、良く言えば軽くスムースな味わい、悪く言えば没個性的な味になると考えています。シングルモルト・ラヴァーには「工業的」としてあまり評判は良くないのではないでしょうか。イメージの問題だとは思いますが(笑)

そんなこのボトルですが、加水の影響もあるでしょうが確かに全体的に軽やかでライト志向、そして穀物の甘味をしっかりと感じることができる内容に仕上がっています。後半に香る独特の木の香りは樽によるものだとは思いますが、どことなくオリエンタルなニュアンスを感じてしまうのはニッカだから、と考えてしまっているのかもしれませんね。

華やかさや突出した個性は持ちあわせていませんが、落ち着いた一本として、また、他のモルトと自分でヴァッティングしてみるのも面白いかもしれません。

ところで、COFFYを「カフェ」という表記にするとなんだか誤解がありそうなので本当は好きではないのですが……。どちらかというと「カフィ」と言うのが一番あってそうですが、どうでしょうね。

アードベッグ スティルヤング

Ardbeg Still Young (Official limited bottle in 2006 56.2%)

香りは若さを感じる穀物の甘さ、洋ナシやバナナのフルーツ感、塩バター、微かに出汁のニュアンス、ナッツのオイリーさ、しっかりしたピートと若い麦のバランスが良い

味わいは粉っぽさも伴うドライマンゴーやオレンジなどのフルーツ感が強い、続いてスパイシーさがやってくる、ミドルから濡れた苔や土のようなニュアンス、塩バター飴、フィニッシュにかけては塩気とピートの薬品臭がしっかりと残る。

【Good/Very Good】

アードベッグが生産再開後に、10年もののボトルを作ろうとしているその途中経過を世に問おうと出した「アードベッグ10年への道」(Very Young / Still Young / Almost There / Renaissance) のうちの2つ目です。

確かに若さが強いですが、ピートの強いアイラモルトには不思議と若い方がその魅力がしっかりと出てくることがあるんですよね。ピートは熟成が進むと迫力が消えてしまうことも多いためか、10~15年程度がパワフルかつ複雑さも兼ね備えて良いボトルになるのでしょうか。

ピートの強さとしっかりとしたフルーツ感もあり、若いボトルとしてこれが出てきたなら今後も期待できるのはと思ったことでしょう。塩気や出汁のニュアンスなどもしっかり出ており、またこの年数だからこそのフレッシュ感を求める人にはたまらないのではないでしょうか。

アードベッグ 1975 コニサーズ・チョイス

Ardbeg 1975-2003 (Gordon & McPhail Conoisseurs Choice 43%)

香りは塩素、消毒液などの薬品、冷たいメンソールのようなハーバルなニュアンス、奥に少しオレンジのような果実感。

味わいはねっとりとしたオレンジの果実感とクレゾールのような薬品、塩気の効いた魚介系の出汁、タールや土のニュアンス、フィニッシュにかけてメンソールのニュアンスが残る。

【Good/Very Good】

70年代のアードベッグを飲んでみたいと思い注文したボトル。コニサーズ・チョイスというと、最近はパッとしない印象がありますが、このボトルは典型的な70年代のアードベッグの味を知ることが出来るとのことで、試してみました。

味もそうですが香りに特に顕著なのは、同じ薬品臭さでもニュアンスが全然異なることでした。最近のアードベッグはどちらかというと暖かみがありますが、このボトルには冷たさを感じます。飲んでもやはり独特の薬品感と旨味の効いた出汁、そこに果実感も合わさって来るような特徴がありました。自分が良く拝見しているM氏のテイスティングでも「冷たい」ニュアンスが特徴的とのことでしたが、なるほど確かにその通りでした。

マスター曰く70年代のアードベッグは「異質」とのことでしたが、なるほど確かにこれは今のアードベッグにも無いですし、他の蒸留所でも感じられない独特な味わいです。好きな人はハマってしまいそうですし、もうその味が出てこないとなれば昔のボトルを手に入れたくなる気持ちが分かります。

自分がウイスキーを飲み始めた頃に、酒屋で Load of the Isles が売られていたのは憶えているのですが、今思えばなぜ買っておかなかった……と後悔するばかりです。まあ、仕方がないですね。

アードベッグ オーリヴェルデ

Ardbeg Auriverdes (Official limited bottle in 2014 49.9%)

香りはしっかりピート、インキ、熟しすぎた果実感、ローストしたナッツ、チョコレート、奥にミーティなニュアンスもあり。

味わいはクリーミィなアタックから始まり、すぐにサッパリとしたハーブ感に変わる、熟れたリンゴや梨のような果実感、金属質なニュアンス、若い麦のニュアンスとしっかりしたピートで強いボディ、ザラついた木のエグ味と出汁のニュアンスのあるフィニッシュ。

【Good/Very Good】

今年2014年のアードベッグ・デー(5/31)向けの限定ボトルは、ブラジルでのワールドカップを意識した金(Auri)+緑(Verde)のボトルでした。アードベッグはこういうイベントに合わせたボトリングをしてくるので楽しいですね。

樽の鏡板に特別な処理を施したということと、味わいに「コーヒーのような」とあることから、強くチャーを行って独特の風味を出したのではと言われていますね。確かに香り味わい共にチョコレートやローストしたニュアンスを感じることができ、作りたいものを作れる技術力の高さには驚きです。

味は少し若い傾向が感じられますが、アードベッグらしいしっかりとしたピート感や出汁や金属質のニュアンスと、前述の通りローストのニュアンスが入り混じって複雑さがあります。口に残る余韻も長めなので、1杯でもしっかり楽しめるモルトだと思いました。