月別アーカイブ: 2015年4月

モルト持ち寄り会でのボトルたち 201504-2

引き続き、持ち寄り会でのボトルたちです。

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Glenfarclas 30yo (OB around 1990′s 43%)

1990年代流通のファークラス30年。60年代~70年くらいまでのシェリーカスクは、現在主流のシェリー樽とはとは全く別物だということを再認識させられました。近年のものは原酒の若さなどもあるのかもしれませんが、尖ったところのない、生木っぽさが無い、ゆっくりと染みこんでくるような味わいが素晴らしかったです。

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YAMAZAKI

1996-2011

Single Cask Whisky (OB Sherry Butt Cask#AX70015 59%)

山崎のオーナーズカスク、シェリー樽。山崎らしい粉っぽさを伴うダークなチョコレートのようなビッグなシェリー。昔のシェリーとは異なるけれども、生木っぽさは無く硫黄感も少ない。確かに美味いシェリー、という感じであり流石のサントリー。チョコ菓子との相性が抜群すぎます。太りますが……。

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KAVALAN Solist Sherry Cask (OB 1st Lot 59.4%)

WWA 2015 で最高賞を受賞したカヴァラン蒸留所。これはそのボトルではありませんが、初期のロットのものだそうです。前述のサントリーのシェリーカスクと似た傾向を持っていて、樽の出処は同じボデガなのではないかという話でした。短い熟成のハズなのですが、この色、この味は本当に不思議です。

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他にも色々なボトルを頂き、料理も美味しく、様々な話に花が咲く、素晴らしい持ち寄り会となりました。ありがとうございました!

モルト持ち寄り会でのボトルたち 201504-1

モルト仲間が集まっての持ち寄り会。しっかりとしたテイスティングノートは残していませんが、仲間でアレコレ感想を話しながらのテイスティングはとても参考になります。

特に気になったものを幾つかピックアップ

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“116.19″ (Yoichi) 20yo 1994 (The Scotch Malt Whisky Society 61.3%)

ジャパニーズらしい、余市らしい香りが楽しめる秀逸なボトル。飲んでも一気に香り成分が口から鼻に爆発してくる。これは美味しいです。

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“52.19″ (Old Pulteney) 16yo 1997 (The Scotch Malt Whisky Society 54.6%)

香りが粘土質でくぐもっていてあまり良い印象ではないものの、味わいはしっかりとプルトニーらしさが出ているボトル。塩バター系のまったりした感じに、梅ジャムのような酸味のあるフルーツ感がのっている。

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GlenGlassaugh 39yo 1972-2012 (OB “The Massandra Connection” 53.3%)

グラッサのハイエンドのオフィシャルボトル。良く熟れた柑橘~若干のトロピカルフルーツ感に加えて、シナモン、カルダモン、ナツメグなどのスパイス感がプラスされているのが独特。味わいも53%とは思えないほど滑らかで極上の絹のよう。

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もう少し続きます。

オフィシャルボトルも変化する

先日のプルトニー12年やエドラダワー10年などから感じたこと。

ここ数年の現行スコッチの変化が早いですね。オフィシャルボトルの味わいは大きくは変化しないものと考えていましたが、10年、いや5年でかなり味が変化してきています。味が落ちたと感じるものも多いですが、どちらかというとマイナー系の蒸留所は総じて味が良くなったと感じる点が多いようにも思います。この辺りは個人の差もありますが、ここ10年ほどの間に上向いてきたスコッチの需要とそれに伴う設備投資、あとは樽などの研究の結果もあって、どんどん良い造りになっていっているのではないでしょうか。だとすれば、自分たち消費者には嬉しい事だと思います。

一方で、これだけ変化が早いと、次に買おうとした際に味が違ってしまっている可能性も高いわけですね。あの味が欲しくて……と思うことはしばしば有ります。ボトラーズのシングルカスクなどは一期一会だと割りきってしまえるのですが、オフィシャルまで一期一会の味わいになってしまうのは少し避けてほしいところです。この辺は個人的な意見なのですが。

というわけで、オフィシャルボトルであっても、「この味は今しかないかもしれない?!」と思って複数本抱えてしまうモルトラヴァーも多いのではないかと。その気持ち、分かってあげて下さい(笑) 特に前述のエドラダワーなどはスコットランドでも最小クラスの規模の蒸留所ですし、ボトリングのバッチ単位で味が変化するのはありそうなことです。

勿論、どんどん味が良くなっていってくれれば、それはそれで言うことなしなんですけどね。

オールドプルトニー 12年 (2006年頃ボトリング)

Old Pulteney 12yo (OB around 2006 bottling 1000ml 43%)

香りはバニラと蜂蜜、軽くシェリー系の甘やかな香り立ち、塩気、トフィー、オレンジピール、干したホタテ貝のニュアンス。

味わいはオレンジピール、チョコレート、軽く塩味を伴うスパイシーさ、まったりと染みこむようなタンニン様、鼻抜けには鞣し革のようなニュアンス、しっとりとしたバニラケーキ、甘さと共に少し苦味も感じるライトなフィニッシュ。

【Good】

大好きなオールドプルトニーのスタンダードレンジ、12年ものですが、このボトルは2つ前のラベルになります。情報を拾っていくと、恐らく2006年頃のボトリングと思われます。経年変化の具合を確かめたくて、もう少し時間が経ってから開けようかと思っていたのですが、なんとなく気になって開けてしまいました。

香味共に、プルトニーらしいと感じるバニラ様と塩気のニュアンスがしっかりとありますが、チョコやトフィーなど意外とシェリー樽のニュアンスが出ています(この辺りは後述します)。しっとりと染みこむようなテクスチャーで、さすがに複雑さはあまり無いものの、ひっかかるところの少ない秀逸なスタンダードボトルといったところです。

まだ開けたてなので、もしかしたらもうちょっと開いてくるんじゃないかな、と期待を込めて待ちます。

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さて、このボトルは前述の通り2006年ころのものと思われます。
現在のスタイルのプルトニー12年は1997年からリリースされていますが、2004年に一度ラベルがリニューアルされているそうです。その後、2006年、2008年頃、2011年とリニューアルがあり、2011年からは現在のラベルが続いています。この辺りはボトルよりも外箱を見ると分かりやすく、

  • 2006 : 年数表記が四角、Old Pulteneyの文字の上
  • 2008 : 年数表記が四角、Old Pulteneyの文字の下
  • 2011 : 年数表記が丸

という順番になっています。

このボトルを箱から取り出してみてすぐに違和感があったのが、その色の濃さ。ちょうど手元に現行の12年があったので比較してみたところ、やはり明らかに色合いが濃いです。シェリー樽のヴァッティングのバランスがかなり変わっているのでしょうか。一瞬カラメル着色も考えたのですが、この時代ではあまり考えられないのと、飲んでみてもかなりシェリー系のニュアンスが出ていました。最近のプルトニー12年とは明らかに方向性が異なることが分かります。

2014年ボトリングと思われる12年と比べてみると、

  • 2006 : オレンジ系の少しまったりとした柑橘、トフィーの甘味
  • 2014 : フレッシュなレモン系、若干ボディが薄め、バーボン樽主体の軽快で爽やかな柑橘
  • 共通 : 塩バターやバニラ様、フィニッシュの軽い苦味を伴う樽木のニュアンスは共通項

といった感じでした。味わいの方向性が少し違うのですが、でもやはり飲んでみるとどちらもプルトニーらしさを感じますし、どちらが良いというわけでも無く、要は好みの問題かなと思います。

個人的には、どちらかというとバーボン樽主体の現行の方が、プルトニーの甘じょっぱい塩バター系の味わいがしっかりと出ている気がして好みかな、と思いました。一方で、染みこむようなテクスチャとボディの厚みは前の方が良いですね。

ボウモア 12年 2000-2012 カスク&シスル

Bowmore 2000 12yo (“Cask & Thistle Collection” Cask#0216 57.3%)

香りは良く熟れたグレープフルーツ、ただれかけの柑橘、マンゴスチン、瓜系の野菜感は悪くない、塩バター、海のニュアンスがふんだんに香るピート。

味わいは、まったりとバターのよう、濃い塩バター飴、凝縮された濃い味のデコポンのようなフルーツ、ミドルからマカダミアナッツ、オイリーさもかなり強め、染みこむ適度な麦感、ややまったりとしたヌガーのようなフィニッシュ。

【Good/Very Good】

カスク&シスルのボウモア、2000年蒸留の12年ものカスクストレングスです。以前に記事にしたことがあったのですが、久しぶりに引っ張り出してテイスティングしてみた結果、結構変わっていたので再度投稿しています。

口開け当初はかなり若さと荒々しさが目立ち正直微妙な印象だったため、暫く放置した方が良いと思い押入れの奥に仕舞うこと9ヶ月ほど。久々に気になって飲んでみたところ、目論見通りかなり落ち着いてふくよかなと味わいに変わっていました。こういう変化はウイスキーの楽しみな部分のひとつですね。

柑橘系のフレーバーという点では共通しているのですが、前はレモンなどのサッパリとした方向だったものが、時間を置くことによって、デコポンのようなもっと濃厚な方向になってきました。過熟感のあるフルーツ様も前は感じなかったニュアンスです。

空気に触れることでの変化を楽しめるのもモルトならではの楽しみ方のひとつ。体調などによっても変化してしまうものですが、同じボトルでもどんどん表情が変わっていく、その時間の経過を楽しむのも一興ですね。考えてみれば、長期間の樽熟、開栓後のボトル変化、そして1杯のグラスも時間をかけて楽しめるもの。モルトを楽しむには時間という概念は切っても切れない縁。時間に思いを馳せることで、モルトの魅力がより一層引き立ちます。

なんてことを考えながら頂きました。

アードベッグ 200周年記念 Perpetuum

Ardbeg Perpetuum (OB Bicentenary Committee Release 49.2%)

香りは塩気のあるヨードがしっかり主張、海藻、グレープフルーツのわた(T.M先生の表現が的確ですね)、若さもあるが甘めの麦感、軽く発酵した塩バターや塩ヨーグルト、リンゴかメロンのようなニュアンス。

味わいは土気を伴う若い麦のアルコール感、ターメリック、クローブを噛んだような甘さと土気のスパイス感、紙粘土、コーヒーのニュアンス、キノコの出汁成分、アーシーさあり、フィニッシュにも少し渋さの残るアーシーさと塩気が続く。

【Good】

アードベッグ蒸留所が、今年200周年記念(バイセンテナリー)を迎えるにあたってボトリングした特別なアードベッグ。まさか呑む機会に恵まれるとは思っていなかったのでとても嬉しいですね。渡辺さん、本当にありがとうございます。

実際の香味はというと、香りは近年のアードベッグらしさがしっかりと出ていて、塩気があるバターなどの乳製品っぽさが出ています。またアイラらしい海藻やヨードのニュアンスが感じられ、関連して出てくると思われるグレープフルーツ感もしっかりです。昔のアードベッグらしさとも言うべき、冷たくて塩素のようなニュアンスはほとんど感じられませんでした。

一方、味わいはアーシーさとコーヒーのようなニュアンスがすこし意外な感じで、他にも上記のようにキノコのような味わいも感じられ多彩ではあるのですが、どうも少しちぐはぐな感じがします。色々な方向性の味があって面白いけれども、全体的なまとまりとしてはあちこちに向かっている感じ。時間が経つと落ち着くのでしょうか。原酒をヴァッティングしてから落ち着かせた期間が短いような、そんな印象です。

さて、アードベッグ蒸留所がこれをバイセンテナリーとして出してきたというのは、昔はこんな味だったとういことか、これからの方向性がこのような味になるということか、どちらでしょうね。自分としては、どちらかというと後者に感じられました。昔は良かったというよりも、これからもこういう感じでやっていくので宜しく、といったイメージでしょうか。全く想像でしかありませんけどね。

貴重なボトルを体験できたことに感謝です。渡辺さん、ありがとうございました!

トマーティン オフィシャル ハンドボトル 2003-2015

Tomatin 2003-2015 (OB HandFilled Ex-Bourbon Cask#1903 56%)

香りはやや控えめで、洋ナシ、透明な麦感、スイカの皮に近い部分、瓜のよう、酸味のあるヨーグルト、ベビーパウダー、ややケミカルなニュアンス。

味わいはミルキーさを初めに感じる、次いでフルーツ感(マンゴスチン、ライチ)、ミドルからワックスのようなオイリーさ、樽のエグみ、青リンゴ、ややオイリーさが口腔内を覆いながら後をひくフィニッシュ。

【Good/Very Good】

トマーティン蒸留所で樽から手詰めして買えるハンドボトリング。こちらもモルト仲間の渡辺さんが旅行の際に購入したものをサンプルとして頂きました。ありがとうございます。トマーティン蒸留所でも、2013年頃からハンドボトリングが始められたようですね。自分が行った2012年ではやっていなかったのですが。

内容はというと、若干ニューポッティさが目立つものの、味わいのミルキーさ+ライチ系のサッパリとしたフルーツ感が好印象。若々しさに溢れている、樽から出てきた元気なモルト、といった印象です。ややケミカルな印象を受けるのが面白い部分ですね。なんとなく、ここ最近のトマーティンのオフィシャルには似たような味わいを感じることがあります。ケミカルと言って的確なのかが分からないのですが……。

それにしても、12年物って既に2000年も過ぎた頃に蒸留されたものなんですよね……。どうしても飲みはじめた頃との年数差を感じてしまい、10年ほどというと90年頃、80年頃なら20年、といった具合に時差のようなものを感じてしまいます。歳月を感じますね。