ウイスキーの生産量 原酒不足はどの程度深刻か?

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ウイスキーの需要がここに来てうなぎ登りで、どこの蒸留所も原酒不足というのはここ2,3年良く言われていることです。本場スコットランドでも数年前から増産体制のための設備投資が盛んになり、既存蒸留所の蒸留器増設から新規の蒸留所建設まで、どんどん規模を拡大していっています。

日本でもサントリーが山崎、白州ともに蒸留器を増設、ニッカは設備の変更はない様ですが1割り程度の増産を目指すというニュースがありました。キリンや信州マルスにも効果は波及しているのでしょうか。ちょっとこの辺りまでは分かりませんでしたが、信州マルスは2011年からの生産再開もありましたね。

さて、原酒が足りないというと「本当に足りないのだろうか?」と思ってしまう部分もあるのですが(特に最近のサントリーはソフトドリンクなどで品薄商法をしているような節もありますし……)、本当の所はどうなんでしょうか。

日本のマイクロ・ディスティラリーである秩父蒸留所も、初期は樽のオーナー制度があり希望者には売ることもあったそうですが、ここに来て原酒不足となっており、樽を買い戻したいという話があることもちらほら聞こえてきます。もう少し前には、アイラ島に2005年に開業したのキルホーマン蒸留所でも似たような話を聞きました。

数樽を買い戻す程度で不足分が補えるものなのだろうか、という疑問があったのでちょっと計算してみました。

蒸留所名 年間生産量 Barrel (180L) Hogshead (230L) Butt (480L)
グレンフィディック(大手) 10,000,000 L 55,556 樽 43,478 樽 20,833 樽
グレンファークラス(中堅) 3,000,000 L 16,667 樽 13,043 樽 6,250 樽
秩父(小規模) 120,000 L 667 樽 522 樽 250 樽
キルホーマン(小規模) 110,000 L 611 樽 478 樽 229 樽

※:年間生産量の情報は少し古い可能性が高いです。また、純粋なアルコール量かどうかで樽の数も変わります(通常はアルコール度数68%程度で樽詰め)

ここから更に Angel’s Share で年間3%程度は原酒が無くなっていきますから、内容量としてもかなり減ってしまいます。年3%減少で10年間となると、元の内容量の73%程度。実に3/4以下になってしまいます。

改めて数字で見てみると、小規模な蒸留所にとっては1樽がかなり重要なことが分かりますね。勿論、樽によっては物理的に壊れてしまうものや、味的に壊れてしまうものもあるでしょう。歩留まりがどの程度かは想像するしかないのですが、全体の5%もあったら相当な痛手です。かなりシビアなんですね。

今後のウイスキー需要がどうなるかはまだまだ未知数で、

過熱しすぎなブームはちょっと避けたいところではあるのですが、折角の設備投資が無駄にならないような未来が待っていると良いですね。

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