月別アーカイブ: 2016年1月

持ち寄り会でのボトルたち in Jan-2016

久々に持ち寄り会をやりたいとつぶやいていたところ、あれよあれよと話が進み、R氏のお宅で10名ほどの会となりました。R氏には場所と料理まで提供頂きまして、本当に感謝です。

昨年後半はあまり会えなかったメンバも居たので、久々にお会いするとともにモルトも良いものがずらりと並ぶ素晴らしい会になりました。同じボトルを呑みながらあれこれ意見を交換できるのは本当に楽しい。場を共有することに価値があります。

 

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GlenGrant 32yo 1972-2004 (John Milroy Ex Sherry Cask Vatting 51%)

【VG/Ex】

ミルロイのグラント、シェリーカスクの複数ヴァッティングもの。
とても濃厚なダークシェリーですが嫌味が殆どなく高貴なニュアンスが素晴らしい。70年代前半までの良いシェリーカスクらしさ、というべきでしょうか。香り、味ともにハイレベル。でもこれはボトル状態がそこまで良くなかったらしく、もっと素晴らしい香りになるんだとか。凄いですね。

 

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GlenGrant 15yo (OB in 1980? 75cl 57% 100 proof)

【VG】

こちらはオフィシャルのグラント15年で、1980年代の流通品でしょうか? 品の良いシェリー感でやはり往年の良い味わいです。グラントはあまり蒸留所の個性のようなものがあまり出ないのでは、というような話もありましたが、確かにどちらかというとプレーンで樽の良し悪しがそのまま出ているような感じでした。あとはOBならではのヴァッティングで良く均されている感じです。度数は高いですが、経年もあるのかかなり落ち着いていて呑みやすい印象でした。

 

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Yoichi 10yo (OB in 1995 43%)

【G/VG】

余市10年の初期ボトル。少し硬い印象はありますが、リンゴ感に透明感のある麦、じんわりとピートの下支え。決して華やかではなく、ある意味わかりにくいのですが、こういうタイプもゆったりと呑んで行くには良いですね。

 

後半に続きます。

 

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ホワイト&マッカイ 18年 1990年代流通品?

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WHYTE & MACKAY’s 18yo (Rotate in 1990s? 75cl 43%)

香りは甘やかな麦、優しい穀物、トフィー、みたらしの餡、ネーブルオレンジ、少し火薬系のシェリー風味。

味わいはモルティー、塩気のあるナッツ類、ややスパイシーでひりひりとした刺激、煮たリンゴ、グレーン由来と思われる良い伸びを感じる、フィニッシュは短めで清涼感のあるハーブのニュアンスと共にスッと切れあがる。

【Good】

全体的に麦芽というか穀物系の味わいが支配的ですが、しっかりと熟成してこなれた感じで若さなどは全くありません。シェリーのニュアンスもあるのですがかなり限定的で、どちらかというとグレーン由来と思われるスムーズな伸びが心地良い仕上がりを出しているようです。

少し物足りないところもありますが、スターターとしても食中酒としてもこなしてくれそうです。

このボトルはおそらく90年代の流通品と思われます。以前記事にした1970年代あるいは80年代の21年ものと比べると、明らかにシェリーカスクのニュアンスが弱くなっており、麦感をベースとしたライトな仕上がりが意識されているように思われます。自分はホワイト&マッカイにはそれなりのシェリー感を求めているところもあるので、少し物足りなさを感じてしまいましたが、原酒はまだなんとか質が良いものが手に入っていたのかもしれませんう。ライト&スムーズでしっかりとまとめ上げている印象でした。

まだ口開けですので、これからの変化にもちょっと期待しています。

ところでこのボトル、キャップがスクリューなのかコルクなのか良くわからないままねじってしまったのですが、キャップの中身がくぼんでいて、その中にコルクで栓をする形になっていました。幸いコルクは折れずに済みましたが、ちょっとわかりにくい独特の仕様でしたね。どうしてこんなのにしたのか……謎です。

バーンズ・ナイトは是非ハギスを

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本日1/25はバーンズ・ナイト Burns Night でしたね。

スコットランドの国民的英雄な詩人、ロバート・バーンズを讃えて、その誕生日をお祝いするのがバーンズ・ナイトです。特に何をすると決まっているわけではないのでしょうが、たいていは夕食にハギスとスコッチを食べるのが風習のひとつとしてとらえられているようです。

スコットランドといえばハギス、そしてスコッチ、この組み合わせは鉄板ですね。

ハギスは見た目が良くないことや、作り方を知ると更にイメージがあまりよろしくないように感じられてしまうため、あまり好まれない(むしろスコットランド人以外は避ける)ということを聞きますが、自分は結構おいしいと感じましたよ。味付けも店によって結構異なったので、おそらく各家庭ごとにレシピも多々あるでしょう。クセの強いスコッチや、エールなんかにもぴったりです。

ちなみにスコットランドではハギスは缶詰でも売られているのですが、旅行客が肉の加工品を日本に持ち帰るのはNGとなっていますのでご注意を。ベジタリアン・ハギスなんてものもあって、確かこちらはOKなのかな? できれば是非現地で味わってみてください。

香味の表現手法について考える

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フレーバー・ホイールというものをご存知でしょうか。

ウイスキーに限らず様々な種類の食品ごとに存在すると思いますが、代表的な香味成分をピックアップしてその表現方法を統一し、他者へなるべく正確に伝わるように造られたものだと思います。ウイスキーのフレーバー・ホイールも幾つか種類がありますが、例えばバランタインのサイトでも稲富博士が説明されているサイトなどもあります。

自分もモルトの味わいを勉強していく上で、このフレーバーホイールを元に香味成分を意識していった記憶があります。初期の頃はみなさんよく見ていたのではないでしょうか。

さてここで翻って考えてみると、自分は今このホイールを元に表現しているでしょうか。半分はYesかもしれません。テイスティングの表現として出てくる単語はここに出てくるようなものがベースになっていると思います。一方で、このホイールの通りに全体を考えているかというと、Noになります。というのも、ここに出てくる種類が多すぎるんですよね。あるモルトに特徴的なフレーバーはこの中の3か4、多くても6くらいだと思います。それ以外までを表現しようとすると、どうしても細かすぎて良くわからなくなってきてしまう。

どこまでを表現するか、というのがとてもむずかしいですね。そもそも、フレーバーホイールはこれらの項目をすべて用いる必要があるわけではないですし、その強さを表すためのものでもないので、用途がちょっとズレているとは思うのですが……。

では、このようなホイールをベースに図で表現するのはどうでしょうか。スパイダーチャートのようなものを用意して、もう少し種類を少なくすれば、分かりやすくなるかもしれません。

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これだと各項目がわかりにくいですね……。

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マックリーン・ホイールというものもあります。こちらをベースにするとどうでしょうか。

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結構分かりやすくなりました。が、項目としてはいまいちピンと来ないものもあり(余溜臭など)、もう少し検討してみる余地がありそうです。10段階よりも5段階の方がシンプルで良さそうですね。

今後、このような表現も使ってみるかもしれません。直感的に分かるようにするというのは中々難しいですし、あくまでも個人的な範囲内に収まってしまうかもしれませんが、何かの参考にできることが一番の目的だと思っています。

 

香りを楽しむウイスキー

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皆さんお酒を飲む頻度はどれくらいでしょうか。

自分は家呑みばかりなのですが、基本的に週3日、金土日を呑む日にしています。以前は週5日だったのですが、最近は多忙で平日はゆっくり呑む時間もないのでやめてしまいました。夏場なら風呂あがりで1杯だけハイボールを、というのもありなのですが、こう寒くてはそういう欲求も無いので。

ただ最近、呑まないまでも、香りだけ楽しむのなら良いかもと思うようになりました。モルトは香りも命。人によっては香りのほうこそ重要だという方もいらっしゃるでしょう。ご存知のように、モルトの香りにはリラックス効果もあります。樽や木の香りなどは特にそうですね。寝る前にそこだけ楽しんでみるというのも良いのではないでしょうか。

好みのウイスキーを少量グラスに注いで、スワリングしながら香りを頂く。木の香り、甘い香り、アルコール感もあるでしょう。香りだけと割り切ることで新しい発見があるかもしれませんし、もしかしたら時間を置くごとに変化していくかもしれませんね。

呑まなくても楽しめるモルト、とても懐が広い酒だと思います。

 

余市 15年 1976-1991 プライベートボトル

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Yoichi 15yo 1976-1991 (DB Private Bottle cask#126121 58%)

香りはほど良いシェリー感、煮詰めたリンゴ、プルーン、紅茶、麦感に少しセメダイン系、古びた家具、微かに獣脂や松脂のニュアンス。時間とともに徐々にバラ、植物の茎などのニュアンスが出てくる。さらに時間を置くと、鞣した皮、火薬。最後にオリエンタルなニュアンスも。

味わいは濃厚なアプリコットジャム、プルーン、ラム酒漬けのマジパン、微かに長熟の紹興酒っぽさも。滑らかでシルキーなアタックから始まるがボディが強くパワフルでオイリー、煮出した紅茶、ミント、獣脂、じっとりとしたピート感。フィニッシュにかけては火薬と強い木の香りが長く残る。

少量加水では木のエグみが強まる。多めの加水ではアプリコットと香木感がメインとなり良いバランスとなる。

【Very Good】

余市の1976年蒸留、1991年樽詰めの15年熟成ボトル。70年代の余市というのは、自分の知識の中にも全く無いスペックでした。

口開けのためか、時間とともに香りがかなり変化している気がします。最初はオイリーさなどはほとんど無くシェリーとフルーツ感が強めだったのですが、少し時間を置くとかなり多彩で複雑な香りが出てきました。どちらかというと華やかではないフレーバーなどもあり一辺倒ではないのですが、最後にはいわゆるジャパニーズらしい香りも出てくるところなどなどはとても面白いです。

味わいは、香りとも少し変わって濃厚なフルーツ感が強いです。スパイシーというよりはねっとりとしたボディで、ボトリング後25年経っているとは思えないほどパワフルです。軽いオールド感なのか、コルク臭でも無いのですが不思議な古木のような樽感とも言えそうな香りを帯びています。

とても個性的で多彩なフレーバーのボトルです。もう一つ上の評価の一歩手前という感じなのですが、開いてきたらまた変化する気がしていますので今後に期待しています。

 

さてこのボトル、とある酒屋さんで数年前に発見したものですが、こんなスペックのものが存在するということすら知らず、しかし強烈な魅力を感じて購入しました。聞くところによると、とある卸売業者の代表が混ぜものではないそのままの味わいを持つ商品をリリースしたいというオファーをしたところ、ニッカ(アサヒビール)がその意気に応えて特別にボトリングしたそうです。

91年といえばバブル真っ盛りではあったもののウイスキー需要は80年代後半からの落ち込みを受けて右肩下がり。しかしまだまだシングルモルト、シングルカスクなどは認知されていない時代だったでしょう。そんな中でこのようなボトリングの許可を出した当時の関係者がたには大きな冒険だったと思います。しかし、これまでの商品では売れない、という思いもあったのではないでしょうか。新しい分野を開拓していった走りになったボトルなのではないかと推測していますが、ちょっと勝手な妄想が入ってますね。

いずれにしてもそのボトルが今こうして手元にあり、およそ25年ほどの時間を経て開封されたということを考えても結構な奇跡かもしれませんね。

グラスを創吉 sk2に変えました。

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ここ最近、グラスの重要性を再認識させられることがしばしばで、今までとは違うグラスで試してみたくなりました。先日の持ち寄り会で、ワイングラスなども試させてもらい、特に香りの開き方が全然変わってくることにまた驚きました。ただ、やはり使い勝手の良さも考えると、極薄のグラスは普段使い用としては少し難しそうな気がしていて躊躇しています。

いずれワイングラス系にも手を出してみたいと思いますが、まずはスピリッツ系のグラスで。最近一番良く手にしていて、手に馴染みやすかった創吉のグラスにしてみました。

いわゆるチューリップ型で、これは今まで使っていたグレンケアンとは変わりませんが、飲み口の部分が最後に広がっているタイプ。これだけでもかなり芳香の具合が変わってきます。グラスの縁と中心でも上ってくる香りが異なりますし、全体的に捉えやすい気がします。グラス自体も薄めで、グレンケアンの半分強といったところでしょうか。味の違いはさほどではないと感じましたが、線の細い味わいのものでは少し変わってきそうです。

長いステムのグラスは見ている分には好きなのですが、自分で所有したいかと云われるとちょっと違うかな、という気がしています。リーデルのソムリエグラスなんかも、勿論素晴らしいものなのですが、流石に大きすぎて(笑) ちょっと困りそうです。なので、自分はステムの無い、もしくは短いグラスで揃えてみようかと。うすはりグラスなども興味ありますが、しばらくは今回のグラスでいろいろと試してみようと思います。