ウイスキーの瓶熟

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古いウイスキーは飲めないのか? という質問を時々見かけることがあります。お酒に詳しい方ならご承知の通りと思いますが、ウイスキーをはじめとした蒸留した酒は、瓶詰めされた後は「基本的には」何年経っても品質として問題ないものだ、というのが一般的な回答になると思います。

しかし、中身が物質である以上は多少の変化は避けられないのもまた事実。永遠に変化しないものなんて無いんですね。極端な環境(過度な温度変化、臭いのある環境)あるいは横置きによるコルクとの接触など。あまりにも厳しい環境ではさすがに蒸留酒といえども風味が変化してしまいます。ですが、蒸留酒の場合は変化の度合い比較的小さいので、大きな影響が無かったりします。

さて、ウイスキー好きの間ではよく話題にあがるのが「瓶熟」。瓶詰めした後も封をしたまま置いておくことによって熟成を進めるというものですが、厳密に言えば、ウイスキーは瓶詰めしたあとは熟成はしません。ウイスキーが熟成するのは樽で寝かせている間のみ。瓶詰めした後は基本的には「変化」あるいは「劣化」でしかありません。しかし、上記の通り多少は変化します。そしてその変化によりウイスキーの味わいが熟成したかのようにまろやかになるのもまた事実なのです。

詳しい解説はここでは省きますが、「アルコール 会合」などのキーワードで検索して頂くと論文などが見つかりますので興味のある方は読んで見て下さい。これらの研究結果を元にした、海中での熟成プロジェクトなどが有名ですね。酒に音楽を聴かせる、というも似た効果を狙っているものでしょう。
さて一方で、瓶を開けた後にもウイスキーは変化します。俗にいう「開く」というものですね。これは空気と接触することによる酸化反応が進むことによるもの。反応が進むほど、当初は無かった香り成分が出てくるというのも考えられるでしょう。ボトルを開けた後も徐々に変化し、数ヶ月~数年単位でその過程を楽しんでいくのもウイスキーの魅力のひとつです。
ここで自分が疑問だったのは、「瓶熟」と「開く」のは全く別の変化なのだろうか、ということです。上記の通りまとめてみると、2つの変化はその反応が異なるという結論になるため、それぞれ別の結果が出てくるのだと思われます。勿論、どちらも程度の差はあれウイスキー本体と周囲の空気を含めた周辺環境による変化となるわけで、完全に切り離して考えることもまた難しいのではないかと考えますが、やはり空気との酸化反応と瓶熟とは少し様子が異なるのでは、と。

瓶熟には10年20年といった単位の時間が必要になるため、変化の早い開栓後で代用してしまえば良いのではと考えたのですが、そうは問屋がおろさない、といったところでしょうか。

やはり超音波発生器や海中熟成など、瓶熟を早めるための仕組みを導入するしかなさそうですね。そんな大掛かりなことをやろうとは……ちょっとやってみたい気持ちはありますが。

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ウイスキーの瓶熟」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 読書感想 : ウイスキーの科学/古賀 邦正 | 酒は人生の妙薬

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