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ボトルの外箱について考えさせられた日

今年の夏にスコットランド旅行から帰ってきた際、預け入れていたスーツケースの中でボトルが1本割れてしまいました。自身の事として非情に残念であったのと共に、スーツケースから滴るウイスキーによって周りの方々の荷物などに迷惑をかけてしまったことがとても残念でなりませんでした。

ボトルはエアパッキンで結構厳重にパッケージングした上で、なるべく隙間ができないよう周りに衣類を詰めるなどの対策を取っていたのですが、肩口のところから割れていました。少し隙間が残っていたのかもしれないですし、ボトル同士が当たってしまったのかもしれません。

まあでも、1本だけで済んだのと、そのボトルはもう1本買ってあったのでまだ良かったような気もしますが……。

さてこのときに思ったことは、パッケージングというのは実は重要なことなのだな、ということ。ウイスキーのボトルは殆どがボトルそのものでは売っていませんよね。大抵はカートンと呼ばれるような紙製の箱だったり、金属質の円筒だったり、はたまたとんでもなく凝った造りで鍵がかかるような外箱だったりと様々ですが、ともかくボトルがむき出しにならないようになっています。

 

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ウイスキーの外箱 ボトルに対してやや大きすぎるものも

高級感を演出するだけのものかと考えたくもなりますが、輸送用にはこのような外箱はしっかりとボトル保護の役割も担っているのだな、と改めて感じることができました。これは比較的値段の高いシングルモルトでより顕著に見ることができる傾向があるでしょう。値段も高めですから、割れたらそれだけ損が出ますし。

一方で、大衆向けの安いブレンデッドウイスキーなどは個別の箱ではなく6本や12本単位の段ボールケースに入れられていたりもします。このあたりはコスト削減の一貫で、割れなければ良いと言う考えのものでしょう。これはこれで非常に割り切った考え方ですが、ウイスキーを飲むものと考えれば家に帰ったら捨てるだけの空き箱が邪魔にならない分、良いかもしれないとも思ってしまいます。

実際問題、飲食店などは空き箱は店に残したまま買っていくことも多かったそうですし(酒屋周りしていた時期にそんな話を良く聞きました)、自分の周りのモルト好きたちも同様に、かさばる外箱は邪魔くさいという意見が多かったりもします。

いずれにしても、ウイスキーは遠くスコットランドから来たり、国内でも北は北海道南は沖縄まで、我々の手元に届くためにはしっかりとした梱包があってこそということです。考えてみれば当たり前のことですが、その当たり前を支えている外箱と、折角ならデザインも含めてしっかりとした製品を生み出そうと考えている人たちの想いがあることを、今一度考え直させられた事件でした。

 

ストラスアイラ蒸留所

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キルンの形を見ると、ああここに蒸留所があるんだ、という風に認識してしまう。

もはや使われていないはずの「お飾り」ではあるのだが、蒸留所のシンボルとして申し分無い役割を果たしています。

 

 

ウイスキー蒸留所のコンピュータ制御

コンピュータによる制御があたりまえの現代、蒸留所の運営とて例外ではありません。スコッチの製造はなにかと「伝統」を重んじ、それゆえに高品質であることを喧伝しています。それがブランドというものですが、大半の蒸留所では伝統的な手作業による酒造りとはかけ離れた、コンピュータ制御による「原酒製造工場」とも呼ぶべき状態にあります。

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先日、宮城峡蒸留所のツアーに参加した際、ほとんどが写真撮影OKだったのですが、コントロールルームだけは写真がNGでした。中を除くと、コンピュータの画面にはポットスチルやマッシュタンなどの形をしたオブジェクトが映しだされ、そのあいだのパイプも自動で制御できるようなものであることが伺えます。人は何をしているかというと、大半は監視するのみで、糖化や蒸留などそれぞれの工程が終わったときに画面から指示を出すだけなのでしょう。すべて手作業に比べたらはるかに楽になったものだと感じます。

同様のシステムはスコッチでは主にディアジオ系列の蒸留所で見られます。ラガヴーリン、カリラ、オーバンなど、どれもツアー中の写真撮影がNGのため写真がありませんが、似たよなシステムでした。オーバンなどは実際に間近で画面が見ることができました。Javaによるプログラムと思われ、恐らくADでユーザ管理を行うような仕組みになっているようで、システム屋としてはどんな造りになっているのか興味津々、といったところでした(笑)

 

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グレンドロナック蒸留所のモニタパネル

コンピュータでどのような制御を行っているかというと、大まかには各所の温度や圧力、内容量、そして各部に取り付けらたバルブ弁の状態のモニタリングとそれらを動かすことができるようになっています。麦や酵母の投入、お湯の投入、蒸留の開始から完了などもすべて自動化できている蒸留所もあります。

コンピュータ制御によって何が良いかと言えば、もちろん人員の削減ができること、そして安定した品質の原酒を生み出すことができること、でしょう。コンピュータ化の度合いは蒸留所によっても異なりますが、例えばディアジオ系列の大半の蒸留所やアベラワー蒸留所などでは、オペレーションは2名いればできるそうです(実際には1名でできるがバックアップ要員としてもう1名つけている)。それくらいコンピュータ化が進んでいる蒸留所もあれば、コンピュータは導入しているもののモニタリングに特化しているだけで、実際にあれこれやるのは人間、というところもあるでしょうし、全くコンピュータを導入していない蒸留所もあります。

 

コンピュータ制御によって、ではウイスキーづくりのことを何も知らなくても運用ができるかといえば、答えはNOでしょう。

例えばラガヴーリン蒸留所では、実際に運用している人は定期的に糖化槽から中身を取り出してはチェックをしていました。それがウイスキー造りを知らない人がやっても、良いか悪いか判断できないでしょう。具体的な数値だけで判断することはできるでしょうが、それだけでは見落としが発生してしまう。やはりウイスキーづくりの基本をしっかり抑えていないといけないわけで、機械と向き合っているだけでウイスキーができるわけではないのです。

スコットランドの主要な産業となった現代のウイスキー造りは、安定した品質と供給があることが何よりも大事になっていることは理解できます。ここ近年はどこの蒸留所もキレイ目のしっかりと美味しいものを造るようになっていますが、一方で個性はだんだんと薄れていっているように思えるのは自分だけではないと思います。ただし、それがコンピュータ化によるものとは一概には言えません。

また、ウイスキーの味は蒸留が終わった後の長い時間、樽熟成によって出来上がるものです。樽の個性もまた大変重要なものですし、これらも研究が進んでいます。今我々が飲んでいるウイスキーは、人類の研究の成果でもありますが、樽や熟成環境など自然が育てたものでもあります。また、それを選びだし適切なタイミングで瓶詰めした、人の判断の結果でもあります。

 

いずれにしても、ウイスキーは人と自然が生み出した結晶。
我々は、ウイスキーを美味しくいただきましょう。
乾杯!

グレンリベット蒸留所

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ガラス越しには、近年設置した新しい蒸留器が見えます。

建物の外観はレトロな部分と近年的な部分が合わさっていて、さながら伝統と革新、といったようにも見受けられました。

 

 

宮城峡蒸留所へ行ってきました。

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ふと思い立って自転車で旅をしたくなり、山形近辺を巡る旅の途中で宮城峡蒸留所へ寄ってきました。あまり時間が無かったため、ほんのさわりだけの訪問となりましたが、蒸留所がどんな場所にあるのかを知ることはできました。

 

改めて、ニッカの宮城峡蒸留所は仙台から西に25kmほどの場所にある作並温泉のすぐ側にあり、近くの「新川(にっかわ)」川が竹鶴政孝の理想にかなったというのは有名な話です。場所柄そこまで大きな道路も無く、周りには工場や集落もほとんどありませんでした。温泉地とも数キロ離れているため、本当に蒸留所だけがぽつんと建っているような印象です。

 

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蒸留所はなるべく自然環境を残して建築するよう竹鶴政孝が命じたため、場内のいたるところに緑が溢れています。池の側にビジターセンターがあり、林の中にウェアハウスが並ぶ。樽を熟成させる環境としては理想に近い場所だというのがひと目見て分かりました。

気温の変化はそれなりに大きいでしょう。一応太平洋側のため、日本海側ほど雪が積もることは無いかもしれませんが、それでも東北地方の山の中、冬は雪化粧というには程遠い厳しい環境だったと思います。一方で夏場は結構な暑さになりますから、寒暖差は激しい。結果として、スコットランドよりも熟成は早く進むことになります。これは他の日本の蒸留所でも同じかとは思いますが。

 

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さて、蒸留所のツアーに参加すればひと通りの施設を見学することができました。蒸留工程はモルトウイスキーのためのポットスチルの部分のみで、連続式蒸留機は見ることができませんでした。ちょっと楽しみにしていたのですが、残念。

 

ショップでは限定の商品などが幾つか並んでいました。以前に比べたらラインナップは少なくなっているのかもしれませんが、樽出し51度の限定ラベルや、「モルティ&ソフト」「フルーティ&リッチ」「シェリー&スウィート」などのボトルが販売中。これらは試飲は有料ですが、ノージングだけは無料でできるコーナーがありました(間違っても飲んではいけませんよ)。香りだけでの判断ですが、「フルーティ&リッチ」がかなり好印象。リンゴやバナナなどのフルーツにやや乾いたウッディネス、澄んだ空気の林の中にいるような感覚がなかなか良くできていると思いました。

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あっという間に時間が来てしまい退散となりましたが、次に来るときはもう少し周辺も散策してみたいですね。