統計情報から見るスコッチウイスキー 補足情報

先日、年代別のリリースボトル数の記事を投稿した後で、Scotch Whisky Association(SWA) から興味深い統計が発表されているのに気づきました。

Scotch Whisky Statistical Report 2015” は、時期的には2年前の状態をまとめたものですが、ここ最近の傾向を見るには十分でしょう。

 


モルトウイスキーの生産量の推移

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順調に右肩上がり、かと思いきや意外と増加減少を繰り返していることが分かります。80年代前半が少ないのはわかりますが、1993年や2000年頃も一度生産が落ちているんですね。既にウイスキーブームが確信されていたであろう2010年頃も減少しているのが気になります。蒸留所の一時休止などでしょうか?

生産量自体でみると、この30年で2.5倍ほどに。需要の増加による生産量増加は凄まじいですが、一方でそれが品質にどのような影響を与えたのかは、良い面も悪い面もありますので一概には言えないところです。

スコッチウイスキーのストック量の推移

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年末に熟成庫に保管されているウイスキーの全量。今ではそんなことも管理できてしまうのですね。ただ、ちょっと自分が勘違いしていたのが、「特定蒸留年のウイスキーのストック」ではなかったのです。「なんだ、80年代の原酒もまだまだたくさんあるではないか」と思ったのですが勘違いだったようです。また、スコッチウイスキーなのでモルトでもグレーンでもなんでもあり、ということでしょう。

いずれにしても、ここ最近の生産量増加によってスコッチウイスキーのストックも豊富に。将来的には長熟のものもリリースされやすくなる……ということに期待しましょう。

バルクウイスキーの生産量の推移

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バルクのモルト、バルクのグレーン、その合計。どちらもここ10年で3倍以上になっています。特に2010年ころからの増加量が凄いですね。2010年といえば、ディアジオがローズアイル(Roseisle)蒸留所をオープンしたのがその頃でした。ポットスチル16基、年間1000万リットルと云われていますので、生産量増加に大きく貢献している可能性が考えられます。

とはいえ、その質がどうかといわれると……やはりバルクはバルク、でしょうか。いわゆる原酒工場の工業製品的なイメージがどうしてもまとわりついてしまいます。一度ローズアイルのシングルモルトというのも飲んでみたい気はしますが、恐らくリリースはされないでしょうね。


というわけで、統計情報から見るスコッチウイスキー、生産量の推移などはなかなか興味深いものの、将来的にはちょっと暗澹たる思いが残ってしまいます。「本物の」ウイスキーが今よりも珍しい時代が、もしかしたらやってくるのかもしれません。そういうときこそ、昔ながらの製法を続けていっている蒸留所を応援していきたいものですね。

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