アイルランド蒸留所訪問 – ティーリング蒸留所

ダブリン市内へは、空港からバスで30分ほど。そのバスセントラルを中心としてダブリン市内には様々な観光スポットがあります。クライストチャーチ大聖堂、トリニティ・カレッジ、セントパトリック大聖堂、公園なんかも多い。少し離れるが、世界的に有名なギネスの醸造所も人気の観光スポットです。

そんな市内を散策しつつ、ティーリング蒸留所を探していました。ギネスから近いはずなのですが、なかなか見つからない。周囲はオフィス街も終わり、住宅街、そして倉庫街と続く。そんな一角に、すこし隠れるようにしてティーリング蒸留所が建っていました。

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ティーリング蒸留所は元々は現在の場所から少し離れたところに建てられていましたが、1890年に閉鎖。しかし2015年にジャック・ティーリング氏とアレックス・チャスコ氏、元々クーリー蒸留所の従業員だった二人がダブリンに蒸留所を復活させました。

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まさにできたての蒸留所ではあるものの、それ以前からティーリングの銘柄でウイスキーを売り出し、その強烈なトロピカル・フレーバーなどで一気に話題になっていいます。そういった知見からか、既にある種の貫禄が漂っているように思えました。

 

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エントランスは洒落たカフェ風の内装。1階はカフェに加えてダブリンの蒸留所の歴史を物語るパネルが展示されている。2階はショップと、試飲なども行うためのバーカウンターなどが揃う。人出もありとても賑やかで、すでにダブリンの新しい名所になっていることが伺えます。

 

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蒸留所はショップの裏手。規模はそこまでに小さいわけではないですが、ミル、糖化、発酵、蒸留までの一連の工程を1部屋で済ませてしまうという近代的で無駄の無い構造になっていました。ポットスティルは3基、3回蒸留のアイリッシュでは当然ですが、2回蒸留のスコッチに慣れた身としては少々違和感が。

 

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ちなみに年間50万リットルの生産量で、ポットスティルは15000-10000-9000リットルという構成。やはりマイクロとは呼べない、中規模サイズ。ちなみに Frilli impianti というイタリアメーカーによるもの。いまやポットスティルといえばスコットランドのフォーサイスが念頭に来てしまうのですが、それ以外のメーカーでもこうしてしっかりとしたポットスティルを作れるところはもちろんあるわけで、多様性があるのは良いことですね。

 

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まだまだ稼働し始めたばかりのため全体的に設備がとても綺麗。ショップではハンドフィルが10年と25年の2種類用意されており、他にもシングルカスクなどの様々な種類のウイスキーや、シャツや帽子などのグッズも売られていました。なかなか手堅いやり方ですね。

 

なお、ティーリングは樽工場も独自に持っているそうです。バーボン樽、シェリー樽だけでなく、ポート、マディラ、ラムなど様々な樽を、様々なサイズで用意して試行錯誤しているとのこと。自前で樽工場を容易したのは、やはりチャレンジングなことをしてみたいからだと説明されていました。

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ティーリング蒸留所の紹介はこのようになりますが、ではこの蒸留所の原酒はというとどうなるのでしょう?

上でも書いたように、今現在ティーリング蒸留所としてはまだ稼働3年目。これまでの樽は基本的にはクーリー蒸留所で製造された原酒です。このティーリング蒸留所で作られた原酒がどのような味になるかはまだまだ未知数で、典型的なアイリッシュの味わいとなるのか、それとも個性豊かなものになるのか、判断が難しい。

自分としては、3回蒸留であることからやや個性が出にくい方向ではないかと推測しています。つまり、典型的なアイリッシュの味わいの方に近いのかな、と。しかしそうなると、ティーリングが絶賛される、強烈なトロピカル・フレーバーもどこまで出てくるのかがとても怪しい。そもそも、アイリッシュのトロピカル感がなぜ生まれるのかも良く分かっていません。未発芽の大麦を混ぜているからなのか、それともポットスティルの形によるものなのか、熟成の神秘なのか……。10年程度ではそこまで出てこないトロピカル感も、1990年前後に蒸留された20年~25年熟成のものでは顕著に感じるものが多い。

新しい蒸留所でさらなる躍進を続けるティーリングが、本当に良い物を作り出していくのかどうかは、今後の注目ですね。

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アイルランド蒸留所訪問 – ティーリング蒸留所」への2件のフィードバック

  1. 匿名

    素敵な記録や写真、眼福です!

    Frilli社って、グラッパの蒸留器に強かったはずです。酒の文化ごとに知らない蒸留器メーカーがあるんでしょうね〜

    また、いろんな蒸留所の開拓をされるのを楽しみにしています!

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    1. K.67 投稿作成者

      なるほど、イタリアですとグラッパがありますものね。
      形も従来のポットスティルとはかなり異なり、ネックが細長く伸びているのが特徴的でした。
      これで作ったモルトがどんな味になるのかは、正直、想像もつきません。
      そう考えると、是非とも飲ませてもらえないか頼んでみるのもありだったかもしれませんね。

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      返信

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