月別アーカイブ: 2018年3月

ロッホサイド 23年 1981 ブラッカダー ロウカスク

DSC06322.jpg

Lochside 23yo 1981-2004 (Blackadder “RAW CASK”,Bourbon Hogshead 55.4%)

香りは軽くケミカルさを伴うマンゴーやパッションフルーツがほんのり、パイナップル、焦げた藁、バタースコッチ、トフィー、インスタントコーヒー。

味わいはマンダリン、バタースコッチの甘さ、続いてマンゴーやパッションフルーツの南国フルーツ感が追いかける、同時に軽く風邪シロップの甘さ、奥にはインスタントコーヒーそのままの苦味と粒状感、甘さとピリピリとした刺激も加わるフィニッシュ。

【Good/Very Good】

ロッホサイドは1981が鉄板ですね。逆に言うと1981以外のリリースがあまり多くないのでそう感じているだけかもしれませんが。もしかしたら全体的に同じような味わいの系統なのかもしれませんが、同じくそれなりにまとまったリリースがあった1991などでは、南国フルーツ感はほとんど感じられないことが多いので、やはり1981は良いな、と思ってしまいます。

フルーツのフレーバーはどことなくトマーティン1976に近い感じもします。ややケミカルさが感じられるところとか。ややチャーしたオーク樽のフレーバーが強いのは、ブラッカダーらしく「樽の粉」が利いているためかもしれません(笑) もう残り少ないボトルでしたのでなおさらその傾向が強かったのかも。

ロッホサイド蒸留所は1992年に閉鎖されてしまったため、もう新しい原酒は無いわけで。最近まったくリリースを聞かなくなったところを考えると、いよいよストックもほぼゼロなのではないかと。もし何かの機会でリリースされることがあれば、注目の的になるのではないでしょうか。

キャパドニック 1992 Bond#1限定ボトル

DSC06321.jpg

Caperdonich 1992 (Bond #1 special bottling for members, 55.9%)

香りは熟したリンゴ、溶かしたバターのオイリーさ、コンポート、熟しきったバナナ、カスタードケーキ、新しめの家具のポリッシュ。
味わいは強めのアタックからハチミツとリンゴ、バニラとカスタードのケーキ、ややオイリーでまったりとした甘さ、後半からアルコール感とポリッシュのニュアンスが口腔を覆う、リンゴの皮とバニラ感が力強く長く続くフィニッシュ。

【Good/Very Good】

Bond#1といえば、Dave Broom氏がディレクターを努めた会員制組織でそれなりに活動していたように思いましたが、1年ちょっとしか続かなかったという印象が残っています。改めて調べてみると、その短い活動期間の中でも、数本の軽井沢を始めとする各種ボトルが会員限定絵でリリースされており、それ以外にも会員限定のテイスティング企画が執り行われるなど、結構精力的な会だったのだなあ、と改めて感じました。自分は参加しておりませんでしたが。

そんなBond#1がリリースした1992キャパドニックは、およそ20年程度の中熟ということになりますが、若くもなく過熟すぎもしないまさにちょうど良い熟成感。リンゴのコンポートにバターで風味を付けたような、甘味と酸味を感じるちょっと独特の香味です。この辺の香味が90年代のキャパドニックとして自分が特徴的と思っている部分で、以前のテイスティングでいうとケイデンヘッドの1996キャパドニックがまさに同じ方向性の香味を持っていると感じていました。

70年代のキャパドニックなどはもちろん美味しいですが、90年代のものもしっかりと美味しいものがありますね。キャパドニック蒸留所そのものは2002年に閉鎖されてしまっているので、それ以降のリリースが無いのが残念ではありますが、90年代前半の原酒は結構リリースがあるので、お気に入りの方は今のうちに買っておくのが良いかもしれません。

そういえば2000年前後のキャパドニックってほとんど聞かないように思えるのですが……。もともとブレンデッド用という意図が強いイメージがあるので、そちらのブレンデッド原酒にまわされてしまったのかもしれません。ブローラやポートエレンのように、ここ最近のブームを受けて復活したりしませんかね。

 

ブルイックラディ 35年 1970-2006 創業125周年記念ボトル

DSC06318.jpg

Bruichladdich 35yo 1970-2006 (OB 125th Anniversary Bottling, 40.1%)

香りはやや昔のスタイルでやさしいモルティさとシェリー感、古い家具、樹木の香り、ホワイトペッパー、微かに高貴なランシオのニュアンス。
味わいは染み込むような優しい麦とシェリー樽感、ボディは緩いが芯のあるバーボン樽感、バニラ、オレンジ、干したアプリコット、フィニッシュにかけて軽くランシオ系の高貴さを伴いながら儚く消える。

【Very Good/Excellent】

ブルイックラディはあまり長熟のものを飲んだことが無い蒸留所です。それは、1994年から2001年ころまで閉鎖されていたということもあり、自分の飲み始めた頃にはあまり目立ったリリースが無かったことと、アイラ島というとやはりピートの効いたボウモアやラガヴーリンなどを求めてしまうもので、ブルイックラディをちゃんと評価することが出来ていなかったと思っています。

今回のラディは1881年の創業から125周年となる節目にリリースされたもので、復活からようやく前途が明るくなってきたところでの並々ならぬ力が入ったボトルと言えると思います。往年のシェリー樽のニュアンスが存分に漂っている中に、各種のフルーツ感やヴィンテージ家具のような古酒感が良いアクセントに。ランシオのような高貴なニュアンスもありノージングが楽しくなります。
味わいはしっとりと優しく染み込むようで、引っ掛かりのなさは本当に秀逸。徹頭徹尾、バランスの良さと陶酔感にやられっぱなしでした。スルスルと飲めてしまうので、ある意味危険なボトルとも言えるでしょう。

流石の記念ボトル、間違いなく自分の中で最高のラディと言えます。この時代の原酒の良さを感じるために、オールドボトルを求める気持ちもよく分かりました。昔の12年とか、美味しいですよね。もっとラディもいろいろと試してみないと。

DSC06320.jpg

ハイランドパーク シングルカスク35年 1973

DSC06317.jpg

Highland Park 35yo 1973 (OB for NUANCE GROUP, Cask# 6194, 49.6%)

香りはライチ、白ぶどう、レモンなどの爽やかなフルーツ感にバターのもったりした感じが下支えしている、ビターカカオとバタースコッチの共演、ホワイトペッパーとメンソールのニュアンス。
味わいはどっしりとした麦はプレーンながら力強く、ハチミツに花のニュアンスを感じる、トフィ、ライチ、ランプータンと多彩な香味、じわじわと染み込むようなピートがさらに複雑さを醸し出す。

【Very Good/Excellent】

オフィシャルからNUANCE GROUPというところへ向けてボトリングされたハイランドパーク、1973年蒸留の35年熟成です。ボトリングは2008年頃でしょうか。瓶詰めからやや時間が経ち、良い具合にこなれてきた感があります。

非常に多彩な香味に溢れていて、白さをイメージさせるフルーツと花の蜜のような風味がしっとりとした落ち着きと共に現れては消えていきます。飲んでみると、どっしりと構えているふくよかなボディがありますが、ギスギスしたり荒々しさはほとんど感じず、かなり滑らかで上質な口当たり。

ハイランドパークといえば上質なシェリー樽の香味とヘザーハニー、そしてピートというのがハウススタイルというかキーワードとして挙げられていました。近年のボトルがその評価に適うかどうかは各人の判断にお任せいたしますが、少なくともこのボトルは「北の巨人」の名にふさわしく、懐の深さと貫禄のあるボトルでした。

DSC06317-2.jpg

カナダで「甘すぎるお酒」問題

カナダの話ですが、このような痛ましい事件がありました。

「甘すぎるお酒」で少女が死亡 搬送増加でカナダ当局が規制強化 (AFPBB)

14歳の少女が甘いお酒を2缶飲み、そのまま死亡してしまったようです。事件の詳細は調査中とのことですが、酒のアルコール度数は11.9%もあり、恐らくは急性アルコール中毒が原因ということでしょうか。最近カナダでは似たような状況で少年少女が救急搬送されることが多いそうで、当局は「甘すぎる」酒の規制を検討しているそうです。

元々カナダはアルコール飲料に対してやや厳しい態度が多いのですが(販売側の免許や購入側のID確認が必要など)、州ごとに事情は異なっていて、今回の事件は比較的規制が緩いケベック州で起きています。ケベック州ではスーパーやコンビニでアルコール飲料が並んでいるため大人も子どももかなり身近に感じているものと思います。とはいえ14歳が飲んで良いわけはなく、18歳まではもちろん禁止なわけですがなんとでも誤魔化せてしまうでしょう。

日本でも同様にスーパーやコンビニに行けばお酒は買えますし、なんならそこらの自販機でも買えるわけですから、好奇心旺盛な若者はお酒のひとつやふたつ、試してみたくなるのも無理はありません。本来、お酒は刺激が強いものなので、高度数のものなどは味やにおいなどから自然と身体が拒否するようにできているはずなのですが、甘く飲みやすくしたお酒はそんな防御機能をあっさりと乗り越えてしまいます。日本でもカクテル系の缶チューハイとかでかなり度数が高いものも多いですから、同じ様な事件がいつ起きても不思議では無いと思います。

お酒の飲み方を知らないことによって、こういった事件が起きてしまうとなんとも残念です。自分がどの程度お酒を飲めるのかは、時には失敗もしながら自分で探っていくしか無いわけなのですが、その前に生命を落としたり脅かされたりしないような最低限の知識とルールだけは、どうにかして周知していく必要があると感じます。

[残り2日] ウイスキーの良さを知ってもらう本 クラウドファンディング

先日ご紹介した「ウイスキーの良さを知ってもらう本」のクラウドファンディング、残り2日と終了が迫ってきています。そして、終了目前にして200万円という第2目標も達成されておりました。

5a44cc2d-e348-4832-b65e-181f0aba16f5

ラストスパートでまだまだ募集中ですので、もしまだの方はプロジェクトの支援をご検討されてみてはいかがでしょうか?

当ブログ内でのご紹介記事は過去ポストをご参照ください。

支援額が予想以上となったため、内容をさらにボリュームアップされるそうです。発起人のオザサさんや、監修の倉島さんと藤井さん、編集に携わる方々はこれからがスタートで大変かと思いますが、多少遅れても大丈夫ですので、完成を楽しみにしております。