月別アーカイブ: 2018年11月

[日本酒] 雅山流 “影の伝説” 純米無濾過原酒

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雅山流 “影の伝説” 純米無濾過原酒

  • ややぬるっとした滑らかな口当たりと濃いめのボディ
  • 甘みが強く、酸は控えめ、ややもったりとした味わい
  • 少し甘みが強すぎ、料理に合わせるのは難しいか、逆の発想でスイーツには合うかも

和食に合わせて食べていたのですが、ちょっと甘すぎるかな、というのが個人的な印象です。単体でも飲み疲れするタイプで、扱いが難しい。

精米歩合は65%。純米酒ですが、吟醸っぽい造りですね。このあたりは造り手の技術の高さが伺えます。

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[日本酒] 獅子吼 豊穣感謝祭 純米大吟醸ヌーヴォー

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獅子吼 豊穣感謝祭 純米大吟醸ヌーヴォー

  • サラリと流れるような飲み口と共に芳醇な柑橘の香りが走り抜ける、ひと口目
  • 米のふくよかな甘さと共にキリッとした芯のような硬質感のをもたらす、ふた口目
  • 上質の絹のような、するすると滑らかな味わいはどこまでも飲めてしまいそう

豊穣感謝祭 純米大吟醸ヌーヴォーのシリーズの3本目は獅子吼です。前2本がどちらかというと主張が強い味わいでしたが、獅子吼はどちらかというと少し控えめかな、という印象。

ただしそれは必ずしも悪いことではなく、飲み疲れしない味わいは逆に何杯でも重ねてしまいそうで、例えるなら落ち着いた雰囲気の印象画のような、ずっと見ていたくなるような、そんな佇まいを持っていました。

後半のキレもなかなかのもので、あまり味の濃いものには負けてしまいそうですが、こちらも食中酒としての顔も持っています。白身魚の刺し身など、醤油をあまりつけないものであれば、最高なのではないでしょうか。

 


 

ここまで3本、豊穣感謝祭のシリーズを紹介してきましたが、やはりどれも素晴らしい味わいで、各蔵の力の入れようが伝わってくるようでした。

また、なんといっても凄いところは、このレベルの純米大吟醸にして、値段が税抜きで四合瓶1500円/一升瓶3000円と、普通のものと変わらないということです。ちょっとこれは信じられない。話によると、造りとしては一升で5000円クラスのものだということで、とんでもなくお買い得な仕様になっているのです。買い手としては有難いことですが、造り手側の負担になりすぎていないかが逆に心配になるレベル。

これはもう買って応援するしかありませんね。

今回一緒に呑んでいた日本酒仲間の評判も上々で、こういう企画が毎年続いていけば嬉しいですね。

[日本酒] 倭姫 豊穣感謝祭 純米大吟醸ヌーヴォー

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倭姫 豊穣感謝祭 純米大吟醸ヌーヴォー

  • 飲み口にはふわりと香るフルーツが、すぐに辛口に切り替わりキレのある後味に
  • 甘み、米のコク、辛口のキレ、酸と、様々な味わいが重層的に押し寄せる
  • 単体で呑んでも良し、食中酒としても良し、ハイレベルなオールラウンダー

豊穣感謝祭 純米大吟醸ヌーヴォーの2本目は奈良の春鹿で有名な今西清兵衛商店が手がける「やまとひめ」。1本目の神心とはまた違った方向ですが、こちらもかなりのハイレベルです。

飲み口の華やかさは単体で飲む楽しみが感じられ、後半のじわりとした辛口の味わいは食中酒として様々な食に寄り添っていけそうなポテンシャルを感じます。飲むほどに複雑さが増していく、重層的な味わいが魅力的でした。

今回の純米大吟醸ヌーヴォーの中で最もバランスの良いオールラウンダー。素晴らしい出来栄えに感服しました。

[日本酒] 神心 豊穣感謝祭 純米大吟醸ヌーヴォー

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神心 豊穣感謝祭 純米大吟醸ヌーヴォー うすにごり

  • フレッシュな柑橘やメロンと共にジューシーで濃厚な甘さ
  • 強すぎないアタック、やや線が細いながらもボディの厚みはそれなりにあり飲みごたえも良好
  • やや甘さが強いため単体か塩気のあるつまみ少々と愉しむのが良さそうか

11/23は新嘗祭、五穀豊穣を感謝する日として位置づけられてきました。その新嘗祭に、今年の日本酒の出来栄えを見てもらおうと始まった企画がこの「豊穣感謝祭 純米大吟醸ヌーヴォー」です。

3蔵がそれぞれの技術の粋を集め、競い合うようにそれぞれの自慢の味を出してくるであろうという期待がもたれていましたが、1杯目の神心、やはり素晴らしい出来栄えでした。

呑んだ瞬間に華やかさとジューシーさが溢れ、思わず笑みがこぼれるような味わい。どっしりと、とはいかないまでもしっかりとした芯、やや甘さは強めなものの、酸もそれなりにありバランスが良いです。味の傾向としては最近の流行の造りですね。白ぶどう的なニュアンスもあるので、まさに白ワインのような感じも。

第一弾ということで、やはりかなり力を入れてきたことが伺えました。これは買いですよ。

ボウモア 12年 ダンピーボトル 1980年代流通品

アイラ・ピートともまた違った独特の香味が特徴的でした。

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Bowmore 12yo (OB, 1980s Dumpy bottle, 43%, 75cl)

香りはクレゾール、古い家具、湿った布、オレンジ、オレンジの皮、奥にはこなれた麦感。

味わいはゆっくりとした立ち上がりでしみじみとした麦感、じっとりとしたピート、チョコレートパフ、ミドルから焦がした麦、カスタード、タールのニュアンスが広がり、麦のコクとともにしみじみ消えていく。

【Good/Very Good】

ボウモアの黒ダンピー12年。1980年代~1990年頃の流通ボトルです。

この時期のボトルなら、逆算するとちょうどボウモアがパフューム香を発揮し始める頃だと思うのですが、なぜか出てこないんですよね。ロット差なのか、パフューム香を備えている同ボトルもあるようですが、基本的には無いという。

ラベルチェンジしてこの後に出てくるシルクプリントのものは、もうパフューム香バリバリで、その手のものが好きな方にはご褒美レベルだと思いますが、自分には合いませんでした……。自分が最初に飲みはじめた頃は、ボウモア12年もそのパフュームから脱した頃で、思えばそこで変なボトルに当たらなくて良かったとしみじみ思います。

さて、香味ともにかなりの時間経過によるこなれた感じと、やや強めのオールド感が出てきています。印象的だったのが塩素やクレゾールのようなニュアンス。1970年代のアードベッグにも通じるようなニュアンスですが、あちらはもっとひんやりとした印象があるので、それに比べるとキャラクターはまた異なるという。似ているようなそうでもないような、面白いところです。

割と当たり外れが多いボトルのようですが、このボトルは劣化によるネガティブな要素はほとんど感じませんでした。

貴重なボトルをありがとうございました。

クライヌリッシュ 1997-2017 ウィームス Continental Platter

ちょっと珍しい味わいのあるクライヌリッシュですが、いろいろな旨味にあふれていて美味しいボトルです。

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Clynelish 1997-2017 “Continental Platter” (Wemyss Malts, Hogshead, 46%)

香りはリンゴ、バニラとハニートースト、少しパイナップル、塩気を感じるレモン、燻製用の木材、奥からメンソールなどハッカ系のニュアンス。

味わいはやや程よいアタックで梅、レモンジャムとバニラクリーム、甘みと塩気が同居する、ミドルは塩気と旨味、少しの根菜感、フィニッシュにかけて強めの塩気と燻煙、少しのペッパーが後をひく。

【Good/Very Good】

ウィームスのクライヌリッシュ、近年では当たり年と言われている1997年蒸留のものです。

全体的にはっきりくっきりとした明瞭な味わい。強めの塩気とバニラ感は北ハイランドらしく、クライヌリッシュらしいともいえます。

ミドルに塩気と野菜のようなニュアンスの旨味があり、これが漬物のような感じを醸し出していて美味い。ちょっと珍味系のニュアンスにもとれますが、決して嫌な味ではなくむしろこの旨味はもう1杯追加したくなるような、そういうタイプでした。

ボトル名の Continental Platter というのはワンプレート料理のことだとは思いますが、その上に載っているものは定義が曖昧でどういうものを指すのかが絞りきれませんでした。海産物ならシーフード・プラッターと書くと思いますので、この場合はハムやベーコンなどシャルキュトリー主体のプレートでしょうか。燻製っぽさが漂っていたので、ベーコンのような感じとか。そういえば上の漬物感もいぶりがっこに近いかも。

ウィームスは加水が得意というイメージがあって、このボトルも46%という加水ボトルですが、飲み疲れず物足りなさもない、非常に心地いい飲みごたえでした。

 

鹿児島とウイスキー

当たり前のことではあるのですが、ウイスキーというのはどこででも好きにホイホイ作れるわけではなく、製造免許が必要になります。事業免許を取得するには国税庁に申請をしなければなりません。

で、その事業免許を取得したという情報は、国税庁のサイトですべて公開されています。ウイスキー事業はビールなどに比べると設備にもかなりのお金がかかりますし、収益を生むまでに時間がかかりますから、数える程度です。とはいえ、ここ最近のクラフトウイスキー・ブームのあおりを受けて、免許取得の件数はかなり増えてきています。

さて、今年の情報を見ていたところ、なかなか面白い点を見つけました。

サントリーが熊本で新規取得……これはもともとビール工場がある場所です。もしかしたら今後このあたりでサントリーのウイスキーが生まれるかもしれませんね。

黄桜や倉吉はさておいて。

秋田のは試験免許らしいので今後の動きに期待でしょうか。

で、面白かったのはニッカが鹿児島で新規免許取得という部分。
しかも住所が姶良市って本気で日本のアイラ獲りにきているんでしょうか(笑)
まさかのダジャレでもないでしょうし、この動きはいろいろと想像の余地があって面白いです。

ちなみにこの住所には「さつま司」の焼酎蔵があります。さつま司はアサヒビール系列に入っているようで、ニッカもアサヒ繋がりですから、なるほどといったところですね。

 

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それにしても、九州の特に鹿児島はここ最近のウイスキー熱が凄いですね。

本坊マルスが津貫に蒸留所を構えたかと思えば、焼酎蔵が次の一手として新興の蒸留所を次々と立ち上げ、そして大御所のニッカも参入ということになるのでしょうか。日本のウイスキー・ツーリズムの一大拠点として盛り上がっていくかどうかは、今後の各社の頑張り次第といったところでしょうか。

気候環境的には、やはり夏の暑さが気にかかるところです。台湾と同じように亜熱帯のようなかなり高い気温になるため、熟成は早い点がメリットになる一方、樽と原酒の相性が悪いとちぐはぐでミスマッチな原酒になりやすいと推測。このあたりは各社さんとも様々な試行錯誤があることと思います。

長い目が必要なウイスキー事業ですが、10年くらい後でも盛り上がっていてくれることを期待します。