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グレンフィディック、ラベル商標で敗北

“GlenField” というブレンデッドウイスキーを販売しているインドのVivek Anasaneという会社が、イギリスに進出するにあたって商標を申請したところ、”GlenFiddich” のWilliam Grant&Sonsが反対した、という争議がありました。

名前もラベルのデザインも酷似しているため、消費者が誤認する、という主張でしたが、イギリス知的財産庁が出した結論は、混同はしないだろう、というものでFiddich側が敗北という形になりました。

これと似たような話は恐らくこれまで幾度となく繰り返されてきたのでしょうが、未だに無くならないものですね。古くはどの蒸留所も Glenlivet を名乗ったりですとか、最近でいうとドイツのウイスキーである “Glen Buchenbach” に対して、Glen という名前を使わないように求めた争議があり、これはスコッチウイスキー協会が勝利していました。

一般的な用語である Glen に制限を求めるのは難しいとは思うものの、個人的には、やはりそこはスコットランドに由来するものでないならパクりと言われても仕方ないのでは、と感じてしまいます。

今後も法的に似たような騒動が起きるのは間違いなさそうですので、スコッチウイスキー協会あたりが地理的表示(GI)保護制度の一環として、Glen の使用制限を設けるような動きがあってもおかしくないかな、なんて思います。


ちなみに騒動の中心となっている Glen は「谷」や「山の狭い渓谷」というような意味であるのはご存知かと思いますが、きっと多くの日本人が思い描くような谷とはかなりイメージが違います。

グレンリベット蒸留所遠景。なだらかな丘の合間に鎮座している。周囲は牧草地が続く。

スコットランドの自然は日本ほど急峻な地形ではなく、山も平地もかなりのんびりした隆起です。そのため、山の合間である谷についても、せいぜい窪地というか丘と丘の間のようなものだったり。

グレンファークラス蒸留所。こちらも谷間というにはずいぶんとなだらかだが、確かに谷のような位置にある。

多分、日本の地形が山多すぎ谷深すぎ、なんでしょうけれどもね。ちょっとしたギャップも面白いものです。