クーリー 11年+16年 ケイデンヘッド・オープンデー Big Tasting 2019向け

アイルランドとスコットランド、旅するモルトのストーリー。

Cooley 1992 11yo(+16yo) (Cadenhead for Open Day “Big Tasting” 2019, Barrel, 53.4%)

香りはバタースコッチ、熟成したチーズ、あんぽ柿、グァバ、バンレイシ、グリーンノートとややもったりした甘さ、メンソールのニュアンス、

味わいはねっとりとした立ち上がりでグァバ、洋ナシ、ネクタリン、少しパッションフルーツ、やや強めの樽感とタンニンの収斂味、ドライながらもエキゾチックなフルーツ感が続くフィニッシュ。

少量加水するとドライな部分やエグみが抑えられ整う感じ。柑橘の甘みとパッションフルーツが主張してくる。

【Good/Very Good】

ケイデンヘッドの熟成庫ツアー、ウェアハウス・テイスティングでボトリングされた、アイリッシュ・ウイスキーのクーリーです。今年2019年5月に行われた、ケイデンヘッド・オープンデー向けのもの。

こちらも全開のポール・ジョンに負けず劣らず面白いボトル。表記上は11年となっていますが、1992年蒸留にしては年数が合いません。これはアイリッシュ・ウイスキーの定義によるものでしょう。アイリッシュ・ウイスキーを名乗るためには熟成について次の制約があります。

木製の樽において
(i) 国内の倉庫において3年以上、もしくは
(ii) 北アイルランド内の倉庫において当該期間、または
(iii) 国内および北アイルランド内の倉庫において合計3年以上の期間
熟成されたものとする。

このウイスキーは11年をアイルランドで、その後の16年をスコットランドで熟成したものとなります。その場合はアイルランドでの熟成年数のみを表記することで、アイリッシュ・ウイスキーとして存在することができる、という仕組み。

というわけで実際には27年の長熟アイリッシュ、という扱いで良いかと。その味わいは、支配的ではないもののアイリッシュらしいトロピカル感、そしてフルーツ感は果肉の甘みと皮部分の苦味が同居している感じ。甘さと同居するほろ苦さは、ライトピート麦芽を用いたというところに由来するものでしょうか。

熟成期間が長いこともあり、やや樽の強さが出ているところがありますが、ギリギリ嫌味にならないところだと思います。これ以上熟成させると完全に樽の味になりそうな気配があり、ボトリングの時期としては良く考えられているように感じました。

改めて思うのは、ケイデンヘッドの熟成庫には本当にいろいろな樽があるな、と。自分がボトリングしたものの中でも、ドロナックで樽詰めされたグレンリベットとかありましたし、確かモーレンジで10年ほど熟成させて戻ってきたスプリングバンクなどの話もあったり。スコットランド内であれば熟成年数は通常通り加算されていきますから、どこでどんな風に熟成されたかというのはボトルだけ見ていても分からないこともあるのだな、と思わされました。

単に一つの熟成庫で眠っている樽もあれば、あちこちの蒸留所を旅する樽もあり。どこでどんな風に過ごしたかによって、突然変異のようなシングルカスクが生まれることもあるのかもしれません。このあたりも熟成の神秘ですかね。

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