カテゴリー別アーカイブ: ウイスキー

マッカラン 16年 1998 シェリーホグスヘッド キングスバリー シルバーラベル

不思議なお茶のニュアンス漂うマッカランでした。

Macallan 16yo 1998 (Kingsbury “Silver Label”, Sherry Hogshead, 46%)

香りは紅茶とプーアル茶のような独特のニュアンス、少し桃、イチジク、あまりフルーツ感は強くはない、ミルクティっぽさもある。

味わいは柔らかいタッチで、凄いシェリー感、アモンティリャードそのもの、タンニンの渋み、プルーン、ボディはゆるく、発酵感のある酸味が少し、樽のタンニン感がやや強いめに締めるフィニッシュ。

【Good/Very Good】

キングスバリーのシルバーラベルは加水されたボトル。最近はゴールドラベルが多くリリースされていたため、シルバーラベルの存在を少し忘れていました。

ちなみにゴールドラベルはカスクストレングスでのボトリング。同社の宣伝によれば、「特に際立った個性をもった樽のみが厳選され樽出しにてボトリングされる最高品質」とのことです。でも、ちょっとリリース多くて最高品質の割に結構お手軽感があります。

さてこちらのマッカランですが、いわゆる近年系シェリーのマッカランです、とひとことで括れないような、ちょっと不思議なニュアンスがありました。香りもお茶系の独特のニュアンスがあったのですが、特にその味わい。自分はウイスキーを飲んでいると思ったのに、まったくのシェリーそのものを飲んでいるような、それくらい強調するシェリー感です。

アモンティリャードのような、やや辛味のあるピリッとしたエッジ、発酵感のあるニュアンス、それに対して麦感が少し控えめなこと、加水でボディが柔らかいことなどがそうさせているのだと思います。いや、本当に不思議ですが、樽の強さからきているのでしょうか。

16年でかなり強めの樽感が出ていることから、加水しない状態ではいがらっぽく美味しく飲めないような代物だったのかも、という推測もできます。しかしながら、これはこれでカスクストレングスで飲んでみたいような、そんな魅力もありました。

Kさん、おすそ分けありがとうございました。

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グレンバーギー 1997-2016 G&M Exclusive for JIS

GlenBurgie 1997-2016 (G&M Exclusive for Japan Import System, Refill Bourbon Cask, #8570, 57%)

香りはリンゴやアプリコット、ココナッツ、ローストしたカシューナッツ、やや火薬のニュアンス。

味わいはやや硬いアタックで焼きリンゴ、アプリコットジャムを塗ったトースト、ミドルからココナッツの甘いフレーバー、少しピリピリするタンニン様、フィニッシュにかけてややトロピカル感も感じる芳醇なフルーツフレーバーを残して消える。

【Good/Very Good】

昨年、G&Mはラベルチェンジを行ったためこのラベルは現在は使われなくなってしまいましたが、今でも酒屋さんには残っていますし、自分なんかは長らく見てきたExclusiveのラベル。ジャパンインポートシステムとのつながりも深く、for JIS のラベルもこれまでいろいろとリリースされてきていました。

今回のグレンバーギーもそんな G&M Exclusive for JIS のひとつで、なかなか秀逸だと唸らされる一本でした。

ものすごいトロピカル感! というわけではないのですが、フィニッシュにかけて喉奥から立ち上ってくるフルーツ感には南国フレーバーが見え隠れしていて、マンゴーの皮に近い部分やグァバのような、甘いだけじゃなくちょっと渋みもあるような、そんなニュアンス。ココナッツっぽい香りも南国感を少し醸し出しています。

とはいえ、主体となるのは麦っぽい甘みとナッツのようなオイリーさ。ノージングでいろいろな表情を見せるので、香りだけでかなり長い時間楽しめ、その全体のバランスと複雑さがよくできていると感じる一本でした。

こちらは Bar Laddie さんでいただきました。先日の写真展にお越しいただき、また、マスターも以前アイラ島で働いていらっしゃったという経緯から、アイラ島の風景などを中心にいろいろとお話することができました。楽しいひととき、ありがとうとざいました。

Elixir Distillers がアイラ島に新蒸留所を計画中

エリクサー・ディスティラリーズ(Elixir Distillers)のブランドを有する英ロンドンの酒商 Whisky Exchange が、アイラ島に新蒸留所の建設計画を提出したようです。

PLANS SUBMITTED FOR NEW ISLAY DISTILLERY

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Image via scotchwhisky.com

ラフロイグ、ラガヴーリン、アードベッグというアイラ島南側の3蒸留所の、さらにその西側に建設されるという新蒸留所(名称未決定)は、現代的な建築と設備を持ち、ウイスキーだけではなくジンやラムなども蒸留できる設備や、ウイスキーのためのフロアモルティング設備も持たせる模様。フロアモルティングはボウモア、ラフロイグ、キルホーマンに続くアイラ島4つ目ということになりそうです。

外観イメージを見ると、現代的な建物ということでパゴダが見当たりませんね。また、熟成庫は地下というか丘の側面をくり抜いた場所になるようです。ポットスチル4基、ウォッシュバック16基、最大120万リットルのアルコール生産ということで、かなり大きい蒸留所といえそうです。

2021年に蒸留を開始予定のようですが、まあ往々にして遅れるのが常ではあるので今のところは計画がされているだけという認識の方が良さそうです。とはいえ、スキンダー・シン氏の長年の夢だった蒸留所がいよいよもって建築されるのか、注目が集まりそうです。

個人的には、ポートエレンも可動予定、アードナホーも建築が進みここにまたさらに新蒸留所となると、ウイスキー関連の魅力は増えるのは良いことなのかもしれませんが、島の自然環境への負荷は大丈夫なのかと心配になります。現在でもかなりの負荷がかかっているという話を以前に聞いているため、今後どこかでその歪が表に現れてくるのではないか、気になるところです。

グレンモーレンジ 10年 2000年前後流通ボトル?

ゆったりとした麦の旨味と少しのオレンジ感、良い塩梅です。

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GlenMorangie 10yo (OB, +/- 2000?, 1000ml, 43%)

香りはオレンジオイル、やや透明感のある麦の甘さ、軽く焼いたクロワッサン、ミネラル感、少し火薬っぽいニュアンス。

味わいは非常に優しい口当たりで、カスタードプリン、マーマレードジャムと薄い紅茶、ミドルにはじわりと硬質なアーシーさ、暖かい薪ストーブのような、燃やした木を感じるフィニッシュ。

【Good/Very Good】

10 YEARS OLD 表記ではなく TEN YEARS OLD 表記のため、1990年台後半~2000年前後の頃でしょうか? そのあたりと思われるグレンモーレンジのスタンダード10年。リッターボトル仕様です。

基本的には現行の10年と味の方向は似てはいるものの、味の主体がしっかりとした麦感であるところが少し異なるように思えます。現行のものは、樽使いがうまいものの、どうもボディの厚みではこの頃から一段劣るように思えました。

刺激のなさはピカイチで、染み込むような味わいが非常に心地良い。経年による抜け、かとも考えましたが、全体的にコルク臭やヒネのようなものは全く感じられず、ボディの厚みはなかなかのものだったので、ちょっと違いそうです。リッターボトルのためか、全体的に状態は良好でした。

10 YEARS OLD 表記のものは、これよりもさらに麦の厚みが強いという話ですので、かなり美味しそうですね。こういうモルトを家でゆるゆると飲めるのはひとつの幸せだと思います。

ちなみにDFSというのは……Duty Free Shop の略ということで良いのでしょうかね?

グレンリベット12年 1990年頃流通ボトル

スタンダードにして懐深い、基本にして王道です。

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GlenLivet 12yo (OB, +/- 1990, 75cl, 43%)

香りはやや古酒の趣き、カスタード、リンゴ、洋ナシ、焼き立てのスポンジケーキ、穏やかなピートの香りとややアーシーなニュアンス。

味わいはスルリと引っかかりのない口当たりで、カスタードケーキ、リンゴのコンポート、出がらしの紅茶とシフォンケーキのニュアンス、ジワリと穏やかな乾いたピート感のフィニッシュ。

【Good/Very Good】

特級表記ではない、赤いアザミが特徴的なラベルのグレンリベット。1990年代前半の流通と思われます。

こちらは、BAR LIVET さんへの訪問時にいただきました。ここではやはりグレンリベットを飲んでおきたかったので。

思えば、現行品にしてもグレンリベットをしっかりと飲んだのはいつ以来だろう、と思ってしまうくらい、スタンダードすぎて食指が動かなかったりもしますが、この年代のものは下支えするピートに裏打ちされた、穏やかながらも多彩なフルーツ感がスペイサイドらしい華やかさを演出しています。

やや経年による香りがあるものの悪くないニュアンスで、軽めのアルコール感はスターターとしてぴったりでしょう。もしくは、少し疲れているときならこれだけをゆったりと飲んで眠りにつく、なんていうのも良いかもしれません。

しっかりと味わうといろいろと発見があり、スタンダードにして奥深さも兼ね備えた佳酒です。
この日は、先日の写真展で出展していただいたWhisktailの件も含め、いろいろとお話をすることができました。BAR LIVETは2号店もオープンされる予定で、鋭意準備中ということです。場所は現在のお店から1分もかからないくらいの場所だとか。

今後ともますます活躍の場が広がっていきそうな静谷さん。陰ながら応援しております。

[ブラインド] ロングモーン 1973-2015 G&M

つづいてもうひとつのブラインド出題を。

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【ブラインドB】

香りはレーズン、いちじく、かすかに乾いたピート、ヨード感はあまりない、オレンジオイル、湿った布、微かにナッツのような香ばしさがある。

味わいは染み込むような麦感とオレンジマーマレード、サルタナレーズン、ミドルから徐々にパワフルさが出てきて、ナフタレンやナッツのようなオイリー感が少し、後半に軽めのピートと煙が締めてくる、じわりと刺激が残るオレンジと煙の混在したフィニッシュ。

【Good/Very Good】

オレンジ感と後半の落ちついたスモーキーさが印象的。シェリー樽のニュアンスがあるもののそこまで強くはなく、バーボン樽6割+シェリー樽4割くらいのヴァッティングだろうか。シェリー樽のニュアンスが近年系とは少し異なる気がする。往年の素晴らしいシェリー樽に近い方向だが、なにか少しニュアンスが違うような。なんだろうこれ。

味は、感動的とはいかないまでも、落ち着いていて親しみやすい。優しいアタックで良質のシェリー感と下支えするピート感の複雑さが好印象。リラックスした雰囲気でゆるゆると飲みつづけていたいタイプ。

こなれた感じはオフィシャルのややオールド寄りか。アイラではない軽めのピート系という方向性で絞り込んでみた。

蒸留年:1980年代前半
熟成年数:18年程度
度数:46~48%
樽:バーボン樽とシェリー樽のヴァッティング
蒸留所:①ハイランドパーク ②スプリングバンク ③グレンギリー

という回答に対して正解はこちら。

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ロングモーン Longmorn 1973-2015 G&M 43%

G&Mのロングモーン、1970年代前半のボトルでした。

こちらも盛大に外していますね。当たっている部分が見当たらない……。

出題者のGさんいわく、「少しサルファーが出ていてあんまり期待した味わいではなかった」ということですが、確かにちょっとシェリー樽の味わいが微妙な感じです。いわゆる「G&Mらしいシェリー樽」の味わいとは一致しないんですね。なので、自分も1970年代ではなくもう少し後かな、という回答になったのでした。

2012年くらいまでは、このラベルと似た感じでG&Mからたくさんのロングモーンが出ていたのですが、どれも評価はかなり高かったと思いました。当時はこれが普通、くらいの意見が多かったのかもしれませんが、今となっては……というのが最近のお約束。

さて、ブラインドAの回答もそうなのですが、熟成年数が全然答えられていないですね。なんか最近、熟成感というのがよくわからなくなってきました。アルコール感と若さでなんとか答えを出してしまっている感じで、一定以上の熟成となると全然認識できていない感じ。どの部分を熟成ととらえるのかをちゃんとチェックしないとダメですね。

 

[ブラインド] グレンオード 30年 オフィシャルボトル

久々にブラインドのチャレンジを頂いたので、やってみました。

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【ブラインドA】

香りは熟したリンゴ、ピーナッツ、洋ナシ、こなれた麦感とハチミツ様、濡れた布のニュアンス、少しセメダイン。

味わいは強いアルコールの刺激的なアタック、洋ナシ、青みがかった瓜のニュアンス、ガムシロップ、甘じょっぱいキャラメル、白ぶどう、突き刺さるようなアルコール感にヒリつくフィニッシュ。

加水するとやや若いアルコール感とシナモン様が目立つ。味わいは少しチョコレート様が混じるが、基本的にドライな樽感が浮ついている。

【Okay】

やや若さも感じる、樽の味付けがあまりないプレーンな酒。もしかしたらリフィルのシェリーということもあるかもしれないが、3rd Fill以降だと思われる。若さ由来の香味と、樽感もやや生木っぽさがありうまくまとまっていない感覚。

10年前後と思いたいが、最近のリリースでは15年前後でもこのような香味になることがあるため悩ましい。甘じょっぱい味わいからは北ハイランド系を意識する。あまり多層的でない直線的な味わいはシングルカスクと推測。ボトラーズものだろうか。

蒸留年:2000年代後半
熟成年数:10年程度
度数:55%前後
樽:バーボン樽
蒸留所:①クライヌリッシュ ②プルトニー ③バルブレア
という回答に対して正解はこちら。

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グレンオード Glen Ord 30年 オフィシャルボトル 58.7%

回答頂いて、自分でも驚きましたよ、えぇ(苦笑)

とりあえずスペック的なお話をすると、グレンオード30年は2005年頃に出まわっていたボトルで、逆算すると1975年前後の蒸留の原酒ということになります。今回のブラインドの回答では、度数と地方については概ね当たっていて、特に回答では③にバルブレアと書く前にオードと書いていたのでちょっと残念な。まあそれ以前に熟成年数が全く当たっていないわけですが。

なんでしょうね、酸味のある香味とハイプルーフなアタックで完全にイメージが引っ張られた感があります。10年くらいのハイプルーフなシングルカスクのオードなんて、最近リリースあったかな? と思って、比較的リリースが多かったバルブレアを入れたのでした。

それにしても、ちょっとこれはショッキングというか……。なんかいろいろと申し訳ないのですが、自分の飾らない評価は上記の通りということですね(笑)

ここ最近、「往年の麦感があるモルト」(漠然としてますが)が味わえないかと考えていて、そのイメージの最初に挙がったのがこのオードでした。あとは、カーデュとかノッカンドゥあたりがイメージ先行ですが候補に挙がっていました。

そこにちょうどこのオードがやってきて、ブラインドで飲んでみるとなんだか自分には合わない味わいという結果に。結論として、昔のモルトが(自分にとっては)常に美味しいとは限らない、ということを見せつけてくれたわけでした。

現行品でも良いボトルあるのでそっちを探せ、ってことですかね……。

とにもかくにも、良い経験になりました。
Gさん、感謝です!