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メーカーズマーク プライベートセレクト by 信濃屋 and Scott

特別なストーリーを持つメーカーズマーク、中身もしっかり美味しいです。

Maker’s Mark Private Select OAK Stave Selection by SHINANOYA and Scott 53.8%

香りは爽やかな木の香り、メープルシロップ、レモンやライムのような酸味、バニラエッセンスと僅かにチョコレート。

味わいはやや落ち着いた立ち上がりで、メープルシロップ、カシューナッツ、やや渋みの抜けきらない柿、ダークチョコレート、ミドルからどっしりとした木樽、煮出した紅茶、焦がしたクローブにシナモン、ブラックペッパーとチョコレートが残るフィニッシュ。

加水すると甘さよりも紅茶とタンニンの強さが前に出てくる。ストレートでも口当たりは強すぎないため、加水は少量に留めるのがベターか。

【Good/Very Good】

信濃屋のバイヤーズチームが選定した、バーボンの名門メーカーズマークのスペシャルプログラム、プライベートセレクトの第二弾です。

このプログラムのために選ばれた特別な原酒を
5種類の個性豊かな「インナースティーヴ」を
自由に10枚組み合わせたオリジナルバレルに移し替え
約9週間、ライムストーン造りの専用セラーで後熟を施します。

ボトルの詳細はこちらのページを参照していただくのが宜しいかと。どのような経緯でこのボトルが出来上がっていったのかが詳細に記録されていて、こういう情報が見れるのはとても珍しく、一見の価値ありです。また、このボトルが特別でワンオフものだということがよく分かり、ゲットした身としては嬉しい情報です。

味わいは上記テイスティングノートの通りなのですが、全体的にどっしりとした重量級な味わい。メープルシロップ、紅茶のタンニン、ややナッティ+落ち着いたスパイス感、といったあたりが楽しめる、嫌なところのない美味いバーボンです。ライ麦を使わず冬小麦を使うというマッシュビルのおかげか、自分が少し苦手な酸味や草っぽさが抑えられメロウでリッチな傾向。自分が思い描くバーボンらしいバーボンである一方で、どっしりと飲みごたえもあって良い味わいです。

実は上述の紹介ページの詳細やテイスティングノートはほとんど見ていないままのテイスティングだったのですが、

『深みのあるアロマと一体感、穏やかながら長い余韻を楽しめるMo主体の仕上がりの、
ダーク系メーカーズマーク。1/1000の新たな物語を是非お試し下さい』

というコメントの通りの味わいで、なるほど納得でした。

ここ最近、バーボンで今回のようなウイスキーショップのプライベートボトルをいろいろと見ることが増えてきました。アメリカ国内では現地酒屋向けなどが 以前からあるようですが、 基本的には米国内での流通。それらのボトルを個人が輸入したり、それこそ信濃屋さんが以前に引っ張ってきたフォアローゼスなど、日本でも幾つか見かけるようになってきています。

そして信濃屋さんは、去年に引き続きプライベートセレクトの第二弾ということで、着実にそのコネクションを広げて行っている様子。そこには余人には想像し難い様々なハードルがあることと思います。そうした諸々を乗り越えて良いボトル、面白いボトルを提供して頂けるというのは本当に有り難いことだな、と。

そういった樽選定やボトリングなどの部分は、(蒸留や熟成の神秘的な点で)厳かに語られる製造プロセスに対して割と軽視されがちな部分でもあるのですが、誰がどのような想いで選び詰めたボトルなのか、ということも同時に大切なストーリーだと思うのです。

そのあたりが気に入ったこともあって、普段はあまり手を出さないバーボンでしたが、一本ゲットさせて頂きました。これからも様々なボトルを日本のウイスキー好きな方々に提供して頂きたいですね。

ジャックダニエル シングルバレル “バレルプルーフ”

度数の高さに驚きますが、非常にポテンシャルの高い原酒です。

Jack Daniel’s Single Barrel “Barrel Proof” (OB, Barrel No.18-7014, 134.9Proof/67.45%)

香りは新品の木製家具、あるいは樽そのものの香り 甘いメープルシロップ、ローストしたクルミ、少しセメダインのような溶剤、ドライチェリーやフィグのフルーツ感、チョコレート、香木系のふくよかな香り、かすかにおしろいのよう、非常に多彩。

味わいは非常に強烈なアタック、ピリピリと焼き付くよう、遅れて桃、ドライフィグのはっきりとしたフルーツ感、ミドルからはナッツの皮の部分の収斂味、強く煮出した紅茶、メープルシロップの甘さと強い紅茶のタンニンが残るフィニッシュ。

加水すると香りは溶剤とフルーツ感、濡れた土のようなアーシーさが引き立ち、味わいはバニラアイスの甘さと白桃のようなフルーティさが目立つ。多めの加水ではチョコレートと紅茶感がうまくまとまる。加水の幅が広く、好みが出てくるスポットを見つけるのも楽しい。

【Very Good】

久しぶりのアメリカン・ウイスキーです。こちらのボトルは、昨年12月の写真展の際にイシハラさんが持ち込んでいた一本。参加された方は、試飲された方も多かったのではないでしょうか(そこそこ減ってました)。

特筆すべきはやはりその度数の高さ。65%を超えるウイスキーというのは初めて呑みました。スコットランドではほとんどありえない度数ですね。原酒のバレルエントリーが62.5%なので、5%近くも度数が上がったことになります。

アメリカン・ウイスキーは、ご存知の方も多いと思いますが、樽の保管は高さがあるラック式がほとんどです。スコットランドは伝統的にダンネージ式が多いですが、その場合はせいぜい4段程度。一方のラック式は10段以上になることがザラで、高いものだと8階建てくらいのビルに相当します。地面に近いものと上のものでは温度環境が大きく異なり、上の方はかなり暑い環境に晒されることになります。

ジャックダニエルの熟成庫が立ち並ぶ様子。ビル7~8階建て程度か。

暑さ以外にもその他諸々の要因はありますが、今回のようにバレルエントリー時よりも度数が上がることもあるわけです。相当過酷な環境のように思えますね……。

さてそんなハイプルーフなこちらのシングルバレルですが、その香味はかなり上質のもので、樽選定に込められた気合いを感じさせるものでした。ストレートではさすがに度数が高すぎて、味もへったくれもなくなってしまうので加水することが前提になりますが、通常のウイスキーと同程度の50%~45%程度まで加水すると、様々なフレーバーを伴った甘さと香木感がコロコロと変化して、飲んでいて非常に楽しいです。

加水は、少し時期は過ぎてしまいましたが、一番寒かった2月頃にはお湯割りが非常に美味しかったのも印象的でした。湯気とともに立ち上るウイスキー・フレーバーには、バニラやハイカカオチョコレートのような香味があり、香りだけでかなりの時間を愉しむことができました。大ぶりで香りが溜まりやすいグラスで愉しむのが良かったです。

というわけで、かなり美味しいジャックダニエルでした。シングルカスクなので、これと同じ味わいを得ることは難しいかもしれませんが、他のシングル・バレルも、もしかしたらこれと同等かそれ以上に美味しいかもしれません。シングルカスクものは当然樽の個性が出るため味わいが安定しない懸念がつきまといますが、その個性をこそ愉しむものともいえます。蒸留所のセレクションを信頼するのも一興でしょう。

なお現在の公式ページを見ると “Barrel Strength” となっており、少しラインナップが変化しているようですが、基本的には同じでしょうか。アメリカン・ウイスキーとしては高級クラスに分類されそうですが、最近のスコッチと比べるとまだまだ良心的な価格とも考えられるあたり、モノの値段の考え方って難しいなあと思ったりするのでした。

メーカーズマーク プライベートセレクト 萌木の村 ポールラッシュ生誕120周年記念

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Maker’s Mark Private Select (OB, “Paul Rusch’s 120th Birthday”, 55.5%)

香りは典型的なバーボンらしさ、メロン、糖蜜、酸味のあるリンゴ、清涼感のある樹木の香り、焦がしたトーストにハチミツがけ、メンソール様の爽やかさ。

味わいはとろりと甘い、青リンゴ、杉のようなやや刺激的な樹木感、徐々にピリピリとブラックペッパー、少しミント系のハーブ感、鼻抜けに焦げた木材、カラメル、青いハーブ感とブラックペッパーが続くフィニッシュ

【Good/Very Good】

清里は萌木の里のオリジナルボトル。同地の発展に貢献したポール・ラッシュ氏の生誕120周年を記念したボトルです。こちらはくりりんさんとバーボンを小瓶で交換する機会があり、その折に頂いたものです。くりりんさん、ありがとうございます。

詳細についてはくりりんさんの記事がとても詳しいため、そちらをご参照下さい。

香り味ともに典型的なバーボン、といっても差し支えないと思いますが、総じて高いレベルのバーボンです。アタックはさすがにハイプルーフらしく強めではあるものの、ややトロっとした口当たりがそれを緩和し、ボディも軽めでさらっと流れてくれます。度数からマッチョなラガーマンをイメージしましたが、なるほど、そこは牧師様の記念ボトル、温和で整ったところを感じさせてくれます。

リンゴ感や独特の胡椒のようなピリピリとしたところが際立っている感じ。このバーボンは単体でストレートでも良いですが、肉料理なんかとも相性が良さそうです。そういえば以前、フォアローゼスの試飲会では果実のリンゴと合わせて飲むととても良くマッチしたのを思い出しました。おそらくは新樽によるバーボン独特の香味が、リンゴなどと相性が良いのかな、などと考えています。

フォアローゼス シングルバレル プライベートセレクション OBSO 2014年ボトリング

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FourRoses Single Barrel 10years 10months Sep. 2014 (Private Selection by LiquorBarn, OBSO, 750ml, Barrel No,53 4E, 61.0%(?))

香りはマスカット、ライチなどの白い果実、酸味を感じる、メンソールのような清涼感、枯木のおがくず、メープルシロップ、微かにツンとくるシンナー系のニュアンス。

味わいはとろりとした蜜、イチゴシロップの甘み、ミドルから杉やヒノキを思わせる木のニュアンス、酸味の強い白ブドウ、ハイプルーフらしい収斂味、グレープフルーツの皮のような苦味のある柑橘のニュアンス、フィニッシュにかけては木の清涼感と苦味、ヒリヒリとスパイシーさが続く。

【Very Good】

バーボンです。フォアローゼスは有名なバーボンですが、こちらのシングルバレルは蒸留所限定や、一部のショップ用に特別に詰められたボトルで、日本で通常手に入るシングルバレルシリーズともまた別物です。こちらはモルト仲間の某Iさんが現地で購入されたお土産品。一本良いやつを頂きました。ありがとうございます。

バーボンはあまり飲んだことが無かったのと、安いものばかりだったからかあまり良い印象が無かったのですが、このボトルはとにかく濃厚なフルーツ感とどっしりとしたボディの強さが魅力的で、薄っぺらい感じは全くしません。バーボンとしては長めになる10年以上の熟成がなせるものか、それともやはり特別に選ばれた樽だからか、両方かもしれませんが、とにかく良いものはちゃんと選ばれるのだな、ということを再確認した次第です。

度数が高いこともあって飲み疲れするタイプですが、少量加水するとフルーツ感が際立って来るため、積極的に加水して少し緩くする方が良いようです。夏場に少し冷やしてゆるゆると愉しむのもまた良さそう。
このボトルを頂く際には、他のシングルバレル5本と比較しながらテイスティングをする機会を頂けました。レシピ違いによる香味の変化を確認することができ、このボトルは特にフルーツ感とボディが強いものでしたが、開栓から1ヶ月少々経ってさらにフルーツ感は強くなったようです。同時に少し木のニュアンスも強まっているため、どこかでバランスが逆転して木のエグミが強くなるかもしれないですが、どこまで変化していくのかも楽しみです。

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このボトルのレシピは “OBSO” となっており、これはコーン60%、ライ麦35%、大麦5%のもの。
レシピの詳細を以下にまとめて今回の記事のまとめとしておきます。

1文字目の”O”はケンタッキーはローレンスバーグにあるフォアローゼスを、

2文字目は原材料の比率で次の意味。

“E” = 75% コーン, 20% ライ麦, 5% 大麦
“B” = 60% コーン, 35% ライ麦, 5% 大麦

3文字目の”S”はストレートのバーボンを現し、

4文字目は酵母の違いなどで以下の通りとなっています。

“V” = delicate fruitiness
“K” = slight spice
“O” = rich fruitiness
“Q” = floral essence
“F” = herbal essence