カテゴリー別アーカイブ: 余市 – Yoichi

余市 15年 1976-1991 プライベートボトル

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Yoichi 15yo 1976-1991 (DB Private Bottle cask#126121 58%)

香りはほど良いシェリー感、煮詰めたリンゴ、プルーン、紅茶、麦感に少しセメダイン系、古びた家具、微かに獣脂や松脂のニュアンス。時間とともに徐々にバラ、植物の茎などのニュアンスが出てくる。さらに時間を置くと、鞣した皮、火薬。最後にオリエンタルなニュアンスも。

味わいは濃厚なアプリコットジャム、プルーン、ラム酒漬けのマジパン、微かに長熟の紹興酒っぽさも。滑らかでシルキーなアタックから始まるがボディが強くパワフルでオイリー、煮出した紅茶、ミント、獣脂、じっとりとしたピート感。フィニッシュにかけては火薬と強い木の香りが長く残る。

少量加水では木のエグみが強まる。多めの加水ではアプリコットと香木感がメインとなり良いバランスとなる。

【Very Good】

余市の1976年蒸留、1991年樽詰めの15年熟成ボトル。70年代の余市というのは、自分の知識の中にも全く無いスペックでした。

口開けのためか、時間とともに香りがかなり変化している気がします。最初はオイリーさなどはほとんど無くシェリーとフルーツ感が強めだったのですが、少し時間を置くとかなり多彩で複雑な香りが出てきました。どちらかというと華やかではないフレーバーなどもあり一辺倒ではないのですが、最後にはいわゆるジャパニーズらしい香りも出てくるところなどなどはとても面白いです。

味わいは、香りとも少し変わって濃厚なフルーツ感が強いです。スパイシーというよりはねっとりとしたボディで、ボトリング後25年経っているとは思えないほどパワフルです。軽いオールド感なのか、コルク臭でも無いのですが不思議な古木のような樽感とも言えそうな香りを帯びています。

とても個性的で多彩なフレーバーのボトルです。もう一つ上の評価の一歩手前という感じなのですが、開いてきたらまた変化する気がしていますので今後に期待しています。

 

さてこのボトル、とある酒屋さんで数年前に発見したものですが、こんなスペックのものが存在するということすら知らず、しかし強烈な魅力を感じて購入しました。聞くところによると、とある卸売業者の代表が混ぜものではないそのままの味わいを持つ商品をリリースしたいというオファーをしたところ、ニッカ(アサヒビール)がその意気に応えて特別にボトリングしたそうです。

91年といえばバブル真っ盛りではあったもののウイスキー需要は80年代後半からの落ち込みを受けて右肩下がり。しかしまだまだシングルモルト、シングルカスクなどは認知されていない時代だったでしょう。そんな中でこのようなボトリングの許可を出した当時の関係者がたには大きな冒険だったと思います。しかし、これまでの商品では売れない、という思いもあったのではないでしょうか。新しい分野を開拓していった走りになったボトルなのではないかと推測していますが、ちょっと勝手な妄想が入ってますね。

いずれにしてもそのボトルが今こうして手元にあり、およそ25年ほどの時間を経て開封されたということを考えても結構な奇跡かもしれませんね。

モルト持ち寄り会でのボトルたち 201504-1

モルト仲間が集まっての持ち寄り会。しっかりとしたテイスティングノートは残していませんが、仲間でアレコレ感想を話しながらのテイスティングはとても参考になります。

特に気になったものを幾つかピックアップ

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“116.19″ (Yoichi) 20yo 1994 (The Scotch Malt Whisky Society 61.3%)

ジャパニーズらしい、余市らしい香りが楽しめる秀逸なボトル。飲んでも一気に香り成分が口から鼻に爆発してくる。これは美味しいです。

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“52.19″ (Old Pulteney) 16yo 1997 (The Scotch Malt Whisky Society 54.6%)

香りが粘土質でくぐもっていてあまり良い印象ではないものの、味わいはしっかりとプルトニーらしさが出ているボトル。塩バター系のまったりした感じに、梅ジャムのような酸味のあるフルーツ感がのっている。

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GlenGlassaugh 39yo 1972-2012 (OB “The Massandra Connection” 53.3%)

グラッサのハイエンドのオフィシャルボトル。良く熟れた柑橘~若干のトロピカルフルーツ感に加えて、シナモン、カルダモン、ナツメグなどのスパイス感がプラスされているのが独特。味わいも53%とは思えないほど滑らかで極上の絹のよう。

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もう少し続きます。

余市蒸留所 原酒 シングルカスク 20年

Yoichi Single Cask 20yo (Yoichi Distillery only Cask#400663 59%)

香りは青い果実を思わせるフレッシュ感、プレーンな麦、メロンのような甘い香り、梅、乾燥させたプラム、やや乳酸系の酸味を含むのニュアンスもある。

味わいは、アタックに強いウッディネス。樽の影響による渋みが少しある。遅れて透明な麦の甘さ、さらっとしたバターのニュアンス。フィニッシュにかけて香木感、収斂味とスパイシーな余韻が残る。

【Good/Very Good】

余市蒸留所で限定販売されている構成原酒のうち、これは20年ものです。新樽による20年の長期熟成ということですが、樽の影響が結構強く出ているものの、原酒のパワフルさもあってか負けてはいない印象でした。プレーンな原酒の味わいとは対極にあるような、原酒と樽の競い合いを見ているようでなかなかに興味深いボトルでした。

サーブしてくれたバーテンダーさんと会話をしていたのですが、余市は結構こういう新樽も使っているそうですね。全てが良い方向に作用しているわけではないのでしょうが、確かにバーボンカスクとは異なる味わいに仕上がっていて、このあたりがジャパニーズ・ウイスキーの香味を構成する要素のひとつになっているのではないかと感じました。個人的にはフィニッシュあたりに感じた香木感はその現れかな、と。

余市蒸留所 原酒 シングルカスク 15年

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Yoichi Single Cask 20yo (Yoichi Distillery only Cask#412201 59%)

香りはカラメルや黒糖、醤油のニュアンス、微かにイチジク。ワクシーで華やかさがあるがアルコール感が強く、度数の高さが想起される。

味わいは、アタックから強烈にシェリー樽感。サルファリーでタンニン系の渋みを感じる。ミドルからナッツのオイリーさ、タンニンの収斂味が口を覆う。フィニッシュにかけて辛口でスパイシーな余韻。

【Good】

余市蒸留所で限定販売されている構成原酒のうち、これは15年ものです。シェリーカスクの強さが全面に出ており、原酒のパワフルさとも相まって、相当に暴れん坊なシングルカスクだと感じました。ちょっとシェリー感が行き過ぎてしまっていて、単体で飲むには正直かなりキツい内容でした……。

こういった原酒も、良質で幅広いブレンドの味わいを出すためには必要なのでしょうね。

余市 15年 ソサエティ カスク 116.7

余市 Yoichi 15yo 1989 (SMWS Single Cask#117.6 61.8%)

こちらもアラサイドさんにて頂いた、でもお店のではなく、モルト仲間のくりりんさん持ち込みのボトル。ソサエティの余市、7番樽です。

「bourbon-like(バーボンのよう)」と書かれている通り、良い熟成のバーボンカスクのモルトと感じさせる味わいでしたが、実際には新樽を使っているとのことです。新樽ですと、もっとエグい木の成分が出てきてしまいそうなものですが、このボトルは非常に良いバランスで整っていました。

ニッカ 余市 シングルモルト12年 現行品

余市 Nikka Yoichi Single Malt 12yo 45%

香りは蜜柑、藁灰、煙っぽさから始まり、段々とリンゴや多彩なフルーツ感が溢れてくる、後半に火薬っぽさも。

味わいは、プラム、イチジクなどの酸味のあるフルーツ。穏やかに下支えするピート、ミドルからバニラ、クローブなどの少し甘い味わい、徐々にアーシーなニュアンス、なめし革、石灰などのミネラル感。フィニッシュはドライ、軽くミーティなニュアンス。

【Good/Very Good】

現行の余市シングルモルト12年。ニッカのシングルモルトは余市の他にも宮城峡がありますね。蒸留所のハウススタイルが出ているかと言われると、日本の蒸留所はとても多彩な味わいを作り出しているため難しいですが、昔からの味わいというのはあると思います。

12年にしては結構な複雑さを備えていますし、フルーツ感もしっかりと出ていて、12年の割にかなりの完成度だと思います。竹鶴と同じく、どちらかというとスムースな飲み口というよりは少しクセがあり、焼酎が好きな人などにもオススメできるボトルなのではないでしょうか。

現行シングルモルトのスタンダードですが、この価格帯でいい出来映えにしなければ淘汰されてしまう。そういう意味でも本当に注力しなければならない分野かもしれません。メーカーの意地が垣間見えるボトルです。

ニッカ 余市 シングルカスク・コレクション 1988-2013

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NIKKA WHISKY Single Cask 余市 1988-2013 Cask#100215 62%

ニッカのシングルカスク余市、1988年のものです。正確にテイスティングできていないのですが、程よくピートのニュアンスが効いていて複雑さがあり美味しいボトルだったと記憶しています。余市の良いボトルも持っておきたいとは思いつつ、手を出して来なかったのですが、一度真剣に呑み比べなどしてみたいですね。ニッカのブレンダーズ・バーには一度行ったことがあるのですが、また行ってみるのも楽しそうです。

美味しいボトルをありがとうございました。