カテゴリー別アーカイブ: Arran – アラン

アラン プライベートカスク “オレンジアラン” 14年

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The Arran “Orange Arran” 14yo 1998-2013  (OB “Colours of Arran”, Bourbon Barrel 1998/1139, 55%)

香りはネーブルオレンジ、ライチ、パッションフルーツなどの酸味のある良いフルーツ感、ねっとりと濃厚なプルーン、少し紅茶のニュアンス、メンソールを思わせる清涼感、微かにセメダインのニュアンス、時間経過でカスタードクリーム感も出てくる。

味わいは果汁の滴るブドウ、紅茶のニュアンスが伴いフレーバーティのよう ややもったりとして濃厚な口当たり、ライチ系のトロピカルフルーツ、少し薬品というか人工的なニュアンス、べっ甲の甘味とともにライチのニュアンスが残るフィニッシュ。

【Very Good】

アラン蒸留所が一時期リリースしていた “Colours of Arran” シリーズから、オレンジアラン14年。

心地良いフルーツ感と共に、バーボン樽なのですがリフィルシェリー樽にも通じるような紅茶やブドウのニュアンスもあるのが面白いです。もともと度数の高さもあまり感じさせない味わいですが、加水すると香りが良く開きます。味もベリーと紅茶のニュアンスが良く出てくるようになり、あまり崩れません。

 

このボトルが出回った2013年頃は、まだアラン蒸留所はそこまで注目されていなかったように思えます。様々なフィニッシュものやカラーシリーズが出ていたものの、「まあ(値段も安いし)悪くないよね」といった感じでした。それが、このオレンジアランはとても評判が良く瞬く間に話題になり、あっという間に市場から消滅。自分はたまたま酒屋で見つけたので1本購入することができました。

「アランらしくない」くらいにトロピカルフルーツなどの良い果実のニュアンスが出ており、良いカスクのベンリアックやロングモーンを髣髴とさせる味わいです。やや人工的なニュアンスもありますが、香り味ともにフルーツ感に溢れていて、口に含んだ瞬間に思わず顔がほころんでしまいました。

「アラン、やるじゃないか」と思わせてくれたこのボトル。そういえばこの頃から写真の様式のラベルに切り替わり、それ以来今もシングルカスクはこれと同じラベルが使われていますね。そして今のアランのプライベートカスクは、やはり良い物が多くリリースされていると思います。蒸留所再開から20年にして造りも樽の選定もしっかりとしたレベルの高さを感じますし、今後も楽しみな蒸留所ですね。何より、モルト高騰の昨今において未だ良心的な値段が多いアラン蒸留所。本当に助かると共に応援したくなります。

アラン島は風光明媚とも聞きます。アイラ島も良いですが、今度は蒸留所も含めてアラン島にも足を運んでみたいと思っています。

 

アラン 1997 17年 プライベート・カスク THE NECTAR向け

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The Arran 17yo 1997 (OB “Private cask for THE NECTAR”, Sherry Hogshead Cask#1997/624, 47.3%)

香りは爽やかなマスカット、オレンジ、レモンソーダ、ミントなどのハーブ感、黒胡椒、微かにレザーのニュアンス。

味わいは品のいい甘さ、糖蜜、黒糖、奥にひっそりとマンゴスチンやパッションフルーツ系のトロピカルも感じる、ミドルからややスパイシーでドライ、樽由来の木のニュアンス、フィニッシュにかけても華やかなフルーツ感と甘さが続く。

【Very Good】

アランのプライベートカスクから、ベルギーのTHE NECTAR向けボトルです。

シェリーカスクなのですが、マスカットなど白っぽい爽やかさを感じるフルーツ感がメインで、ハーブ感とも相まってサッパリ系の印象でした。一方で味わいはギュッと凝縮した甘味と、奥の方に微かにトロピカルフルーツのニュアンスもあるように思え、まさに「ネクター」というイメージにぴったりのモルトです。トロピカル感はあまり強くはありませんが、最近の良いアイリッシュに出てくるものと同じ傾向の味です。一緒に飲んでいた仲間は疑問符がついたようなので、自分がそう思い込んだだけかかもしれませんが……。それはともかく、とても美味しいアランでした。

アランはプライベートカスクが主体かと思わせるくらいいろいろなところ向けに出しているようですが、どれも安定してレベルが高い印象です。蒸留所の復活から約20年、ここにきて技術の進歩と安定が実を結んでいるのでしょう。個人的には結構応援したい蒸留所です。次のスコットランド旅行の際には是非とも寄ってみたいですね。

このボトルは持ち寄り会にてGSさんにお持ち頂きました。いつもありがとうございます!

イエローアラン 11年 ソーテルヌワインフィニッシュ

Yellow Arran 11yo (OB Sauternes Wine Cask 59.1%)

香りは濃厚なバターリキュール、乳酸菌系の飲料、甘い甘い印象、酸味のある葡萄のニュアンス、オレンジやレモンなどの柑橘系の果物、微かにレザーとメンソール。

味わいはバター飴、濃いオレンジのマーマレード、白ぶどうのニュアンスもしっかり、スパイシーでブリニーさもある、鼻抜けに木のニュアンスと黒胡椒、紅茶の渋み、ドライでピリピリとしたフィニッシュ。

【Good/Very Good】

アラン蒸留所のカラーシリーズからイエローアラン11年。貴腐ワインのソーテルヌワインで使われていたカスクでの1年間のフィニッシュもののようです。

香りからソーテルヌの影響と思われる甘いバターのニュアンスがあり、意識して拾うとワインらしい葡萄のニュアンスが伺えます。アランらしい、少しもったりした香りはソーテルヌそのものの香りと同系統でマッチしているようで、違和感があまりありません。

味わいは11年という若さのカスクストレングスということでかなりアタックが強いため、味わいがアルコールの強さに引っ張られてうまく拾えない部分がありますが、甘さとスパイシーさがどちらにも突出していて面白いです。アルコール感の強さは若いニューポッティさではないため、それなりに自然に感じます。

加水すると洋ナシやリンゴのような風味が前面に出て来ます。少しセメダイン系のニュアンスが出てきますが、飲みやすさは格段に上がるため、こちらの方がオススメかもしれません。

11年という若さでどんなものだろうか、と考えていましたが、色々な要素が絡み合っており、想像以上に好印象でした。ソーテルヌカスクの甘さも結構上品さがあり、バーボンカスクなどとはまた違った方向で面白いですね。シェリーカスクと自分でヴァッティングしてみるのも面白いかもしれません。

マクリームーア カスクストレングス バッチ1

Machrie Moor Cask Strength (OB 2014 “The Peated Arran” 58.4%)

香りはヘザー、ビターオレンジ、蜂蜜、ナッツのオイル、ヨード、ヨーグルトのような酸味、薄く鋭い香り立ち。

味わいはマーマレード、紅茶、少し塩気のあるピート感、ミドルからピリピリとアルコールの強さ、オレンジオイル、薄めた黒糖、フィニッシュにかけてもスパイス感とオイリーさが残る。

【Good/Very Good】

アラン蒸留所がピートを炊いた特別なボトルとしてリリースしてきた「マクリームーア」ですが、2014年にカスクストレングスものがリリースされました。

なかなかのフルーツ感を伴っており、味わいもマーマレードを感じるアタックが好印象です。ピーティさも結構乗っかっていて、最近の短熟ラフロイグと同じような味わいだと思います。ピリピリとしたスパイス感がサッパリとさせる一方でオイリーさもあり、そのバランスが楽しめるポイントです。

開けたての際にはかなり硬く薄っぺらい印象があり、フルーツ感もほとんど出ていなかったため Good 程度の評価だったのですが、開栓後2週間ほどでまずまず開いてきたようで、香り味共に良いフルーツ感が出てきています。とはいえ、やはり短熟のためかボディの厚さは無く、カスクストレングスであることも手伝って鋭角的な印象があります。

特別これでなくてはいけない、という理由はありませんが、素直に楽しめるピーティモルトとして良い出来だと思います。

ブロンズアラン 2000年 シェリーホグスヘッド

The Arran Malt “Bronze Arran” 2000 (OB Privaate Cask “Colours of Arran” Single Sherry Hogshead 54.9%)

香りはチョコレート、マーマレード、濃い色の柑橘類を連想させる、生乾きの木の実、ナッツ、メープルシロップ、木の樽、爽やかな草のニュアンス、少し若いアルコール感、時間が経つと火薬系のニュアンスがグラスに残る。

味わいはビターチョコ、アーモンドとその皮の部分、ピリピリとペッパー系のスパイス、ミドルからブラックコーヒーのカスのようなニュアンスとヌガー、若々しく荒々しいフィニッシュ。

【Good】

最近評判が徐々に良くなってきているアラン蒸留所、その中のカラーシリーズと呼ばれるシリーズ物の第二弾、ブロンズアランです。

全体的には若さが目立つものの、近年のシェリーカスクらしい味わいで、チョコレートに加えてアーモンドなどのナッツ系のニュアンスが特徴的でした。小ぢんまりとしていますが、良くまとまったシェリーカスクといった印象です。スパイシーさと木のふくよかなニュアンスで、アラン1997のシェリープライベートカスクとも近い印象があります。あれをもう少し荒々しくした感じでしょうか。

カラーシリーズは、オレンジアランが素晴らしい出来であったため、こちらも期待して購入しましたが、流石にあの内容には及びませんでした。が、近年のシェリー樽のシングルカスク、13年ほどの熟成でしょうか、その内容からすれば値段的にも求めやすく、気軽に付き合えるボトルだと思います。

ブラインドサンプル from 銀牙さん (2014-09C)

銀牙さんからのブラインドサンプル、続いて3つ目です。

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ブラインドサンプル from 銀牙さん ©

香りはプラム、イチゴなどの酸味のある良いフルーツ感、透明感のある麦、流れるような蜂蜜、少しメンソールのようなハーブ感、濃厚でよく香る。

味わいは濃い紅茶、ベリー系のフルーツ、木の樽感、チャーしたオーク、コーヒーのようなニュアンスも感じる、ミドルからシトラス、草や青いリンゴを感じさせる爽やかさ、フィニッシュはハイプルーフによるスパイシーさが残る。

【Good/Very Good】

香り立ちからしっかりと芯が通っている印象を受け、飲んでもハイプルーフからくるフルボディでガツンとくる。90年代以降の良い酒質を持った蒸留所、といった印象。若すぎるきらいは無いが、そこまでの複雑さは感じられないことから18年程度の熟成と考えた。

味わいには微かにオイリーさもあるが、ハイプルーフなため刺激の強さにマスクされている。少し木の樽感が強い所が気になり、またコーヒーのように感じるニュアンスは、強くチャーしたバーボン系の樽によるものではないかと推測。ボトラーズのシングルカスクものだろうか。

蒸留所の予想は、90年代の良さそうなところを中心に選んでみた。

【予想蒸留所】 ①インペリアル ②スプリングバンク ③ベンリアック
【蒸留年】1990年代
【熟成年数】18年程度
【度数】55%程度

上記をメールで回答したところ、正解は……

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アラン Arran 17yo 1996 (Official Bottle Premium Bourbon Cask ♯541 51.6%)

アラン蒸留所のシングルカスク17年でした。このボトルはマスターディスティラーのチョイスとされていて、良い樽を選んだということなのでしょう。

アランはここ数年、こういったシングルカスクものを結構な数出していますが、割と安定して良いものが多い気がします。この辺りは、ボトラーズとは違い抱負な在庫から自由に選べるオフィシャルならでは、といったところでしょうか。しかもアランは値段が控えめなのも嬉しいところ。美味しいシングルカスクが、手頃な値段で手に入るのはとても魅力的です。

近年の良質な酒質で、ややオイリーなニュアンスあたりがアランらしい部分でしたが、ブラインドではそれとは気づきませんでした。アランは割と特徴的だと思うので、これはしっかりと違いとして認識できるようになっていきたいですね。

アラン 17年 プライベートカスク for キャンベルタウンロッホさん&Barカリラさん

The Arran Malt 17yo 1996-2014 (OB Private Cask for Campbelltoun Loch & Bar Caol Ila Bourbon Barrel #1996/357 42%)

香りは煮出した紅茶、濃厚なアンズやマンダリンなどの甘酸っぱいフルーツ、トフィー、徐々にバニラとカスタード。

味わいは紅茶とシナモン、蜂蜜、ドライチェリー、上顎に微かにミルキーさを感じる。ミドルには染みこむような麦の味わい、淡く草、フィニッシュにかけてスパイシーさが現れ、微かにタンニンの渋みを残しながら消える。

【Very Good】

アラン蒸留所のプライベートカスク、キャンベルタウンロッホさんとBarカリラさんのジョイントボトルです。

17年で42%という、カスクストレングスならどうしてこのような度数となったのかは分かりませんが、加水には思えずかなり濃厚です。香り、味わいともに多彩なフルーツ感、染みこむような麦の味わいのバランスがとても良く、柔らかい飲みくちということもあって、ついつい飲み進めてしまうような美味しいアランでした。

アランというと、最近の17年物でも結構な麦感が残るとともにミルキーさがハウススタイルと考えていましたが、このボトルにはそのミルキーさはほとんど感じられず、注意深く探してようやく見つけられる程度でした。ブラインドで出されたらアランとは絶対に答えないでしょうね。スペイサイド系の良いところ、ベンリアックやロングモーンなどと答えてしまいそうです。

美味しいと評判だったオレンジアランのように、シングルカスクでは思いがけないような美味しいものが生まれる、そういった楽しさがよく分かるボトルでした。