カテゴリー別アーカイブ: Ben Neviis – ベンネヴィス

ベンネヴィス 21年 1997-2018 The Whisky Trail 台湾向けシングルカスク

程よくフルーツ、程よくスパイシーでした。

Ben Nevis 21yo 1997-2018 (Elixir Distillers “The WHISKY TRAIL” for Taiwan, Barrel Cask#104, 56.8%)

香りはケミカルさを伴うフルーツシロップ、パイナップル、パッションフルーツがわずかに、独特の薬草感、フルーツヨーグルト。

味わいは香り同様にトロピカルフルーツに独特の薬っぽさ、カスタード、火薬のニュアンス、ミドルから茹でた栗、樽感強くブラックペッパーとカカオのニュアンスが続くフィニッシュ。

加水でも大きく崩れることはなく、シナモンやカスタードのニュアンスが強くなりバランスが取れてくる。

【Good/Very Good】

The Whisky Exchange でおなじみエリクサー・ディスティラーがリリースした台湾向けのベン・ネヴィス21年。

香味ともに最近のベン・ネヴィスらしさがしっかりと感じられる構成で、いわゆるジェネリック・トロピカルといった感のフルーツと独特の薬草っぽさが混じり合って主張してくるタイプです。トロピカル満載! といったものではなく、あくまでフルーツ感の一部分がそのように感じられる程度で、全体としてはもう少しおとなし目というか、やっぱりベン・ネヴィスだよね、という印象。

加水で結構印象が変わってくるのと、グラスの残り香も複雑さがあって長く楽しめたので、どちらかというと香りに特徴があり面白いボトルです。近年、優等生で美味しいけれどもあまり個性が無くなってきている原酒も多い中にあっては、これくらいの個性があった方が印象に残りやすく楽しめるのではないかと思います。

近年、現地向けの10年などが割と高評価でこれからも良いものが出てくるのではと期待されているのですが、実際には原酒がかなり不足しているようで今後のリリースが不定期にならざるを得ない状況にあるという話も。ニッカが所有しているわけで、その原酒がどこに向かうかといえば主に日本のブレンデッドウイスキー、ということになるのでしょう。

先日、スコットランドを旅行してきたのですが、どこの蒸留所もここ数年で増築していたり生産量を増やしていたりと、本当に原酒確保に必死になっている状況。そのために犠牲になるものもきっと少なくないと思うのですが……。今後も良いシングルモルトが続いてくれるように祈ります。

ベンネヴィス蒸留所が佇むのは、その名の通りベンネヴィス山のお膝元。山頂は雲に隠れてしまうことが多い。

ベンネヴィス 22年 1996-2018 BB&R ロイヤルマイル・ウイスキー向け

独特のトロピカル感をまとったベンネヴィスでした。

Ben Nevis 22yo 1996-2018 (BB&R for Royal Mile Whiskies, Cask#1196, 53.8%)

香りはワクシー、ただれた果実、油絵の具、ピーナッツ、熟成したチーズ、たまごボーロ、バジルのニュアンス。

味わいは度数の割には落ち着いたアタックで、むせ返るようなココナッツミルク、完熟パパイヤ、パッションフルーツ、ミドルからフリスクの清涼感と甘さ、じりじりとホワイトペッパー、クミンのような香辛料、ホワイトペッパーとトロピカルフルーツが混ざり合うフィニッシュ。

【Very Good/Interesting】

スコットランドはエディンバラの酒店、ロイヤルマイルウイスキーがボトリングしたベンネヴィス。信濃屋バイヤーのA氏が、現地で勧められて購入したという一本をテイスティングさせて頂きました。

香りはややオイリーでナッツ類の香りの裏に、過熟気味の果実感が見え隠れする、ちょっと不思議なニュアンスを感じさせるものの印象的ではなかったのですが、口に含んでみると驚くようなココナッツ・フレーバー。続いてかなり濃厚な南国フルーツはかなりの好印象でした。エキゾチックな香辛料のフレーバーもあり、ココナッツ感とあわさって、まるで辛くないタイカレーを楽しんでいるような、面白い組み合わせでした。

ベンネヴィスの原酒は昔から何かと不思議なフレーバーを出すことが多い印象で、昔のボトルはその珍味系のニュアンスが好ましくないものが多かったのですが、ここ最近はそれが良い方向に振れているものが多いように思います。ボトラーズからもシングルカスクが数多くリリースされていて、樽の個性ゆえの博打要素も多いのですが、総じてレベルは高くなってきているように思いますし、他の蒸留所にはなかなか見られない個性もあります。

確かにこれは良いボトルですね。ロイヤルマイルが自信をもってリリースしたというのも納得できます。これが手頃な値段で手に入るなら、かなり欲しいと思わされる一本でした。

Aさん、貴重なボトルを試させて頂きましてありがとうございました。