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ブラインドサンプル from くりりんさん

年明けに、くりりんさんから他のサンプルとともにブラインドのサンプルを頂きました。ありがたくも恐る恐るですが(笑)、しっかりテイスティングさせて頂きました。

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香りは南国系のフルーツ、バタースコッチ、こってりした麦感、軽くメンソールやクローブのニュアンス、もったりとして湿り気のあるイメージ、少しピートのニュアンス、汗臭さ、ホコリっぽさ。

味わいはレーズンバター、軽くトロピカルなフルーツ、染みこむピート感、ほんのりサルファリーなタンニン様、ミドルからタール、ビターなカカオ、オイリーさのある程よいフィニッシュ。

【Good/Very Good】

90年代、20年程度の熟成、50%程度と予想。
軽くサルファリーなニュアンスもあり、シェリーカスクの影響が感じられるが、かなり薄いためバーボン樽とのヴァッティングだろうか。となると、オフィシャルが候補になりそうだが、あまりイメージがわかない。

軽めのピートにあまり潮の気配が無いことから、アードモアあたりが第一印象だが、フルーツ感はボウモアを想起させられる。湿ったニュアンスにリトルミルあたりが引っかかってきそうだが……。

1:アードモア、2:ボウモア、3:リトルミル

こちらの内容で回答を送った結果……

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Edradour 10yo (OB 2014 Distributed 40%)

現行品のエドラダワー10年。オフィシャルのスタンダードボトルでした。

これには正直驚きました。まず、最初の香りで結構なフルーツ感があり、しかも軽く南国系を思わせるフレーバーですので、かなりの人が好ましい印象を受けると思います。そして、レーズンバター、バタースコッチといったバーボン樽の特徴に加え、ほどよいシェリー樽のニュアンス、薄くピート感もあり複雑で多彩な香味がバランスよくまとまっています。10年という若さを感じさせない仕上がりですが、加水による柔らかい口当たりが功を奏しているように思えます。

エドラダワーというと、昔はパフューミーな部分がありあまり良くないものとして認識していたのですが、最近はそれが無くなって良い仕上がりになったと聞いてはいました。しかし、わざわざ自分から買おうと思うことはなかったところに、今回のテイスティングでは常飲ボトルとして候補に挙がってくると感じています。というか早速、上記の写真の通り買いました。ほぼ同じ時期のロットのようで、味の傾向もやはり同じで安心しました。

全体的なモルトの高騰で手が出しづらくなる昨今ですが、オフィシャルのスタンダード・レンジでこれほど素晴らしいものを出してもらえるのはとても有難いと共に、他の蒸留所のスタンダード品についても今一度考えを改めてみなければならないと痛感しました。前印象に囚われることなく純粋に目の前のモルトと向き合う、ブラインドならではの結果が出たと思います。

くりりんさん、良いサンプル出題、ありがとうございました。

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エドラダワー ナチュラル・カスクストレングス シェリーカスク 1998

Edradour DB Natural Cask Storength Vintage 1998-2012 Sherry Cask Matured Cask#430 57.3%

香りはナチュラルなシェリー樽成分、土臭さ、革製品のようなレザー感が主張してくる。奥にトフィー、ドライイチジクのようなフルーツ感があるが華やかさは控えめ。少しサルファリー、クミンのようなカレーっぽい方向のスパイスの香り。

味わいはオレンジの皮、ねっとりとしたビターなチョコレートの味わい。タンニン由来の渋みがミドルに現れ、鼻抜けから返りにかけてサルファリーな香りが出てくるが、そこまで強くなく適度で好ましいニュアンス。後半にややアルコールの強さとスパイシーさが口腔内を覆う感じ。フィニッシュにかけても同様で、あまり長くはない。

【Good/Very Good】

エドラダワー蒸留所のオフィシャルボトル、カスクストレングスのシェリー樽熟成タイプです。こちらは約14年熟成ということで、一般的なスコッチの熟成スペックと言って差し支えないと思いますが、程よく熟成した悪くないシェリー樽のモルトといった感じで、なかなかに好印象です。口開け当初はまだかなりアルコールの刺々しさが気になったのですが、開けてから1年以上経っていることもあり、随分と丸くなって今は丁度良いような気がしています。

このボトルもエドラダワー蒸留所を訪れた際に購入しました。バーボン樽のものと比べるとハッキリとこちらの方が好印象です。エドラダワーのシェリー樽というのは呑んだことが無かったのですが、このシリーズでは他にもポートワインやソーテルヌワインなどの樽を使用して熟成させたものもあり、小規模ながら色々な取り組みを行っている蒸留所なのだなあ、という印象を持ちました。もっとも、あまり適当な樽やフィニッシュものは大抵品質は良くなかったりするのですが……。このあたりは日本でもまだ手に入ると思うので、そのうち試してみても良いかもしれませんね。

エドラダワー ナチュラル・カスクストレングス バーボンカスク 2003

Edradour DB Natural Cask Storength Vintage 2003 Third release 2012 Bourbon Cask Matured 57.6%

香りは爽やかさを伴った麦の香り、強いアルコールによる刺激、若い草、少しオイリー、微かにたくあんのようなニュアンス?、化学調味料による旨味成分的な……乳酸菌っぽい何かに由来するのだろうか。

味わいはまず強い麦の旨味、少し塩っけを伴ったオイリーさがやってきて、アルコールの強さによる収斂味、味わいとして渋みを伴った草の葉のような味が口の中を支配する。次いで粉っぽい甘さ、ほろ苦さも伴う。後半にヨーグルトのような乳製品っぽさ。フィニッシュに向けてもサッパリとした味わいでキレ良く終わる。

【Good/Very Good】

エドラダワーのオフィシャル、バーボン樽のカスクストレングスです。2003年蒸留の2012年詰めと比較的若いボトルですが、味わいとしてはそこまで若々しい感じが出ているわけではなく、12年~15年くらいと同等のしっかりとした熟成感を感じます。フルーティな方向ではなく、ブリニーで草などのニュアンスがあり、スッキリとしたキレの良いウイスキーです。ちょっと面白い味わいですし、なかなかの美味しさ持ったいいモルトですね。度数が強いので、少し飲み疲れするのは仕方のないところでしょうか。開けてからかなりの時間を置くか、開けずに瓶内変化を待ってみるのも面白いかも、と思えるボトルです。

このボトルはエドラダワー蒸留所を訪れた際に、「蒸留所限定で売っている」と店員さんに聞いたので購入したのですが、その半年後くらいには日本で普通に流通していて、ちょっとやられた感がありました(笑) 値段的にはどちらで買っても大差なかったので特に損をしたわけではなかったのが救いでした。エドラダワー蒸留所はスコットランドでも最小の部類に入る蒸留所ですが、とにかく行くための道が狭くて難儀しました。でも、蒸留所はとても風光明媚なところで、もしスコットランドに行かれた場合は、機会があれば一度行ってみることをお薦めしますよ。