カテゴリー別アーカイブ: GlenFarclas – グレンファークラス

グレンファークラス 32年 1968 オフィシャル加水ボトル

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GlenFarclas 32yo 1968 (OB, Bottled in 2000, 43%)

香りは昔のシェリー様、レーズン、古木、アンティーク家具、少し腐葉土、残り香にカスタードクリーム。

味わいは優しく染み込む、レーズン、酸味のきつくないプラム、少し野暮ったさを感じるアーシーさ、チョコレート、ローストしたくるみ、じんわりと温かく染み込むようなタンニンが心地よく広がる。

【Very Good】

グレンファークラスのオフィシャルボトル。2000年にボトリングされたこちらのボトルは1957年、1974年がいずれも加水43%でリリースされています。ファミリーカスクはカスクストレングスですので、それとは対極になりますね。ボトリング数が1200本程度なので複数樽ヴァッティングでしょうが、加水ということもあってひっかかりの少なさが好印象です。こういうのが疲れなくて良いんですよね。

簡易ブラインドで出された結果が上のテイスティングノートなのですが、第一印象からして往年の良いシェリーカスク。かなり良い素性、というところ。加水なのは明らかで、少し野暮ったいアーシーさがマッカランなどとは異なりました。出題者がヒントで1968というワードを出した瞬間に、飲んだことは無かったんですがボトル指定でこちらは浮かびました。ファークラスらしいといえばらしい味わいでしたね。

グレンファークラスはオフィシャルからヴィンテージ入りのボトルが多数出ていることもあり、幅広いラインナップが用意されていますが、概ね似た傾向の味わいになっているところは流石といったところです。おそらくは樽の管理が安定していることに加えて、それを選ぶ人も味わいがぶれていないためでしょう。ファミリーカスクなどはしっかりと美味しい樽を選んでいるのだろうなと思います。もちろんそこまで良くない樽もあるでしょうから、その辺は何か他のものに使うのでしょう。

多数の在庫と管理手法による安定さ。直近では年末年始の1989,1991,2005などのヴィンテージはどれも評価が高めで話題になりましたし、今後もうまく機能させていって美味しいボトルをリリースしていってほしいですね。

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グレンファークラス 26年 1989 オフィシャル for Bar メインモルト & BAR キャンベルタウン・ロッホ

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GlenFarcalas 26yo 1989-2016 (OB for “Bar Main Malt & BAR CAMPBELTOWN LOCH”, Sherry Butt, Cask#13009 52.3%)

香りはレーズン、デーツなどの美味しそうなフルーツ感が強い、ローストナッツ、オイリー、少しクレヨンのニュアンス、全体的に近年系らしくない良い香り。

味わいは滑らかに広がる、糖蜜の甘さ、プルーン、濃いレーズン、ミドルからピリピリと黒胡椒、火薬のニュアンス、レーズンとその枝、落ち着いていてちょうど良い渋み、濃厚なフルーツ感と軽い収斂味がちょうど良いフィニッシュ。

【Very Good】

最近のニューリリースの中でも本当に美味いと、今年はじめから話題となったグレンファークラス。その噂はかねがねでしたが、噂通りの美味しさでした。

近年系とは思えないような滑らかで嫌味の無いシェリー樽で、凝縮したフルーツ感とほどよい刺激に厚いボディがちょうど良くまとまっています。こちらは開けてから暫く経っているからか、一体感もあり美味しく素直に1杯で満足できるモルトだなあ、という感想を持ちました。これは確かに良リリースですね。

ここ最近の日本市場はそこまで魅力的には映らないからか、各社ともどちらかといえば中国や台湾に注力してしまって日本は後まわし的に見えます。そんな現状にあっても、これだけ美味しいボトルを引っ張ってきた関係者の方々の努力には本当に感謝です。こうして実績をつくって、今後にも繋がると良いですね。

 
さて、この日は前述のファークラス1971の次にこのボトルを飲んだのですが、正直言って全く遜色なかったと思っています。向こうが口開けだったためややまとまりに欠けていたというのもありますが、こちらの1989の方が引っかかりがなくまとまっていて滑らか、という印象でした。

両グラスを同時に飲み比べてみると、確かに1989は近年系シェリーの味が特にフィニッシュにかけて顕著にはなり、一方で1971の方はやはり往年のシェリー樽の素晴らしさが漂うわけで、そういう意味では1971の方が風味が好ましいことは確かです。が、もうこれは方向性が違うというか比較しても仕方がないというか……、どちらも同レベルくらいで美味しいと思いました。というわけで評価としては同レベルとなっています。
改めて、近年リリースの中でも素晴らしいファークラスでした。

スペイサイド・シングルモルト(グレンファークラス) 35年 1971-2006 ウイスキーフェア向け

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Speyside Single Malt 35yo 1971-2006 (The Whisky Fair, Oloroso Sherry Butt, 51.4%)

香りは強くレーズン、プラム、黒糖、ムスクのような高貴な妖艶さ、樹皮、クローブのニュアンス。

味わいは穏やかな立ち上がりから強く黒糖系の甘み、すぐにタンニンの収斂味、やや硫黄がある嫌味ではない、ボディはふくよかで滑らか、プラム、マンダリン、少しクレヨンとタバコのニュアンスが残る。

往年のシェリー樽のニュアンスがしっかりと乗っており、複雑で味わい深い。この日に口開けのためかまだ少しまとまりが無いが、ポテンシャルは十二分に感じられた。

【Very Good】

ウィスキーフェア向けのスペイサイド・モルト、中身は恐らくグレンファークラスだと云われているボトルです。

香り、味ともにファーストインプレッションはこってりした甘さで、そこにやや妖艶さを感じる往年のシェリー樽香が乗ってきて本当に美味しそうな香りがプンプンしてきました。一般的にはシェリー樽のマイナス要素とも思われる硫黄やクレヨンのニュアンスも確かにあるのですが、どうもそれがそこまで嫌味には感じない、むしろ複雑さを与えています。どうしてこういうモルトが出来上がるのか、本当に面白いな、と感じました。

封切り直後だったためまだ全体的なまとまりには欠いているのですが、このあたりは暫く置けばうまくまとまって消えて行きそうだと感じました。そうなったら本当に美味しいシェリー樽モルトでしょうね。

今ではなかなかお目にかかれなくなった1971、ファークラスのビッグヴィンテージですね。Rさん、貴重なモルトをありがとうございました。

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グレンファークラス 1990-2015 オフィシャル Whisky Hoop向け

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Glenfarclas 1990-2015 (OB for Whisky Hoop, Cask#7089 Sherry Hogshead, 51.5%)

香りはこなれた麦、リンゴ、チョコレートの甘さ、プラム、スッとするメンソール様、やや青草のような野暮ったさもある

味わいはアプリコット、イチジクなどがぎゅっと強く凝縮されている、ミドルからピリピリと黒胡椒のようにスパイシー、粉っぽいカカオ、鼻抜けにオーク樽が強く香る、奥にじっとりとしたアーシーさも微かに、メンソールのようなスッとするニュアンスとカカオのビターなフィニッシュ。

【Good/Very Good】

日本のBarなどへ向けた頒布を行うボトラー、Whisky Hoop が詰めたグレンファークラス。最近2005年のクリスマスモルトが一般にもリリースされ、美味しいと評判になりましたが、こちらは少し前にリリースされた1990年のクリスマスモルトです。

ファークラスと言えばシェリーカスクですが、その中でもこちらはかなり濃い目。およそ25年のシェリーホグスヘッドということで、これ以上は樽に負けてしまうギリギリなラインともいえそうです。もちろん近年系のシェリーカスクの味ですが、求めるフルーツ感やビターな味わいがほとんど嫌味なく感じられるのは素晴らしいですね。度数もそこそこ落ちており、飲みやすさにつながっているようです。

クリスマスラベルのファークラスは、通常のラベルとはひと味違った特別な出来映えを想像してしまいます。このボトルもWhisky Hoopさんの特別な樽を選びたいという想いがよくよく感じられるボトルでした。

 

グレンファークラス 21年 1970年代後半流通ボトル

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Glenfarclas 21yo (OB late 1970’s distribution, 75cl, 43%)

香りはややドライなチョコ、サルタナレーズン、オレンジフレーバーの紅茶、少し枯れた草のニュアンス、オールドピートのアーシーさ、乾いた砂のニュアンス。
味わいはややタンニン由来の渋さから始まるアタック、落ち着いたカラメル系の甘味、炭、粉っぽいカカオマス、少し植物感、軽くコルクのニュアンス、煮出した紅茶と乾いたピートを感じるフィニッシュ。

【Good/Very Good】

グレンファークラスの21年、ラベルとタックスシールなどから1970年代後半流通のボトルだろうということです。逆算すると蒸留は1950年代になりますね。イタリア語の輸入表記があり、イタリア向けボトルのようです。

古いグレンファークラスらしい良いシェリー樽に、これまたファークラスらしいややラフで荒削りな部分も目立つ後半の起伏が独特です。マッカランなどは本当に洗練された嫌味の無さが印象的ですが、ファークラスはそれとは対照的とも言えるでしょう。それが好まれる部分でもあり、どちらが優っている劣っているということではなく、それぞれの個性であると考えています。

こちらのボトルは口開けだったためまだ若干硬さが残っている印象で、奥に薄っすらと良いフルーツ感が見え隠れしているように思えました。おそらく2週間~1ヶ月もすれば前面に出てくるものと思いますので、そこからが本領発揮となりそうです。

グレンファークラス 32年 1968-2000 陶器ボトル

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GLENFARCLAS 32yo 1968-2000 (OB “Old Stock Reserve” Cask#684 54.2%)

香りはこれ以上ないくらいの往年のシェリー感、濃厚なプラム、ドライイチジク、コーヒー、カカオマス、若干プラスチックのニュアンス、軽くシナモン、甘い栗、奥にハーブのニュアンス。どっしりと濃い苦味のような香りを芯に感じる。

味わいは、とても濃厚なドライプラム、枝付きレーズン、ミドルには濃縮したエスプレッソの苦味、マンダリンのニュアンス、赤ブドウ皮のようなの苦味と軽い甘味、驚くほど長く続く余韻。アタックは度数の割にはやや落ち着いており、ボディはスッと軽い。

【Very Good/Excellent】【Interesting】

グレンファークラスの陶器ボトル、1968年蒸留の2000年ボトリング。カスクナンバーは684です。

グラスに注いだ瞬間に思わず「なんだこれは……」と漏らしてしまうその色あい。そしてあたりに広がる濃厚なシェリーカスクの香り。甘やかかつカカオ系の苦味を伴った香りがどんどん膨らんでいき、期待が膨らみます。

一方で、味わいは流石にこの色から分かる通り、濃厚というか行き過ぎとも思えるどっかんシェリー。甘口ではなく苦味が優っていますが、硫黄のニュアンスはほとんどなく、鉛筆やクレヨンといったあたりのマイナス要素もほとんど感じられません。とにかく濃厚だけれども不思議なほど嫌味が無い、稀有で面白いボトルです。

近年系のシェリーカスクでは、明らかにこんな味にはならないだろうと思います。絶対に生木っぽいエグみや生臭さが出てしまうものだと思いますが、60年代のシェリーカスクはやはり別格で一線を画するものなのでしょうか。昔のシェリーカスクとはこういうものだったんだと勉強するには持って来いのボトルです。

なんといっても香りが良いので、スワリングをしながらひたすら香りを楽しんでしまう、そんなモルトでした。

 

この陶器ボトルはドイツ向けでカスクナンバーは683と684の2つがありました。どちらも同じ傾向の濃厚シェリーカスクで、自分は飲んでいないのですが味わいも同じ傾向だと思われます。ハードチャーしたシェリーカスクで、たまたま硫黄の成分などがあまり出なかったのか、それともシェリー液がかなり残っているところに原酒を入れたのか。どういうからくりでこんなボトルが出来上がったのか……。

2015年現在の状況から考えると、こんなモルトはもう出てこないだろうと思います。原酒枯渇以前に、こんな樽がそうそう出てくるとは思えない。2000年のボトリングということで、ミレニアムのお祝いでもあったのかもしれませんね。陶器ボトルに蝋封という、いかにも普通とは一線を画するボトルはファークラスの中でも特別なものだったのでしょう。

 

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このモルトは呑み終わったあともグラスの残り香が凄い。というのも、グラスがこれだけ濁るのはもはやギャグとしか思えません(笑) これは何の成分なんでしょうね? チョコレートのような香りがいつまでも楽しめるので面白いです。糖分なのでしょうか。

本当に興味深い、60年代ファークラスの脅威を見ました。

グレンファークラス 21年 1980年代後半流通

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Glenfarclas 21yo (OB distributed in 1980s, 75cl, 43%)

香りはチョコレート、プラム、イチゴジャム、やや高貴なニュアンス、焦がした麦、紅茶、麦茶。

味わいは柔らかい麦の甘さや糖蜜から始まり、すぐにしっかりとした紅茶感に続く、ダークチェリーやイチゴのフルーツ感がしっかり、少しカラメル、ミドルから後味はドライ、クローブとブラックペッパーの刺激を伴いながらやや短めにすっと消える。

【Very Good】

グレンファークラス、オフィシャルボトルの21年で、このボトルは1980年後半の流通品です。

香りからやや高貴さを伴った良いシェリー感で期待させてくれました。口に含めばアタックは儚さがあるものの、うってかわってボディはしっかりとした輪郭があり、煮出した紅茶とイチゴやチェリーなどのフルーツ感が好印象でした。スッと流れて消えていき、残り香になんとも言えない往年のシェリーカスクの香りが残る、とても素晴らしいモルトでした。

このスクエア型のファークラスは15年、21年、25年があったようです。もう少し古くなるとラベルも変わるようですが、いずれにしてもオフィシャルでこの出来栄え、酒質に力があった頃の蒸留だったことでしょう。ボトリング後25年ほど経っていると思われますが、その間にこなれてきたこともこのボトルの味をより魅力的なものにしているのかもしれません。

このボトルは持ち寄り会でGbさんにお持ち頂きました。いつも貴重なモルトをありがとうございます。