カテゴリー別アーカイブ: GlenGrant – グレングラント

グレングラント 1952 G&M蒸留所ラベル

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GlenGrant 1952 Distilled (G&M, Distillery Label, 75cl, 40%)

香りはプラム、レーズン、黒糖、高貴さもあるオールドシェリー香、やや工場のような、セメダインのニュアンス。

味わいは緩くライトなタッチ、プラム、ザラメ、ポン菓子の甘さ、軽く柿渋、紅茶、ローストしたカシューナッツのオイリーさ、フィニッシュは緩やかに紅茶のニュアンスが消えていく。

【Good/Very Good】

G&M社の蒸留所ラベルのグレングラント、1952年蒸留ですが年数表記はありません。60年代さえ枯渇していまった現在においては、50年代前半というのはなんとも恐ろしいスペックのモルト……。

香りは良質なオールドシェリー感がふんだんに漂っており、スワリングするごとにこの香りに包まれるのは喜びであります。一方で、味わいはかなり緩めで良く言えばゆるゆるとどこまでも飲めそうな、悪く言えばパンチに欠けて印象が薄い、という感想。個人的にはこのくらいのゆるさは歓迎で、特に1,2杯目にこちらでスタートできたなら素晴らしいでしょうね。

G&Mによるグラントの蒸留所ラベルはこれ以外にも様々なヴィンテージや熟成年数表記のものがリリースされているので、正直どれが良いものなのかがパッと見で判断がつきにくい印象があります。一部のものはかなり濃いシェリーカスクのものもあったり、一方で5年表記などでも昔のものはかなり凄い味わいのものがあったりと幅が広いことも。ある意味、どれもが個性的でそれぞれのキャラクターがあるということなので、グラントにハマる人はきっと幅広く揃えていたりするのでしょうね。

 

最近では2016年にオフィシャルボトルがラベルチェンジを行い、描かれていた二人のオジサンが姿を消してしまうという寂しさもありました。逆に味わいは洗練されて良くなったようですが、あの2人のハイランダーのラベルは「古臭い」ものと感じられてしまったのでしょうかね。

 

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ちなみに、ラベルのおじさん二人は誰かと言うと、1840年にグレングラント蒸留所を創業させたジェームズとジョンのグラント兄弟です。元々は他の蒸留所と同様に密造から始まったようですが、正式に免許を受けて稼働するように。ロセス地区のなかでもひときわ大きい蒸留所となったということでした。

大変貴重なボトルを経験させて頂きました。ありがとうございました!

 

 

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グレングラント “ファイブ ディケイズ”

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Glen Grant “Five Decades” (OB, 2014 Release, 46%)

香りはヨーグルト、レモン、滴りそうなオレンジ、コーンスターチにホワイトペッパーを混ぜたような不思議なニュアンス、微かに温泉のような硫黄のニュアンス、ほどよい木の樽の香り、

味わいは優しい口当たりでリンゴ、パイナップル、紅茶、やや植物感と樹木のタンニン様、鼻抜けからの返りは微かにトロピカル系も感じられるフルーツ感、薄めたアップルティーとほのかにシナモンのようなスパイスが香るフィニッシュ。

【Good/Very Good】

グレングラント蒸留所のマスターディスティラーであるデニス・マルコム氏。氏が50年間ウイスキー製造に携わってきた経験を活かしてつくられた記念ボトルで、1960年代、1970年代、1980年代、1990年代、2000年代のそれぞれの年代から、マルコム氏が厳選した5種類の原酒をブレンドしたものです。

先日紹介したトマーティン・ディケイズと同じ意趣のボトルですね。

グラントには珍しく少し珍味系とも言える不思議なニュアンスがあり、おそらくはシェリー樽かハードチャーした樽あたりの要素でしょうか。硫黄系のニュアンスが面白いアクセントになっています。スワリングするとコロコロと表情を変えていくのが面白く、シングルカスクには無い魅力があります。

原酒自体は恐らく90年代以降の割合が相当に多いでしょうが、飲んだ後の返りや鼻抜けに残るトロピカル系のフルーツ感はなかなかの陶酔感があり、往年の味わいを感じさせてくれました。

また、飲みくちがかなり柔らかいのも印象的で、トマーティン・ディケイズと同じ46%なのにこうも表情が違うのは興味深いところです。面白い比較をすることができました。

それにしても、マスター・ディスティラーというのは40年から50年近くもひとつの蒸留所で勤続されるものなのでしょうか。日本では終身雇用は一般的ですが、スコットランドでもひとつの場所で長く続けていく方もいらっしゃるのですね。一方でジム・マッキュワン氏などは様々な蒸留所を転々とされるいますし、人それぞれといえばそうなのかもしれません。

マスター・ディスティラーは蒸留所の生産工程の全責任を負う立場とも言えます。現場を知り尽くした職人の中から、更に全体管理までも含めた総合的な技術を持った方、というとスーパーマンかとも思えてしまいます。

素晴らしい職人魂に乾杯したくなる一本でした。

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グレングラント 39年 1972-2011 “The Perfect Drinker”

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Glen Grant 39yo 1972-2011 ( “The Perfect Drinker” Private stork for the 10th Anniversary of BAR HAYAFUNE EX-Sherry Hogshead, 52.9%)

香りは高貴さを伴ったムスクあるいはコロン、良いオールドシェリーカスク、オレンジ、カカオ、アンティーク家具、微かにポリッシュのニュアンス。
味わいはオレンジ、マンダリンなどの柑橘が強め、煮出した紅茶、ミドルからややスパイシーでホワイトペッパー、染みこむタンニン、ミルクチョコレート、フィニッシュもオレンジジャム入りの紅茶のニュアンスが長く続く。

【Very Good】

バー・ハヤフネさんの10周年記念で詰められたという、グレングラントの39年という超長熟モルト。
一瞬、TWAのパーフェクト・ドラムシリーズかと思えてしまいましたが、面白いパロディですね。

シェリーカスクを再構築したものでリフィル系の穏やかで素晴らしいシェリーカスクのニュアンスがたまりません。40年近い熟成によって原酒の持つ質も柔らかくなっていますが、決して過熟になりすぎておらず、ここに来て詰め時だったのだということが分かります。52%という度数の割にはもっと穏やかに感じられるもので、熟成によって角が取れた心地よさを感じました。

グレングラントは35年を超えるようなカスクがそこそこの数出ていましたが、酒質が良いというか、割りとプレーンな代わりにどんな樽でも耐えられる強さがあるのだと思います。そして恐らくは管理が素晴らしいのでしょう。これだけの期間の長熟は、やろうと思っても場所、金銭的な問題、在庫量のこともありますし、小規模の蒸留所ではとても真似できない芸当だと思います。大資本、大蒸留所だからこそでしょう。

さすがにここ最近ではこういう長熟リリースも聞かなくなりました。もし出てきたとしても、いったいいくらになることやら……と思ってしまいますが、こういったボトルはバーではまだまだ飲むことができますので、良いバーを見つけて飲み歩いてみることも大切ですね。

こちらも持ち寄り会でのボトル、貴重なものをありがとうございました。

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グレングラント 30年 1982 クライスデール

GlenGrant 30yo 1982-2012 (Clydesdale Cask ref.CO681 51.9%)

香りはトーストしたパン、大麦などの穀物感が強い、ナッツ系のオイリーなニュアンス、奥にプラムやチェリーのような酸味のあるフルーツ、木のニュアンス、樽感が強い。

味わいはバニラとブリニーな口当たり、ミドルからチャーした木の樽の芳香が抜けてくる、コーヒーのよう、軽くプラム、フィニッシュにかけて樽の渋みによる収斂味とブラックペッパーによるスパイシーさが残る。

【Good】

クライスデールのグレングラント30年熟成。

フルーティさは抑えられていて、どちらかというと麦そのものと樽の味わいを強く感じられるボトルだと思いました。かなり樽の影響が強い印象で、木のニュアンスが強いですがエグみとまでは言えないギリギリのラインくらいだと思います。チャーした影響と思われるコーヒーのようなニュアンスも感じることができ、まさに原酒そのものといった感じです。ちなみに少しだけ黒い粉のようなものが入っていたようなのですが、RawCaskと同じようなことをやっているのでしょうかね……?