カテゴリー別アーカイブ: Longmorn – ロングモーン

ロングモーン 21年 1964-1986 R.W.ダッシー

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Longmorn 21yo 1964-1986 (R.W.Duthie, 86 U.S. Proof)

香りはおしろい、腐る直前の過熟気味なオレンジやリンゴ、桃などのフルーツ感、しみじみとした麦の甘さと旨味、こってりとしたバターのオイリーさ、腐葉土、じっとりと広がるピートのニュアンス。

味わいは溶けて透明感のあるバター、水ようかん、小豆、ややもっさりしたリンゴ、メロン、スイカ、ミドルから麦の旨味、土のニュアンス、じんわりと植物感が広がる、フィニッシュは麦のコクとリンゴに草のニュアンスが残る。

【Very Good】

ダッシーのロングモーン、1964年蒸留の21年熟成。このシンプルなラベルは、シンプルさ故に逆に凄みを感じてしまいます。

香り、味ともに複雑で多彩、様々な方面の要素が多くノージング・テイスティングともに時間をかけてゆっくりと楽しむことができました。ダッシーはあまり変化球なものは好まず、それぞれの蒸留所や樽の良さをストレートに現す傾向にあるということでしたが、このロングモーンも格別華やかさがあるわけではなく、むしろどちらかと言うと朴訥とした印象もあります。

しかし、懐の深さを感じさせる複雑さと、奥に潜むフルーティさはその他60年代のロングモーンに期待するような華やかな要素が感じられました。話によると、同銘柄の別ボトルでは本当に素晴らしいフルーツ感満載のロングモーンだったそうですが、このボトルにはそれが無いようです。この日が口開けだったため、これから開くのかそれともボトル差か……、悩ましいところですが、暫くは経過を見守る必要がありそうですね。

Gさん、感謝です!

ロングモーン 35年 1968-2004 DL Old&Rare プラチナム

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Longmorn 35yo 1968-2004 (Douglas Laing “The Old & Rare Platinum Selection”, 61.9%)
香りはやんわりとバニラ、ライチ、白ブドウ、栗や上新粉のようなニュアンス、徐々に革製品、ポリッシュ、高貴さも感じるアンティーク家具、シナモンやクローブのようなスパイスのニュアンスがバランス良く広がる。

味わいは穏やかな立ち上がりのバニラ&蜂蜜、サクランボ、ライチ、ミドルからレザー、イグサや畳、柿のような渋みは落ち着いていてじんわり広がる、白桃のニュアンスが混じり複雑だがまとまっている、フィニッシュにかけてアンティーク家具のニュアンスと栗の控えめな甘さ、落ち着いた渋みが長く残る。

【Excellent】

ダグラスレインの Old & Rare プラチナムのラインナップからロングモーンの35年です。このダンピーのシリーズは本当に素晴らしいボトルが多いイメージがありましたが、このボトルも文句なく素晴らしいボトルでした。

白いフルーツを連想させるフレーバーに多彩なニュアンスが複雑に絡み合い、スワリングする度に様々な香りが押し寄せてきます。飲んでもその多様さにまず圧倒され、改めて様々なニュアンスを拾おうとすると、なんとも言葉では表しにくい要素が沢山あります。芯の強さはあるものの、刺々しくないのに輪郭のはっきりした味わい。個々の要素はそれぞれ主張するものの、決して喧嘩しない。まさに円熟、という言葉が相応しい。

口に含んでから飲み込むまで、一本のストーリーがあるかのようなそんな感覚を味わいました。「起承転結がある」とは同席したメンバの談ですが、まさにそのとおりだと思いました。

 

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このモルトはグラスを幾つか変えて試させて頂きましたが、左のザルトが一番フレーバーをしっかりと感じられて良かったですね。チューリップ型では少しぼやけた感覚になり、味わうときにも舌への流れ方が違うためか、ややもったりした感じになりました。それにしても、これはなんとも贅沢な比較でした……。
素晴らしい体験でした。ありがとうございました!

ロングモーン ディスティラーズ・チョイス 2016

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Longmorn Distiller’s Choice (OB No-Age-Statement 40%)

香りは少し若さを感じる乳酸菌飲料、淡い感じはあるがパパイヤ、アンデスメロンや瓜系のフルーティさを感じる、ややセメダイン香、素朴な麦感。

味わいは、軽さがあるがやや粘性を感じるフルーツ漬けオイル、パパイヤ、まだ若いマンゴー、スイカの皮に近い部分、やや苦味あり、ミドルから甘味のある芋類のニュアンス。フィニッシュはやや植物感が出てきて儚い。

【Okay/Good】

ロングモーン蒸留所からも年数表記なしのボトルが出てきました。従来の16年に取って代わるものかと思いますが、現時点では16年も終売とはなっていないようで、暫くは並行でリリースされていくのでしょうか。

味については、一言でいうともう少しがんばりましょう感が強いです。どうしたって若いニュアンスが出てきてしまっていて、太い麦感もなく軽くまとまっている浮ついた印象が拭えません。パパイヤなどのフルーツ感は奥に感じられますし、その内容は現行16年よりも良いものなのでポテンシャルは浅くはないと思うのですが、加水かフィルタリングなどの影響なのでしょうか。少し勿体無いな、と思うところです。

ロングモーン 1976-2013 (MoS Cask#13029)

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Longmorn 1976-2013 (Malt of Scotland  Bourbon Hogshead Cask#13029 53.7%)

香りは華やか、シロップがけのパウンドケーキ、蜂蜜、サルタナレーズン、軽く桃のニュアンス。

飲むと凝縮したフルーツ感。南国感満載ではないが、黄桃、甘味の強い柑橘やグァバなどのニュアンス、後半にやや独特の青草、渋みもなく割りとプレーンながら紅茶とあわせたパウンドケーキ感が長く続くフィニッシュ。

【Very Good】

MoSから2013年ボトリングの1976ロングモーン。こんなスペックももはや大変貴重なものになってしまいましたが、秩父ウイスキー祭りで小瓶で売られていました。MoSらしいボトルはミニボトルでも健在ですね。

少量ですので暫定的な評価ですが、多彩なフルーツ感は流石に76ロングモーン。南国フレーバーはそこまで強くないものの、ギュッと凝縮された感じもあり飲みごたえはかなりのものです。香りもややプレーンながら円熟したウイスキーならではのまろやかさを感じます。

ゆったりと長い時間かけて楽しみたい逸品です。お裾わけ頂きましたHさん、ありがとうございました!

 

 

ロングモーン 38年 1972 G&M ケルティック

Longmorn 38yo 1972 (Gordon & MacPhail “Celtic Label” Cask#1078 1st Fill Sherry Butt 53.9%)

香りは桃、マンダリン、白桃、黄桃、サクランボなどのフルーツ感が凄い、全体を覆う高貴なシェリー感、軽く植物感と醤油のようなニュアンスもあり。

味わいは、マスタードのようなスパイス、リンゴのコンポート、黄桃、渋みがあるが柔らかく染みこむよう、微かにトマトケチャップ? 旨味がある塩気、フィニッシュにかけてまろやかな麦感とシェリー樽の味わいがしっかりと重なりあい、長く続く。

【Very Good】

GMケルティックシリーズから1972のロングモーン、38年という長熟ボトルです。

香りの最初から桃の印象が強く、サクランボなども感じるフルーツのフレーバーが良く出ていました。また、近年のシェリーカスクとは明らかに異なる高貴さも伴った香りは、やはり昔のシェリーカスクならでは、といったところでしょうか。若干醤油っぽさもありましたが、ほとんど気にならないレベルです。流石に長熟なためか、樽のニュアンスがかなり出ているためでしょう。

味わいはちょっと変わっていて、アタックに不思議なスパイシーさを感じたのですが、自分はこれをマスタードのようだと思いました。また、ミドルからトマトケチャップのような、旨味がしっかりのった塩気も感じ、勿論香り同様のフルーツ感もしっかりしているのですが、変わった味わいがあってそちらの方が印象に残りました。決してマイナスの要素ではなく、しっかり美味しいシェリーカスクのモルトに花を添えるような、複雑さを増している要素だったと思います。

ファーストフィルのシェリーカスクで38年となると、渋みが酷くて呑めたものではなくなってしまう樽もあると思いますが、このボトルはそんなことはなく、沢山の樽の中から選ばれたものなのでしょうね。特に香りはフルーツのフレーバーがしっかりと出ていてとても好みでした。

2011年のボトルということですが、今から考えるとこんなボトルがそこそこの値段で出回っていたということが信じられないくらいです。

ロングモーン 20年 1992 BBR オウンセレクション

Longmorn 20yo 1992 (BBR Berry’s Own Selection Cask#71775 58.6%)

香りはヘザーハニーのようなフローラルな甘さ、オレンジやプラムのようなニュアンスのフルーツ感、少し青い草、草原のような香り、乾いた土のようなニュアンスは軽くピートが効いている?

味わいはネーブルのような濃密なオレンジが凝縮されたような味わいから始まる。少し高貴な雰囲気を醸し出しながら、徐々にシトラスや白い花をイメージさせるフローラル感、甘い蜜。やがてアルコールから来るドライな感覚が口を覆うが、あまり強い刺激ではない。穏やかに口の中全体を覆いながら、フィニッシュも穏やかに長くフルーツと糖蜜の甘さが続く。

【Good/Very Good】

BBRからロングモーン20年です。香りはあまり特徴があるわけではなく、若さも熟成感もどちらも感じないプレーンさが基本で、普通の90年代のモルトに思えましたが、味わいはかなり良いです。かなり凝縮されたオレンジのようなフルーティさがあり、噛みごたえのあるような粘性の強さを感じました。度数の高さの割にはアタックはそこまで強くなく、荒々しさもあまり感じませんが、ボディの強さなどはハイプルーフによるものだと思います。熟成年数としてはちょうど良い程度か、もう2,3年熟成させても良かったかもしれませんが、詰め時だと判断されたのでしょうね。

色合いもかなり濃く、味わいにも若干高貴なニュアンスが含まれており、サードフィルくらいのシェリー樽かと思いましたが、どうやらリフィル・バーボンホグスヘッド樽のようですね。リフィルでこの色合い、この味わいというのはかなり意外に思えました。それくらいバーボン樽だけでは出せないような複雑なニュアンスがあり、70年代くらいの往年の良きロングモーンが垣間見える気がします。

ボトラーズのシングルカスクとしては当たりの部類に入るでしょう。値段も適正ですし、こういうのが安定して出てくれれば無理に昔のボトルを追う必要はないかもしれませんね。