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スペイモルト フロム マッカラン 1968-2009

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SPEYMALT from Macallan 1968 (G&M, Bottled in 2009, 43%)

香りはオレンジ、パイナップル、レーズンなど多彩なフルーツ感、クローブ、ナッツ、素朴なビスケット、ココアパウダー、アーモンドチョコのニュアンス。

味わいは酸味が強めのレモン、グレープフルーツなどの柑橘類、カスタードクリーム、レモンケーキ、ミドルからオークらしい収斂味、鼻抜けにクローブとカルダモンなどのスパイス、柑橘の酸味と木の皮のニュアンスが残るフィニッシュ。

【Good/Very Good】

GMがリリースするマッカラン。その1968ヴィンテージという、ちょっと経験が無い世界でしたが、飲んだ第一印象は「随分と酸味があるな」というものでした。

マッカランといえばやはりシェリーカスクで、しかもこのあたりの年代であれば心地よいレーズンやチョコレートのようなシェリーカスクの味わいを想像したのですが、実際には上記の通り。先入観で「こんな味がするはずだ」という思い込みを、良い意味で裏切られました。

G&Mのこのボトルもシングルカスクではないと思われますが、味わい的にはシェリーカスクではなくバーボンカスク主体のヴァッティングでしょうか。シェリーカスクにこだわるマッカランではありますが、バーボンカスクを使っていないわけではありませんし、そのなかでもかなりの量がG&Mにはあったということでしょう。

継続的にリリースされているスペイモルト・フロム・マッカランですが、味わいに統一性はあるのでしょうか。あまり飲んだことのないシリーズなので、ちょっと気になってきました。マッカランとしてではなく、先入観無く飲めばいろいろと発見があるのかもしれません。

ブラインドサンプル from きりん力さん (4)

さて、きりん力さんからサンプル、ラストは……。

【Blind Sample D from きりん力】

香りはメロン、よく熟れたバナナ、徐々にピーチ、少し酸味のあるスモモなど、多彩なフルーツ感。少し麦の甘さとナッツのニュアンス。微かにワクシーさも漂う。とても好印象。

味わいは刺激が少ないアタックで、甘く薄い蜜、薄いコーヒー、シェリー樽由来と思しき渋みと収斂味が口腔内を覆う。和三盆のような、サッと溶けてしまう甘さ。少し土っぽさと香木のようなニュアンスも。微かに熟れたメロンのようなフルーツ感と、鼻抜けからミーティさもあり、生ハムメロンのよう。フィニッシュは苦味と樽由来と思われる刺々しさが残る。

【G/VG】

とても香り立ちが良く、多彩なフルーツ感で華やかな印象を受ける一方、味わいはかなりシェリー樽の成分が支配的で、樽負けしてしまっているように思える。それだけ長熟によるものと考えられ、シェリー樽由来の成分も最近のものではない印象を受けた。

生ハムメロンのような面白い味わいと、ギリギリなサルファリー具合が絶妙なところ。シェリーの長熟モルトを味わいたいということであれば、これは良い題材になるのではないかと思えた。

相当な長熟のモルトとなるとあまり経験が無いこともありイメージでしかないのだが、ドロナックの70年代前半、ファークラスの60年代後半あたりが思い浮かんだ。和三盆っぽさと微かに感じる香木っぽいニュアンスに、ジャパニーズの影もちらついてしまうが、これをどう捉えるべきなのか悩む。

【予想蒸留所】①グレンドロナック ②グレンファークラス ③山崎
【蒸留年】1970年前半(山崎なら80年代中盤?)
【熟成年数】35年~40年程度(そんなに長熟の山崎は無いと思うが……)
【度数】40-43%

上記の内容でメールをお送りした結果……。

マッカラン
Macallan GM speymalt from macallan
【蒸留年】1971 年
【熟成年数】35y.o
【度数】43.0%

GMのマッカランでした。スペックはほぼ予想通りなのですが、蒸留所の特徴を抑えきれていないのが露呈してしまっていますね。香りの多彩なフルーツ感あたりから推測するのが良いのでしょうか。生ハムメロンのような熟れたニュアンスなど、特徴的な味わいが多かったため、その辺りを足がかりにするのが良さそうかな、と感じました。

これだけ長熟のマッカランを頂く機会はほとんど無かったので、とても貴重な経験になりました。最近のモルトは割とプレーンで似たような味わいの傾向になりがちですが、70年代前半ともなると、個性的な味わいが多いように思えます。やはり熟成を経たモルトは複雑で多彩な味わいを持っており、モルトの魅力のひとつであるのと同時に他の酒にはなかなか無いものだと改めて感じました。

今回はたくさんの貴重なサンプルを頂きまして、本当にありがとうございました。