カテゴリー別アーカイブ: Old Pulteney – オールドプルトニー

オールド・プルトニー 1997-2015 ロイヤルマイル・ウイスキー向け

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Old Pulteney 1997-2015 (OB for Royal Mile Whiskies, Cask#774, 55,7%)

香りは豊かな麦の甘み、ハチミツ、塩気の強い焼き立てフォカッチャ、ローストしたナッツ、奥から洋ナシ、桃のニュアンス。

味わいは思いの外優しいタッチから突然パワフルに広がるハチミツ、ネクタリン、樽由来の樹の渋みが程良い、プラムジャム、鼻抜けは心地良い木香がさらっていく、塩気と水飴のような甘さが後を引くフィニッシュ。

加水すると香りはロースト香が立ちややオイリーさが増す、味わいはアタックの甘さとミドルの果実ジャム様が引き立つ。スムーズに伸びる少量加水が好印象。

【Very Good】

エディンバラにあるロイヤルマイル・ウイスキーがボトリングした、オールド・プルトニーのシングルカスク。18年ほどの中熟ボトルです。

オールド・プルトニーは自分の大好きな蒸留所で、これまで何度か蒸留所限定のヴァリンチテイスティングしていますが、各所で云われている通りこのボトルも似た方向性の味わいです。オフィシャルの良質な90年代シングルカスク、その中でもこれは珠玉の出来でしょう。

厚みのある麦芽由来と思しき甘さ、少し酸味のあるジャムのようなフルーツ感、そして強めの塩気。加水した際にローストしたような、あるいはチャーした樽のような香りがしたのですが、これはバーボン樽をチャーして使用している影響でしょうか。「バーボン樽らしい」バニラのニュアンスも勿論あり、バーボン樽のモルトとしてひとつの理想的な味わいを体現しているとも言えると思います。自分がプルトニーに求める味も然りなので、まさにドンピシャといったところです。

このボトル、評判が良かったようなのでロイヤルマイルから引っ張ろうと思いつつも迷っていたら、いつの間にか売り切れてしまっていたという。プルトニーラヴァーとしては完全な過ちでした。先月、持ち寄り会の場で少量頂きテイスティングすることができました。本当にありがとうございます。

ところで、プルトニーはこのようなバーボン樽のモルトに良い出来のものが多く、またオフィシャルボトルのラインナップ的にもバーボン樽がメインのように見受けられます。一方で、蒸留所としてはシェリー樽は勿論、ワイン樽やビール樽などもあるとのことで、いろいろな実験を行っているようですね。どの程度の比率で原酒を仕込んでいるのかは定かではありませんが、一般的にはプルトニーの求める味わいはバーボン樽がメインなのだろうと思います。

シングルカスクにはこだわらず、複数ヴァッティングでもかまわないので今後も美味しいプルトニーが飲めることを期待したいと思います。

オールドプルトニー FLOTILLA ヴィンテージ

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Old Pulteney FLOTILLA 2005 (OB, 2015 Release, Ex-Bourbon Casks, 46%)

香りは塩気の強いパン、水仙のような花の香り、オレンジ、火薬のニュアンス、フレッシュなオリーブオイルの青さ、粘土のようなアーシーさ。

味わいはやや若くモルティ、強い塩気とハチミツ、ミドルから強めの草、畳、口腔を覆うようにオリーブオイル、ナッツ、フィニッシュにかけてポン菓子や煎餅、穀物系の甘さが残るフィニッシュ。

【Good】

プルトニーのオフィシャルボトル、NAS表記でリリースされている FLOTILLA シリーズの2005年ヴィンテージです。サンプルとしてYさんに頂きました、ありがとうございます。

味わいはやや単調で、それなりに若さも残しつつモルティでややオイリー、そしてブリニーさが目立ちます。ある意味プルトニーらしさがよく出ていますが、もうひとつ味に奥行きがほしいところですね。このあたりはプルトニーのNAS表記のものは概ね同じような印象があります。一方で、前に飲んでいた免税店向けのWKシリーズなどはハイボールにするとサッパリとした良い味わいでしたので、このボトルもハイボール向けには結構期待できるのではないかと思います。

FLOTILLA シリーズはフランス市場向けで、これまでに2000年、2004年、そして今回の2005年の3種類がリリースされています。この2005年ヴィンテージはWhisky Live Paris用にメゾン・デュ・ウイスキーとコラボ・リリースされたもの。FLOTILLA とは小型帆船のことで、プルトニーが掲げている “Maritime Malt (海のモルト)”のキャッチコピーに相応しく、また同蒸留所がサポートしているボートレースなどとも関連しています。

 

以前のNAS表記のリリースでは WK シリーズというものもありました。WK209WK499など、こちらも実在した帆船をモチーフとしたシリーズで、4種類ほどリリースされていました。

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プルトニー蒸留所のビジターセンター内にある WK499 “Isabella Fortuna” の模型

ニュースリリースなどを見ているとプルトニーは良くボートレースの話題を取り上げており、並々ならぬ熱意を感じます。自分はそのあたりは余り詳しくないのですが、かつてはニシン漁で栄えたWickの町、そこに根付いたプルトニー蒸留所の、いわばアイデンティティなのでしょう。ビジターセンター内も、帆船に関するモチーフや小道具などがそこかしこに置かれており、他の蒸留所とはひと味違った雰囲気を感じられる造りになっています。

北の海の誇りを感じながら、今夜はプルトニーを一杯、いかがでしょう。

オールドプルトニー 24年 1989-2014 蒸留所限定

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Old Pulteney 24yo 1989-2014 (OB, Hand Bottling at the Distillery, Bourbon Cask#4146 53.5%)

香りは酸味のあるプラム、イチゴジャム、ラズベリー、アロエや苔のニュアンス、過熟気味のバナナ、微かにセメダイン系の溶剤、ショートブレッド、こなれた麦感。

味わいはややオイリーなアタックから蜂蜜やトフィー、噛みごたえのあるイチジクのジャム、イチゴやラズベリーもしっかり、ミドルから塩気の強いショートブレッド、やや強めの植物感、コクのある麦の旨味、フィニッシュにかけてはショートブレッドとじわりと染みこむ植物の苦味が続く。

【Good/Very Good】

プルトニー蒸留所で樽から直接ボトリングできる、いわゆるヴァリンチです。先日紹介したの14年熟成ボトルとともに、2014年のスコットランド旅行の際に現地で購入してきました。開封は2014年9月でしたので、2年ほど経過しています。

3ヶ月ほど前に久しぶりに飲んでみたところ、当初よりもフルーツ感が多彩で強くなっていたため、これはいよいよ開いてきたぞ、と喜んで飲んでいたらもうあと1,2杯のところまで来てしまいました。90年台のプルトニーに良くある、バーボン樽の良い部分をうまく抽出したような綺麗めな方向ですが、若さ由来のパワーも落ち着いてきて結構しみじみ飲めるタイプです。どちらが良いかは好みによりますね。

どうもこの日は体調的に植物のエグみのようなニュアンスを強く拾ってしまう傾向にあったようで、このときもテイスティングが引っ張られてしまいましたが、やはりフルーツ感と塩気の強い麦の甘さは良く主張していていい塩梅になっています。

 

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ハンドボトリング用の樽。珍しく2種類用意されていた。

 

プルトニーのハンドボトリングは、このように樽がビジターセンター内に置かれていて、希望者は樽から直接ボトリングすることができます。(実際には一度フラスコのようなものに移して700mlを計量します)。ボトリング後はラベルを書き、購入台帳に記入し、フタの部分をロウ付けしてようやく1本出来上がり。これ、意外と時間がかかります。慣れてくれば別ですが、1本あたり10分弱かかったりもします。他の購入者も居たり、スタッフもそこまで慣れていなかったりすると、2本買うだけでも結構な時間をとられる事になりますので、蒸留所訪問の際には時間に余裕を見て行くと良いでしょう。

オールドプルトニー 14年 2000-2014 蒸留所限定

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Old Pulteney 14yo 2000-2014 (OB, Hand Bottling at the Distillery, Bourbon Cask#649 61.1%)

香りはバニラ、生クリーム、アプリコットジャム、サクランボ、少し白桃のニュアンス、軽めの紅茶、ややオイリーなクリーム感、微かに昆布出汁のニュアンス。

味わいは強くプラム、トフィーやファッジのような甘さ、プラム、ネーブルオレンジ、ミドルには噛みごたえのあるアプリコットジャム、薄い紅茶のニュアンス、煮詰めた蜂蜜の甘さ、かき氷のメロンシロップ、フィニッシュにかけては軽くヒリヒリとスパイシー、軽い樽感とともにフルーツ感も残る。

【Very Good】

プルトニー蒸留所で樽から直接ボトリングできる、いわゆるヴァリンチです。こちらは2014年のスコットランド旅行の際に現地で購入してきました。開封は2014年9月でしたので、2年ほど経過しています。

個人的にプルトニーらしさとも感じている酸味のあるフルーツ感は以前からありましたが、開栓当初は梅ジャムのようなニュアンスが、時間経過で変化がありコクの強いアプリコットからサクランボなどになってきました。また、このボトルはバーボン樽なのですが、少し紅茶のようなシェリー樽にみられるようなニュアンスも出始めてきて中々に不思議なものです。

14年で61%とまだまだパワフルなところはありますが、かなり開いてきたのか口当たりもそこまでキツくなく、かなり仕上がった樽だと思います。思い出補正が若干入っていますが、90年代以降のバーボン樽モルトとしてはとても良く出来た味わいだと言えるでしょう。

プルトニー蒸留所はかなり以前からこのような蒸留所限定のボトルがありましたが、いずれも高いクオリティのものばかりです。スコットランドの北の果までわざわざ訪れるのは結構大変なのですが、風景も良いですし、スコットランド旅行の際には是非訪れてみることをおすすめします。

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オールドプルトニー 8年 スコッチモルトセールス

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Old Pulteney 8yo 2001-2009 (Scotch Malt Sales, 62.1%)
香りはツンと強いアルコール感、薄めた蜂蜜、バタークッキー、プラム、ヨーグルトのニュアンス、微かに野菜の出汁のニュアンス。

若さを感じるヨーグルト、ミルクキャラメル、焼きバナナ、ミドルからはヒリヒリとスパイシー、強いアルコール由来か、軽く粒状感のある炭やタンニン系のニュアンス、フィニッシュにかけてはやや草のようなニュアンスとバター系の味わいが残るが、度数が高くスパイス感も強い。

【Good】

スコッチモルトセールスが2009年にリリースしたプルトニー8年。開封から3年ほど経っていますが、暫く放置していたものを久しぶりに引っ張りだしてみました。

全体的に若いニュアンスが強く、ヨーグルトのような乳酸菌飲料のフレーバーと微かにニューポット感もあります。最近良くあるNASのボトルにも共通するニュアンスですが、これはカスクストレングスで度数が高いことから少々ハードパンチャーすぎるきらいがあります。

それなりに加水しても香りはあまり変わらず。良い意味でとれば崩れませんが、アルコール感もそこそこ残ります。味はフルーツと乳酸菌系のどちらか微妙なラインの酸味が良く出てきます。全体的に奥行きはあまり無いため、そこがちょっと残念ですね。

若いやんちゃな部分を楽しむのもありですが、さすがに度数の高さもあって飲み疲れするタイプ。このボトルとは長い付き合いになりそうです(笑)

オールド・プルトニー WK499 “Isabella Fortuna” 2ndリリース

Old Pulteney WK499 “Isabella Fortuna” 2nd Release (OB for Travel Retail 46% 1L)

香りは若さを感じるフレッシュなハチミツにレモン、ふんだんな麦の香り、塩気を感じるバニラ、リンゴ、ヨーグルトのニュアンス。

味わいはハチミツにトースト、ナッツ系のオイリーさ、ミドルからプラムのジャム、フィニッシュにかけて海藻、若干オイリーで短いフィニッシュ。

【Good】

プルトニー蒸留所の免税店向けボトル、イザベラ・フォーチュナの2nd Releaseです。2012年ころに海外に行った際のお土産として、3種類ほど買ってきたもののひとつです。

全体的に若さが目立つボトルですが、ミドルから梅ジャムのようなニュアンスが出ているあたりがプルトニーらしい味わいです。フィニッシュにかけての海藻のようなミネラル感と海のニュアンスは、他のプルトニーにはあまり感じないところでしたが、港町でかつMaritime Maltを標榜するプルトニーとしては、一番「らしい」味わいなのではないかと思いました。

このボトルは夏場にハイボールにするとなかなか良い出来でして、若さ故のヨーグルトのようなニュアンスが良い塩梅にフレッシュさを演出してくれて、さっぱりとした味わいに仕上げてくれました。ここまで減っているのもハイボールで度々飲んでいたからです。複雑さに乏しいとは思いましたが、飲み方によっては良い部分が強調されるのを良く感じました。

ちなみに、WK499 “イザベラ・フォーチュナ” はプルトニーのあるWickの街で80年間にわたり北のニシン漁を行ってきた老舟だそうで、港町として歴史あるWickの誇りなのでしょうね。

オールド・プルトニー WK209 “Good Hope”

Old Pulteney WK209 “Good Hope” (OB for Travel Retail 46% 1L)

香りはキャラメリゼしたリンゴ、近年のシェリー香、チーズのようなニュアンス、ローストしたナッツ、少し溶剤、微かにゴム。

味わいは若いアルコール感、カシューナッツやアーモンドのようなオイリー感、リンゴ、ドライイチジク、安いコーヒーリキュール、フィニッシュにかけてややスパイシーだがそこまで強くはない。松脂のような、未熟感を伴った余韻。

【Good】

プルトニー蒸留所の免税店向けボトル、グッドホープです。2012年ころに海外に行った際のお土産として、3種類ほど買ってきたもののひとつです。

シェリーカスク熟成という、プルトニーのオフィシャルとしてはちょっと珍しい部類に入るこのボトルですが、ちょっと若さと近年の(擬似)シェリーらしいニュアンスが強く、全体としてはまとまりに欠ける印象が残ってしまいました。シェリーに期待するようなダークフルーツ感も少し乏しく、平坦な味わいです。個人的には、やはりプルトニーはシェリーカスクよりはバーボンカスクの方が合っていると感じます。

ハイボールにすると若さがフレッシュ感を、シェリーのニュアンスがコクを出してくれて意外とマッチします。この夏は結構ハイボールでお世話になったボトルでした。

ちなみにこの WKxxx シリーズは、港町にあるプルトニーらしく舟の名前からとられているそうです。WK209は1948年に製造された初期のトロール船だったそうです。