カテゴリー別アーカイブ: 【Excellent】

ロングモーン 1969 G&M カスクシリーズ

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Longmorn 1969 (G&M “CASK Series” for Japan, 62.9%)

香りはライチやパイナップルなどのとてもナチュラルで作為的でないトロピカルフルーツ感、バニラ、ハチミツ、セージやミントのハーブ感、少しシナモン、微かに青いバナナのニュアンス。

味わいはライチ、マンゴスチン、桃、ミドルから白胡椒の刺激、白ワインの様な爽やかさと青みがかかったニュアンスが奥行きを作る、シナモンやアニスのようなスパイス感を伴うトロピカルフルーツの幸福な余韻。

【Excellent】

有限会社ウイック経由で日本に入ってきたG&Mのロングモーン1969。

その香味は、目まぐるしく飛び込んでくるトロピカルフルーツを中心としたフルーツ感。完熟から青さの残るところまでの多彩さ、それを支える麦のボディ。60%オーバーとは思えないソフトな口当たり。ボディは分厚く、余韻にかけて広がるトロピカル感。アタックからリリースまですべてが素晴らしくまさに至福でした。

ただただ凄いとしか言いようがなくて、テイスティング・ノートの語彙が貧弱になってます。

こちらのボトルを飲んだのは初ですが、曰く状態にかなりばらつきがあるそうで、これは大当たりのボトルということでした。たしかに、往年のロングモーンに求める要素がすべて詰まっておりその上で良いバランスを保っている。モルトってこんな香味も持つのか、と改めて感動しました。

口開けでこの素晴らしさ。ですが、これから開いていくのではなく後は味が落ちていく一方、ということもあるようで、かなりピークが短い模様。このあたりのコンディションの把握も難しいですね。

先日アナウンスがあった通り、G&Mは今年2018年に数あるシリーズを整理して5種類に絞ることになっており、このCASKシリーズは終了してしまいます。かなり長い間続いていたシリーズであり、こういった素晴らしいボトルが多かった同シリーズが終了してしまうのはちょっと残念ですが、まあいたし方ありませんね。今このクラスのボトルをリリースするとなると、恐らくハイエンドの「ジェネレーションズ」に分類されるのでしょう。

割と手軽にこんなボトルを手にすることができた時代があったとは、ちょっと信じられませんね。

 

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ブローラ 4thリリース 30年 1975-2005

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Brora 4th 30yo 1975-2005 (OB 4th Release, 56.3%)

香りは過熟気味のネクタリン、マンゴー、パッションフルーツ、チーズ、おしろい粉、湿った洞窟、ややくぐもったオイルのニュアンス。

味わいは香り同様のフルーツ感に熟成したチーズなどの乳製品の旨味とオイリーさ、濃厚なバター、少しハーブ様と樹木のニュアンスが鼻を通り抜ける、じっとりとしたピートとフルーツが長く続くフィニッシュ。

【Excellent, Interesting】

ディアジオのオフィシャルリリースの4thボトル。もう原酒が無い無いと言われながらも、昨年2017年までの16thまで毎年着実にリリースされ、その都度価格も着実に階段を上っていったというブローラ。思えば遠くへ来たものです……。

そんな貴重なブローラの初期リリース、70年代のボトルを飲む機会を頂きました。Tさん、ありがとうございます。

上記のテイスティング・ノートはグラスに注いでから1時間ほど経ったところでのものです。今回のボトルはその場での口開けで、直後はかなり閉じていたものの、15分くらい経つと期待する過熟フルーツが出てきて、30分ほどでそれが全開になってきました。かなり変化が著しく、表情をコロコロと変えていくので驚きでした。

そして、ブローラといえばやはりこの個性的なフルーツ感。独特の腐りかけのような危うさ、でも破綻していない、本当に不思議な魅力が詰まっています。麦なのか樽なのか、はたまた蒸留設備なのか。同時に飲んだ72クライヌリッシュにはこのような個性が見受けられないので、蒸留設備の違いとしか思い浮かばないのですが、それにしてもどういう違いなのか、まったくもって不明です。洗浄していない部分があってその影響、とかなのでしょうか。

呑むにあたっては小さめのコニャックグラスと、リーデル・ソムリエグラスのような大ぶりのグラスで試しましたが、これについては小さめの方が香味の発散具合がちょうどよくマッチしていました。大ぶりの方では少しぼやけてしまっている香味が、小さめのではシャープになって輪郭がはっきりしていて好印象。このあたりの比較もあまりできるものではないので、全てにおいて贅沢な時間でした。きっとこの先も忘れないでしょうね。

ロングモーン 35年 1968-2004 DL Old&Rare プラチナム

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Longmorn 35yo 1968-2004 (Douglas Laing “The Old & Rare Platinum Selection”, 61.9%)
香りはやんわりとバニラ、ライチ、白ブドウ、栗や上新粉のようなニュアンス、徐々に革製品、ポリッシュ、高貴さも感じるアンティーク家具、シナモンやクローブのようなスパイスのニュアンスがバランス良く広がる。

味わいは穏やかな立ち上がりのバニラ&蜂蜜、サクランボ、ライチ、ミドルからレザー、イグサや畳、柿のような渋みは落ち着いていてじんわり広がる、白桃のニュアンスが混じり複雑だがまとまっている、フィニッシュにかけてアンティーク家具のニュアンスと栗の控えめな甘さ、落ち着いた渋みが長く残る。

【Excellent】

ダグラスレインの Old & Rare プラチナムのラインナップからロングモーンの35年です。このダンピーのシリーズは本当に素晴らしいボトルが多いイメージがありましたが、このボトルも文句なく素晴らしいボトルでした。

白いフルーツを連想させるフレーバーに多彩なニュアンスが複雑に絡み合い、スワリングする度に様々な香りが押し寄せてきます。飲んでもその多様さにまず圧倒され、改めて様々なニュアンスを拾おうとすると、なんとも言葉では表しにくい要素が沢山あります。芯の強さはあるものの、刺々しくないのに輪郭のはっきりした味わい。個々の要素はそれぞれ主張するものの、決して喧嘩しない。まさに円熟、という言葉が相応しい。

口に含んでから飲み込むまで、一本のストーリーがあるかのようなそんな感覚を味わいました。「起承転結がある」とは同席したメンバの談ですが、まさにそのとおりだと思いました。

 

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このモルトはグラスを幾つか変えて試させて頂きましたが、左のザルトが一番フレーバーをしっかりと感じられて良かったですね。チューリップ型では少しぼやけた感覚になり、味わうときにも舌への流れ方が違うためか、ややもったりした感じになりました。それにしても、これはなんとも贅沢な比較でした……。
素晴らしい体験でした。ありがとうございました!

サントリー ブレンデッド ウイスキー 「洛山」 リカーマウンテン25周年記念ボトル

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Suntory Blended Whisky “Rakuzan” 25yo (OB +/- 2015, 700ml, 43%)

香りはまさにミズナラ香、ジャパニーズらしいオリエンタル、香木、流れる糖蜜、乾いた麦の穂、アプリコットジャム、青りんご、イチゴなど多彩なフルーツ。
味わいはイチゴ、マンダリン、ミドルからややオイリーさがあり、コンデンスミルク、ココナッツオイルへと続く、リッチ、ほどよい紅茶感のタンニンの渋み、微かに硫黄のニュアンス、フィニッシュにかけてもリッチで多彩なフルーツと紅茶のニュアンスが長く続く。

【Excellent】

リカーマウンテンが25周年記念で発売した、サントリーのブレンデッド・ウイスキー「洛山」。
25年以上の原酒のみを使用したブレンデッド・ウイスキーで、昨今の山崎のお値段ということもあり、このボトル自体のお値段も相当に良いものでしたが、その内容は価格に見あう出来のものだと思いました。

内容は上記の通り、とても良く香るミズナラ香、あるいは「らしい」ジャパニーズの香りがふんだんにあり、最初のノージングでとりあえず笑ってしまうほどの力強さ。そして飲んでみてもブレンデッドらしく多層的で様々な原酒のニュアンスを拾うことができ、飽きることが全くありません。

イメージとしては日本家屋のよう。上品な和室にシンプルな床の間、仏壇も置いてありそうで、品の良いご婦人が正座でお座りになっていらっしゃる。変な例えですが(笑) 確かにそんなイメージを持てそうなモルトでした。

 

ミズナラ原酒については仲間内では度々話題になっていますが、それ単体はなく様々な原酒とのブレンドでこそ、その力を発揮すると考えています。ミズナラ原酒単体では割りとスカスカというか、香りは良いのですが飲みごたえが無く面白い部分が少ないのですが、それを補うため、あるいはブレンデッドに素晴らしい香りを与えるトップ・ドレッシングとしての機能が強いと感じます。

今回のブレンデッドもミズナラはともかく、その他に使われた原酒も恐らく山崎のバーボンカスク、パンチョン、シェリーカスクも少しあるでしょう。そしてグレーンももちろん最上のものと思われます。こういった複雑さが、飲んだ時の満足感に繋がっているのでしょうね。

そういえば、この手のハイエンドなサントリー・ブレンデッドは結局あまり続かなかったですね。ビックカメラ、信濃屋、キンコー、そしてこちらのリカーマウンテン、くらいでしょうか。流石に値段が値段ですし、なかなか交渉も難しいのかもしれませんね。

本当に貴重なボトルを持ち寄って頂けました。素晴らしい経験をありがとうございました!