カテゴリー別アーカイブ: 【Good/Very Good】

インペリアル 22年 1990-2013 マキロップチョイス Cask#11972

乳製品と草っぽさから農家をイメージするボトルでした。

Imperial 22yo 1990-2013 (Mackillop’s Choice, Cask#11972, 57.9%)

香りは熟成したチーズ、ポリッジ、オレンジ、クランベリー、やや薬草的なニュアンス。

味わいは強めの刺激を伴いながら、凝縮した麦の甘味、マーマレード、生クリームのようにややオイリー、ミドルからオリーブやマスタードのニュアンス、チーズがかったポリッジのような穀物と薬草のような苦味を伴うフィニッシュ。

【Good/Very Good】

マキロップチョイスからインペリアル、2013年に詰められたカスクストレングスのボトルです。

香味ともに乳製品っぽさが中心にあり、熟成したチーズにやや野暮ったい麦の風味、そして薬草のような草っぽいニュアンスがあるのが印象的でした。やや野暮ったい麦芽の香味あたりが、3回蒸留のインペリアルらしいところかな、という風に捉えました。

樽感はあまり強くなく、それよりはアルコールの強さからかなり刺激が来るため注意して飲まないとあっという間に舌がやられてしまいそうでした。加水をすると熟成したチーズ感が強まり旨味がよく感じられ、素性の良さは垣間見られました。

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リトルミル 25年 1989-2015 ハートブラザーズ for North Sea Bottlers

トロピカル感の影に隠れ潜むアイツがいました。

Littlemill 25yo 1989-2015 (HART BROTHERS “Finest Collection” for North Sea Bottlers, First Sherry Butt, 52.1%)

香りはエキゾチックなフルーツ、ややケミカルさを伴うパイナップル、パパイヤのような青い果実感、ポリッシュされた家具、少し紙のニュアンス、時間経過でカカオが出てくる。

味わいはややおとなしいスタートで、マンゴスチン、パイナップル・ファイバー、ミドルから徐々に紙、濡れたダンボールが少しだけ顔を覗かせる、ジャム入り紅茶、少し木とカカオの苦さがあるが心地良い程度がフィニッシュに続く。

【Good/Very Good】

North Sea Bottlers というベルギーのボトラー向けにリリースされた、ハートブラザーズのリトルミル25年。

ここ最近のリトルミルは、以前のように「らしいフレーバー = 濡れたダンボール」のニュアンスが強いものは影を潜め、少しケミカルさを伴うトロピカル・フルーツのフレーバーが出ているものが多いように感じます。このボトルもその系統のひとつですが、味わいの中にそれっぽいダンボールのニュアンスが隠れているのが分かり、ああリトルミルらしいな、と半ば安心するような、でもやっぱりちょっと嫌かもというような、面白い感覚を楽しむことができました。

ファーストフィルのシェリーバットという記載がありますが、シェリー樽らしい影響はかなり控えめで、後半に紅茶とカカオのニュアンスがある程度です。恐らくはオロロソやペドロヒメネスではない、フィノあたりのシェリー樽だったのではないかと推測します。これくらいのニュアンスならファーストフィルでも良いですね。

リトルミルも、蒸留所閉鎖から既に25年が経ち、残りの原酒もあまり多くは無いことでしょう。長熟の域に入り手頃な値段でのリリースが少なくなってきたため、今後はかなり希少価値が高くなってしまいそうです。とはいえ、これまでのリリースが多かったせいかセカンドユースの市場にはいろいろなボトルがありますので、そちらを狙うのもありでしょうか。独特の濡れたダンボール感の無いボトルは限られてそうですが……。

ちなみにこのボトルはベルギーの方々と一緒にテイスティングしたのですが、あちらでも Like a carboard という単語が出てきて、あーこのニュアンスはやっぱりダンボールだよね、と納得しました。日本と海外とでは香味の捉え方が異なることも良くあるのですが、少なくともこのダンボール感は共通だったようです。

ブレイヴァル 21年 1991-2013 Brachadair Cask#95120

スペイサイドらしさのある王道の味わいですが、少し草っぽいニュアンスが引っかかるところ。

Braeval 21yo 1991-2013 (Brachadair, Bourbon Barrel, Cask#95120, 53.1%)

香りはリンゴ、洋梨、ミルク、ハチミツ、新しい木の椅子、やや草っぽいニュアンスが強めに出ている。
味わいはやや強めのアタックで麦の甘さ、プラム、酸味強めのさくらんぼ、ミドルからバニラ、ハチミツ、ミント系のガム、フィニッシュにかけてハチミツとハーブが続く。

【Good/Very Good】

Brachadair という、ベルギーのボトラーが詰めたブレイヴァル。あまり大きくはないボトラーのようですが、個人的なコネクションなのか、様々な蒸留所のシングルカスクを詰めているようです。ヨーロッパ各国ではこういうインデペンデント・ボトラーがたくさんあるようで、各自のフィールドにあわせていろいろと樽を引っ張ってきているようですね。

香味はベーシックながらよくまとまっていて、リンゴや洋梨のような甘い香り、味は甘さと酸味がしっかりしていてくっきりとした輪郭を作っています。後半にやや強めの草っぽさが残るところが、優美さだけでは終わらない個性を発揮していましたが、ちょっとくどい味でもあったため、評価は分かれそうなところ。

ブレイヴァルというとかなりマイナー蒸留所で、オフィシャルボトルが無いためボトラーズ頼りになりますが、あまり経験がないためハウススタイルが良くわからないところです。実はスコットランドで最も標高が高い場所にある(標高の高さでは有名なダルウィニーが326mでブレイヴァルが350m)のですが、熟成はキースにあるシーバス系の集中熟成庫で行われているようで、あまり標高の高さを売りにしている話を聞いたことがありません。もっとも、ダルウィニーも熟成はディアジオの集中熟成庫がメインでしょうから、あまり変わらないと云えますが……。ダルウィニーは気象観測所を兼ねているため、そちらの話題が良く出てくるのでしょう。

というわけで少々パッとしないところのあるブレイヴァルですが、素性は良さそうなので他にもいろいろと試していきたいところです。

トーモア14年 1998-2013 G&M for The Whisky Mercenary Cask#1586

キャラクターの強いトーモア、美味しいボトルでした。

Tormore 14yo 1998-2013 (G&M Exclusive for The Whisky Mercenary, Cask#1586, 50%)

香りは少し過熟気味の柑橘類、グァバ、ヌガー、炒めた玉ねぎ、茹でたキャベツ、パスタを茹でているような、奥にライチのニュアンス。

味わいはオレンジ、ハチミツ、アーモンドヌガー、後半にライチやグァバのニュアンスが少し、やや草っぽさと生木のエグみがあるが、柑橘と合わせて良いアクセントで消える。

【Good/Very Good】

The Whisky Mercenary というベルギーのボトラー向けにリリースされた G&M のトーモア、およそ15年の熟成です。

典型的なバーボンカスクの香味がベースなのですが、香りに独特の果物や野菜系のニュアンスがあるのと、味わいの後半にライチやグァバのような良いフルーツ感があり、面白いキャラクターを持っているボトルでした。どことなく、ベン・ネヴィスやリトルミルのような、南ハイランド周りのケミカル・トロピカルと共通するところがあるなと感じました。

G&MのExclusiveは、以前飲んだJIS向けのグレーバーギーなどもやはり良い出来で、シンプルなラベルであまり違いが見いだせないものの秀逸なボトルが多いな、と改めて感じさせられました。G&Mのストックの懐深さが感じられます。

それにしても、トーモアでこういう面白いボトルがあるとは。もうちょっと没個性的な、線の細い印象を持っていたため、キャラクターの強い味わいは少々意外でした。

カリラ 35年 1983-2018 ウィームス for Cask Club

円熟のカリラ。穏やかで心地よいスモーキーさが印象的でした。

Caol Ila 35yo 1983-2018 (Wemyss Malts “Smoky Nectar”, Hogshead, 46%)

香りは心地良いスモーク、やや穏やかなヨード、ミーティ、オイスターのような魚介、良い塩気のある海産物、ブーケガルニ、少し焦がしたバターのニュアンス。

味わいは柔らかくスモークチーズ、バタースコッチ、貝の旨味、やがてレザーのニュアンスが広がり、少し強めの樽の味、やや黒胡椒が効いたスパイシーなフィニッシュへと続く。

【Good/Very Good】

ウィームスが Cask Club というメンバー向けにリリースしたカリラの35年熟成。加水仕様だとは思いますが、211本とかなり少なめのボトリングは35年の間にかなりの量が天使に飲まれてしまったからでしょう。

内容としては、非常に良くまとまっていてひっかかりのないカリラ。極端にフルーティに寄ることもないですし、ピートやスモーキーさが強すぎることもない、それでいて塩気と魚介の旨味がしみじみ美味いボトルでした。長熟にしてはあまり樽が強すぎないのも好印象です。

カリラではこの手の味わいは割とスタンダードな範囲かとは思いますが、繊細で優美さを感じさせるやや線の細いような香味が、男前なパンチの効いたものが多い最近のアイラ・モルトとはかなり異なっていて、ああ、やっぱり良い熟成をさせるとこうなるんだな、と。久しぶりに長熟で熟成の良さを楽しむことができました。


こちらは、先日のベルギー旅行の際に現地のウイスキーラヴァーとの持ち寄り会で頂いたボトルです。海外での貴重な機会をセッティングしてくださり、またいろいろとサンプル交換などもさせていただきました。今後これらのテイスティングノートを載せていこうと思います。

Many Thanks for Olivier!!

タムデュー 21年 1997 オーシャンズ シリーズ

完熟ピーチ? いかがですか? 

Tamdhu 21yo 1997 (Whisk-e “The Oceans”, Hogshead, Cask#688016, 50.8%)

香りは熟したオレンジ、紅茶、ミルキー、少し桃、シナモンとクローブを漬けたハチミツ、微かにココナッツ。

味わいはやや粘性のある口当たりで、甘いハチミツ、スパイスを加えた紅茶、チャイ、ミドルは桃とドライフィグのようなフルーツ感に少しヘーゼルナッツのニュアンス、ホワイトペッパーやクローブ等のスパイスと紅茶感が心地いいフィニッシュ。

【Good/Very Good】

ウイスク・イーのシリーズのひとつであるオーシャンズ。いまいちどういうコンセプトなのかは分からないものの、このボトルが20本目という、かなりのリリースを重ねてきたシリーズです。

ラベルがあまり好みではないので今回もスルーかと思ったのですが、テイスティングコメントを見たところ「完熟ピーチのフレーバーが味わえる甘美な1本」などという気になる単語が散りばめられていて気になってしまい……。たいていこの手のコメントは盛ってるだろうと思いつつも、タムデューは結構良い印象があるので一本買ってみた次第です。

さて結果はというと上記のような香味。桃が全開かというとそうではないですが、全体的にリッチなフルーツ感に品の良い紅茶感が加わり、さらに程よくクリーミー。バーボン樽の良い熟成を経た原酒で、値段的にも控えめだったためか満足度の高い味わいでした。

口開け直後では桃感はほとんどなかったですが、少し開いてきたのか、やや粘性のある口当たりと共に桃のフレーバーがほんの少しですが強くなってきたように感じます。今後にも期待できそうな一本ですね。

タムデューはスペイサイドの中でもマイナー感は否めない所ですが、以前飲んだバッチストレングスは結構良い印象でした。以前リリースされていた、熟成年数の割に安かった25年なども、良い麦感や素直な甘さ、ややクリーミーなフレーバーが印象的で、好みに合ったものでした。

このボトルは、自分と同じようにテイスティングコメントで惹かれた方が多かったのか、かなりのスピードで売り切れていたように思いますが、また同じような系統のカスクが出て来るのでは、と期待しておきます。

グレングラッサ 28年 1986-2014 ウイスキーライブ2014向け

蒸留所らしさはあまり感じられませんでした。

GlenGlassaugh 28yo 1986-2014 (OB for Whisky Live 2014, Sherry Butt, Cask#9, 43.9%)

香りはプルーン、トースト、アーモンド、煎りたてのゴマ、やや紹興酒のニュアンス。
味わいは強めのシェリー樽、レーズン、ローストナッツ、オイリーなボディ、やや出汁醤油っぽさもある、タンニンの収斂味、煮出した紅茶とナッツのオイリーさが残るフィニッシュ。

【Good/Very Good】

ビリー・ウォーカー氏がグレングラッサ蒸留所を手にしてから何度かリリースがあった、オフィシャルの長熟レンジ。グレングラッサ蒸留所は1986年から閉鎖されていましたが、2008年に蒸留を再開。その閉鎖前のラストヴィンテージとなる1986年の原酒が、Whisky Live 2014 のためにボトリングされました。

シェリー樽の要素が支配的で、香味ともにかなりオイリーなニュアンスが印象的です。グラッサらしさ、というと、草のような青々しい要素をイメージするのですが、このボトルについてはそのあたりが皆無で、ハウススタイルは感じられませんでした。樽のチャーの影響からか、ローストしたナッツやゴマのニュアンスが結構感じられるところが面白いウイスキーでした。

グレングラッサは、割と好みが分かれるというか、樽によって香味が一貫していないような印象があります。シングルカスクがかなりの数リリースされたため、ということもありますが、マンゴーなどのいわゆるトロピカルフルーツが感じられるものもあれば、草の要素が非常に強くて大草原の真っ只中、というようなボトルもあり、買う側としてはなんだか凄いバクチのような感じがしますね。ブレ幅が大きい分、突き抜けるときはとことん突き抜ける、ということなのでしょうか。

事前に試飲できれば良かったりもしますが、高額ボトルだとなかなかそういう機会が得られないことも多くて。難しいですね。