カテゴリー別アーカイブ: 【Good/Very Good】

スプリングバンク10年 オフィシャル 2017年新ラベル

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Springbank 10yo (OB, +/- 2018, 46%)

香りは透明感のあるハチミツ、マスカット、薄めのオレンジ、ユーカリ、奥に石灰とピート、微かにシロップ漬けの桃、みたらし醤油のニュアンス。

味わいは軽やか、バタースコッチ、ややクリーミィ、バニラ、ミドルからホワイトペッパー、ミントのようなハーブ感、軽い感じのピート、ミネラル感と柑橘に加えて微かな桃を感じるフィニッシュ。

【Good/Very Good】

2017年にラベルチェンジしたスプリングバンク。ラインナップは10,12,15,18年と従来と変わらなかったものの、ラベルがポップというか少々前から流行りのフラットデザインを取り入れたようなものに代わりました。「あんまり好きじゃない」「ダサい……」等のコメントがちらほら見受けられましたが、というか自分の所感ですが、まあそれはそれとして。実はその新ラベル10年がとても良い出来であるという話も良く聞こえてきていました。先日、友人と一緒に飲む機会があり、噂通り美味しかったところに近場で見つけたので1本買ってきてみました。

前振りが長くなりましたが、香味は若さもあるもののピート感しっかりで複雑性があり、フルーツのニュアンスも良く出ていて総じてバランスが良いまとまりに仕上がっています。46%という加水がちょうど良く作用しているのか、飲みやすさと飲みごたえが両立しているのも地味に良い。10年という熟成年数からはちょっと信じられないくらいの複雑さとバランスの良さです。スターター~中締めとしてちょうど良く、コスパの良さからオールマイティに使えるボトルと言えるでしょう。

ひと口飲んだときに感じたのは、キルケラン12年との親和性でした。ちょうど手元にあったため飲み比べてみると、フルーツのニュアンスやピート感、やや石灰っぽいミネラル感なども共通しているように思えます。このあたりは同じスプリングバンク(J&A ミッチェル社)が手がけているためかと思いますが、それにしても設備はまったくの別物なので、ここまで似てくるのも不思議は残ります。ヴァッティングの方向性が似ているのでしょうか。不思議ですね。

リリース当初は噂を聞きつけた愛好家がこぞって買ったためか手に入らない状態になっていましたが、最近はまた流通し始めているようです。一方で、生産量には限界があり日本市場は最近あまり重要視されていないためか輸入の割当量が少なく苦労されているような話もちらほら伺います。今後の傾向は分かりませんが、継続的に輸入されることを願いたいですね。

 

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ロッホサイド 23年 1981 ブラッカダー ロウカスク

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Lochside 23yo 1981-2004 (Blackadder “RAW CASK”,Bourbon Hogshead 55.4%)

香りは軽くケミカルさを伴うマンゴーやパッションフルーツがほんのり、パイナップル、焦げた藁、バタースコッチ、トフィー、インスタントコーヒー。

味わいはマンダリン、バタースコッチの甘さ、続いてマンゴーやパッションフルーツの南国フルーツ感が追いかける、同時に軽く風邪シロップの甘さ、奥にはインスタントコーヒーそのままの苦味と粒状感、甘さとピリピリとした刺激も加わるフィニッシュ。

【Good/Very Good】

ロッホサイドは1981が鉄板ですね。逆に言うと1981以外のリリースがあまり多くないのでそう感じているだけかもしれませんが。もしかしたら全体的に同じような味わいの系統なのかもしれませんが、同じくそれなりにまとまったリリースがあった1991などでは、南国フルーツ感はほとんど感じられないことが多いので、やはり1981は良いな、と思ってしまいます。

フルーツのフレーバーはどことなくトマーティン1976に近い感じもします。ややケミカルさが感じられるところとか。ややチャーしたオーク樽のフレーバーが強いのは、ブラッカダーらしく「樽の粉」が利いているためかもしれません(笑) もう残り少ないボトルでしたのでなおさらその傾向が強かったのかも。

ロッホサイド蒸留所は1992年に閉鎖されてしまったため、もう新しい原酒は無いわけで。最近まったくリリースを聞かなくなったところを考えると、いよいよストックもほぼゼロなのではないかと。もし何かの機会でリリースされることがあれば、注目の的になるのではないでしょうか。

キャパドニック 1992 Bond#1限定ボトル

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Caperdonich 1992 (Bond #1 special bottling for members, 55.9%)

香りは熟したリンゴ、溶かしたバターのオイリーさ、コンポート、熟しきったバナナ、カスタードケーキ、新しめの家具のポリッシュ。
味わいは強めのアタックからハチミツとリンゴ、バニラとカスタードのケーキ、ややオイリーでまったりとした甘さ、後半からアルコール感とポリッシュのニュアンスが口腔を覆う、リンゴの皮とバニラ感が力強く長く続くフィニッシュ。

【Good/Very Good】

Bond#1といえば、Dave Broom氏がディレクターを努めた会員制組織でそれなりに活動していたように思いましたが、1年ちょっとしか続かなかったという印象が残っています。改めて調べてみると、その短い活動期間の中でも、数本の軽井沢を始めとする各種ボトルが会員限定絵でリリースされており、それ以外にも会員限定のテイスティング企画が執り行われるなど、結構精力的な会だったのだなあ、と改めて感じました。自分は参加しておりませんでしたが。

そんなBond#1がリリースした1992キャパドニックは、およそ20年程度の中熟ということになりますが、若くもなく過熟すぎもしないまさにちょうど良い熟成感。リンゴのコンポートにバターで風味を付けたような、甘味と酸味を感じるちょっと独特の香味です。この辺の香味が90年代のキャパドニックとして自分が特徴的と思っている部分で、以前のテイスティングでいうとケイデンヘッドの1996キャパドニックがまさに同じ方向性の香味を持っていると感じていました。

70年代のキャパドニックなどはもちろん美味しいですが、90年代のものもしっかりと美味しいものがありますね。キャパドニック蒸留所そのものは2002年に閉鎖されてしまっているので、それ以降のリリースが無いのが残念ではありますが、90年代前半の原酒は結構リリースがあるので、お気に入りの方は今のうちに買っておくのが良いかもしれません。

そういえば2000年前後のキャパドニックってほとんど聞かないように思えるのですが……。もともとブレンデッド用という意図が強いイメージがあるので、そちらのブレンデッド原酒にまわされてしまったのかもしれません。ブローラやポートエレンのように、ここ最近のブームを受けて復活したりしませんかね。

 

バルヴェニー “ピートウィーク” 14年 2002ヴィンテージ

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Balvenie “Peat Week” 14yo 2002 Vintage (OB, American Oak Casks, 48.3%)

香りはハチミツ、酸味のあるベリー、スモモ、ショウガ、軽くベーコンのような燻製香、ややスモーキー、枯れ草のニュアンス。

味わいはとろりとした麦の甘み、薬用トローチ、ジンジャーハニー、ミドルからややオイリーで塩気を伴うベーコン、塩バター、枯れ草の灰、余韻にかけてしっとりとピーティさ、ホワイトペッパーとジンジャーを伴うフィニッシュ。

【Good/Very Good】

バルヴェニー蒸留所は伝統的な製法が特徴的で、現在もフロアモルティングを続けている数少ない蒸留所。2002年から1年に1週間だけヘビーピートを焚く期間があり、それを Peat Week としているそうです。ボトルの外箱には、各年のピート週間がいつだったのかを表す記載があります。今回のボトルは2002年に始めた Peat Week の初のリリースとなります。

香味は麦感主体で、ややクラシカルな雰囲気。フルーツ感は全体的に控えめながら奥に潜んでいるような、どこか奥ゆかしさを感じます。30ppmというヘビーピートという割にはピーティさはあまり強くなく、アイラ系の島モノのピートとも少し異なり、よく燻したベーコンのようなニュアンスも少し感じたのが面白いところでした。

という香味の感想を持ちながらリリース情報などを探してみたところ、どうやら使用しているピートがフェノール値の低いものらしく、アーシーさ、スモーキーさが強調されるとともに、島モノのような塩気や薬品様が抑えられているとのこと。なるほど納得です。ひと口にピートといってもいろいろな種類があることがよくわかりました。

 

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バルヴェニー蒸留所のフロアモルティング場。柱にはOpticの文字があり、大麦はオプティック種が使用されているようだった。

 

圧倒的なフルーツ感も高貴さも備わってはいないものの、かなり複雑で飲むたびに新しい発見があります。加水と思われる度数もちょうど良いバランスで、飲みごたえを保ちつつハードパンチャーにならないように気をつけているような印象を受けました。

暫くは毎年リリースがあるのでしょうか? 来年も楽しみですね。

キルケラン 12年 グレンガイル蒸留所

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諸事情でボトルが割れてしまったため、代用ボトルです……。

Kilkerran 12yo (OB, Glengyle Distillery, 2016, 46%)

香りはレモン、酸味が強めの柑橘、やや薄めの麦芽ジュース、ほんのりとヨーグルトやバター、ミネラル感、奥にひっそりとアーシーなニュアンス、ピート感だろうか、ボディ薄めで線が細いイメージ。

味わいは優しいタッチでふやかしたシリアルに少しハチミツ、洋ナシ、微かに桃のニュアンス、全体的に薄め、奥からじんわりとミネラル感とピートなのだろうか、じっとりとした苦味も感じる複雑さがあるフィニッシュ。

ロックではミネラル感、しっとりとしたピートが良く立ち上がる。レモンウォーターのような清涼飲料水のようなほろ甘さも。
結構良い変化。

【Good/Very Good】

昨年2016年にようやく Work in Progress ではないオフィシャルラインナップとしてリリースされました、グレンガイル蒸留所のキルケラン12年。スコッチ好きの方であればもはや説明不要かと思います。だいぶ今更感が漂っていますが、先日近場でボトルを見つけて何となく気づいたら買っていました。いやまあ、安かったですしね。

まだ若いニュアンスは残っているものの、刺々しさは特にありませんし、フルーツや麦の甘さとミネラルやピートのほろ苦さが良いバランスをとっていて、ゆるゆる飲むにはかなり適したボトルです。フルーツ感は控えめで、なんというか、日本の果物ではなくヨーロッパの(あまり甘くもなくちょっと味気ない)果物という感じ。個人的にはロックにしたときのエッジが立ってくるほろ苦さに好印象を受けました。

 

現地リリース直後の2016年5月にスプリングバンクとグレンガイルに寄っていたこともあって、蒸留所スタッフのちょっとした熱気がこもった説明や雰囲気を良く憶えています。スタッフにとって、このキルケラン12年はようやくこぎつけたリリースだったようで、苦労がたえなかったそうですがそれが報われた、ということでした。

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キルケラン蒸留所の Work in Progress シリーズが誇らしげに肩を並べていた

 

現地でも、そして日本に帰ってきてからも仲間内で飲んだりしていて、ただし自分はそこまで好みではないかな、という印象だったので特に食指が動かなかったのですが、改めて飲んでみると決して派手ではないですがしっかりした味わいで、やや古典的なスコッチの王道を行くような味。ロックもハイボールもこなせるオールラウンダーとして重宝しています。これは今後も楽しみですね。

一方で、継続してのリリースが無いのか輸入元が手配できていないのか、どこも売り切れ状態なのが気にかかります。次のリリース、15年熟成あたりを狙っているのでしょうか。あまり大きな生産量ではないようなので継続リリースが難しいのかもしれませんが、気長に待ちたいと思います。

 

メーカーズマーク プライベートセレクト 萌木の村 ポールラッシュ生誕120周年記念

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Maker’s Mark Private Select (OB, “Paul Rusch’s 120th Birthday”, 55.5%)

香りは典型的なバーボンらしさ、メロン、糖蜜、酸味のあるリンゴ、清涼感のある樹木の香り、焦がしたトーストにハチミツがけ、メンソール様の爽やかさ。

味わいはとろりと甘い、青リンゴ、杉のようなやや刺激的な樹木感、徐々にピリピリとブラックペッパー、少しミント系のハーブ感、鼻抜けに焦げた木材、カラメル、青いハーブ感とブラックペッパーが続くフィニッシュ

【Good/Very Good】

清里は萌木の里のオリジナルボトル。同地の発展に貢献したポール・ラッシュ氏の生誕120周年を記念したボトルです。こちらはくりりんさんとバーボンを小瓶で交換する機会があり、その折に頂いたものです。くりりんさん、ありがとうございます。

詳細についてはくりりんさんの記事がとても詳しいため、そちらをご参照下さい。

香り味ともに典型的なバーボン、といっても差し支えないと思いますが、総じて高いレベルのバーボンです。アタックはさすがにハイプルーフらしく強めではあるものの、ややトロっとした口当たりがそれを緩和し、ボディも軽めでさらっと流れてくれます。度数からマッチョなラガーマンをイメージしましたが、なるほど、そこは牧師様の記念ボトル、温和で整ったところを感じさせてくれます。

リンゴ感や独特の胡椒のようなピリピリとしたところが際立っている感じ。このバーボンは単体でストレートでも良いですが、肉料理なんかとも相性が良さそうです。そういえば以前、フォアローゼスの試飲会では果実のリンゴと合わせて飲むととても良くマッチしたのを思い出しました。おそらくは新樽によるバーボン独特の香味が、リンゴなどと相性が良いのかな、などと考えています。

カリラ 18年 1997-2016 ウイスキーファインド 山海經シリーズ “精衛填海”

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Caol Ila 18yo 1997-2016 (WhiskyFind, “山海經/精衛填海”, Sherry Butt Cask#2, 40%)

香りは白い海岸を思わせる塩とヨード、爽やかなヨーグルト感、バニラ、レモンの皮、ビターオレンジ、とてもバランスが良い。

味わいは柔らかめのタッチで、塩たらこ、素朴な麦感、控えめなオレンジなどの柑橘系フルーツ、ミドルからミネラル感、再び塩気とバターが現れ、ピート感と合わさっていくフィニッシュ。

【Good/Very Good】

台湾の新興ボトラーズ、ウイスキーファインドが詰めたカリラ18年。

90年代後半のカリラ、というかいつの時代でもカリラは安定した品質を提供してくれますが、こちらもとても良いカリラでしたあ。派手さはなく、落ち着いているけれどもアイラモルトの良いところを凝縮したような味わいで、バランスも良く飲みやすいボトルでした。

加水ではない度数落ちの40%ということなのですが、さすがに18年でそこまで落ちるのかはちょっと不思議な気もしますが……。ちなみにシェリーバットなのですが、あまりシェリー樽のニュアンスが取れませんでした。この日はマッカランやストラスアイラなど良質のシェリーカスクものが多かったためか、軽めのシェリーのニュアンスが拾えなかったようにも思えます。