カテゴリー別アーカイブ: 【Very Good】

山崎蒸留所 1991-2008 オーナーズカスク 1S70430

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Yamazaki 1991-2008 (OB “The Owner’s Cask”, Cask# 1S70430 Sherry Butt)

香りは強めのレーズン、カカオ、ビターチョコレート、少し酸味のあるプラム、ローストコーヒー、枯木のニュアンス。

味わいはザラザラとしたタッチで強めのチョコレート、マンダリンのような酸味のあるコーヒー、ドライプルーン、鼻抜けはスパイス感が強くクローブ、スターアニスの甘い香り、カカオの苦味と濃厚なチョコレート、レーズンのヒントが残るフィニッシュ。

【Very Good】

山崎オーナーズカスクのシリーズから、こちらはビックカメラで売られていたものだそうです。シェリーカスクの山崎は、近年様々な賞を取ったことで有名になりましたが、このボトルも同様の味わいで濃厚なシェリーカスク由来の香味がふんだんに漂うボトル。

強めの樽感なのに不思議とギスギスした嫌味は少ない。特に鉛筆の芯やクレヨン、出汁醤油といったオフフレーバーに振れることも少なく、サントリーのカスク・マネジメントのレベルの高さを感じます。

 

樽を買う。モルトラヴァーにとってはまさにひとつの夢ではないでしょうか。山崎オーナーズカスクは2004年に始まり、様々な原酒の樽を一般向けにリリースした、国内では画期的なものでした。ちなみに当時のプレスリリースには「世界でも初」となっていますが、スプリングバンク蒸留所などはその前から普通に樽を売っていたようですし、初ではないと思いますが……。

それはさておき、2010年には残念ながら終了。その間に100を超える樽が一般の個人や団体に流れ、様々にリリースされていました。流石に気合が入っていたためか、どれも品質はかなりのもの。シェリーカスクだけでなくバーボンカスクも良質のものが多いようです。

今となっては羨ましいですよね。安いものでは50万円ほどからあったそうですから、頑張れば買えないこともなかったわけで。一方で、今では新興のクラフトディスティラリーで樽買いのチャンスがあります。カスク・オーナーの夢はそちらで実現するのも良いのではないでしょうか。

 

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ベンリアック 35年 1976-2012 酒のキンコー向け2ndボトル

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BenRiach 35yo 1976 (OB for KINKO 2nd Release, Cask#3035, 43.8%)

香りは青葉、やや強めに草、奥からパイナップル、缶詰のミックスフルーツ、桃、シロップ、ヒノキのような木のニュアンス。

味わいは青い植物感から始まる、徐々にシロップづけのパイナップル、チェリー、桃など、ミドルから強くはないがしっかりと主張する樽の味、シロップの甘さとフルーツ感が残るフィニッシュ。

【Very Good】

九州のキンコーさん向けのベンリアック1976、セカンドボトルです。当時のアナウンス記事がまだ残っていますので、改めてそちらを参考にしてみると「最もピーチフレーバーだった樽」ということでした。

自分はそこまで桃という感じはとれなくて、どちらかというとパイナップルっぽさと、ミックスフルーツ缶のシロップのような、どこか人工的な要素もある甘さだな、という印象でした。上記サイトにもある「シンプルで澄んだ桃のフレーバー」というのはなかなか言い得て妙で、シロップのような澄んだイメージなら納得でした。

長熟の度数落ちで43%まで下がっているためか、飲んだときに強さは感じられないものの、ミドルには樽のニュアンスが結構強く出てきていることが感じられました。流石に35年という熟成期間は樽の影響がかなり出ますね。一方で、それでも比較的プレーンなニュアンスで、超熟に耐えられる良い樽だったのでしょう。

キンコーさんのチョイスが光る、良いボトルでした。自分も買っておきたかったですね……。

良いボトルを飲ませて頂きまして感謝です!

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グレンファークラス 32年 1968 オフィシャル加水ボトル

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GlenFarclas 32yo 1968 (OB, Bottled in 2000, 43%)

香りは昔のシェリー様、レーズン、古木、アンティーク家具、少し腐葉土、残り香にカスタードクリーム。

味わいは優しく染み込む、レーズン、酸味のきつくないプラム、少し野暮ったさを感じるアーシーさ、チョコレート、ローストしたくるみ、じんわりと温かく染み込むようなタンニンが心地よく広がる。

【Very Good】

グレンファークラスのオフィシャルボトル。2000年にボトリングされたこちらのボトルは1957年、1974年がいずれも加水43%でリリースされています。ファミリーカスクはカスクストレングスですので、それとは対極になりますね。ボトリング数が1200本程度なので複数樽ヴァッティングでしょうが、加水ということもあってひっかかりの少なさが好印象です。こういうのが疲れなくて良いんですよね。

簡易ブラインドで出された結果が上のテイスティングノートなのですが、第一印象からして往年の良いシェリーカスク。かなり良い素性、というところ。加水なのは明らかで、少し野暮ったいアーシーさがマッカランなどとは異なりました。出題者がヒントで1968というワードを出した瞬間に、飲んだことは無かったんですがボトル指定でこちらは浮かびました。ファークラスらしいといえばらしい味わいでしたね。

グレンファークラスはオフィシャルからヴィンテージ入りのボトルが多数出ていることもあり、幅広いラインナップが用意されていますが、概ね似た傾向の味わいになっているところは流石といったところです。おそらくは樽の管理が安定していることに加えて、それを選ぶ人も味わいがぶれていないためでしょう。ファミリーカスクなどはしっかりと美味しい樽を選んでいるのだろうなと思います。もちろんそこまで良くない樽もあるでしょうから、その辺は何か他のものに使うのでしょう。

多数の在庫と管理手法による安定さ。直近では年末年始の1989,1991,2005などのヴィンテージはどれも評価が高めで話題になりましたし、今後もうまく機能させていって美味しいボトルをリリースしていってほしいですね。

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オールド・プルトニー 1997-2015 ロイヤルマイル・ウイスキー向け

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Old Pulteney 1997-2015 (OB for Royal Mile Whiskies, Cask#774, 55,7%)

香りは豊かな麦の甘み、ハチミツ、塩気の強い焼き立てフォカッチャ、ローストしたナッツ、奥から洋ナシ、桃のニュアンス。

味わいは思いの外優しいタッチから突然パワフルに広がるハチミツ、ネクタリン、樽由来の樹の渋みが程良い、プラムジャム、鼻抜けは心地良い木香がさらっていく、塩気と水飴のような甘さが後を引くフィニッシュ。

加水すると香りはロースト香が立ちややオイリーさが増す、味わいはアタックの甘さとミドルの果実ジャム様が引き立つ。スムーズに伸びる少量加水が好印象。

【Very Good】

エディンバラにあるロイヤルマイル・ウイスキーがボトリングした、オールド・プルトニーのシングルカスク。18年ほどの中熟ボトルです。

オールド・プルトニーは自分の大好きな蒸留所で、これまで何度か蒸留所限定のヴァリンチテイスティングしていますが、各所で云われている通りこのボトルも似た方向性の味わいです。オフィシャルの良質な90年代シングルカスク、その中でもこれは珠玉の出来でしょう。

厚みのある麦芽由来と思しき甘さ、少し酸味のあるジャムのようなフルーツ感、そして強めの塩気。加水した際にローストしたような、あるいはチャーした樽のような香りがしたのですが、これはバーボン樽をチャーして使用している影響でしょうか。「バーボン樽らしい」バニラのニュアンスも勿論あり、バーボン樽のモルトとしてひとつの理想的な味わいを体現しているとも言えると思います。自分がプルトニーに求める味も然りなので、まさにドンピシャといったところです。

このボトル、評判が良かったようなのでロイヤルマイルから引っ張ろうと思いつつも迷っていたら、いつの間にか売り切れてしまっていたという。プルトニーラヴァーとしては完全な過ちでした。先月、持ち寄り会の場で少量頂きテイスティングすることができました。本当にありがとうございます。

ところで、プルトニーはこのようなバーボン樽のモルトに良い出来のものが多く、またオフィシャルボトルのラインナップ的にもバーボン樽がメインのように見受けられます。一方で、蒸留所としてはシェリー樽は勿論、ワイン樽やビール樽などもあるとのことで、いろいろな実験を行っているようですね。どの程度の比率で原酒を仕込んでいるのかは定かではありませんが、一般的にはプルトニーの求める味わいはバーボン樽がメインなのだろうと思います。

シングルカスクにはこだわらず、複数ヴァッティングでもかまわないので今後も美味しいプルトニーが飲めることを期待したいと思います。

ダルユーイン 35年 1976 信濃屋 禽獣図会

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Dailuaine 35yo 1976 (Shinanoya “禽獣図会 – 獅子”, Bourbon Hogshead, Cask#5966, 56%)

香りは甘酸っぱい、アプリコット、タンジェリン、ワクシー、蜜蝋、少し青リンゴ、微かに溶剤のニュアンス。

味わいはやや強めの刺激でドライ、オーキーな樽感、ハッカ、ミドルからアプリコット、ドライアップル、スポンジケーキの甘さ、徐々にホワイトペッパー、奥にカレー粉のようなスパイシーなニュアンス、フィッシュはシナモンとアプリコットが心地よく続く。

【Very Good】

信濃屋さんが5年ほど前にリリースした、歌川国芳の「禽獣図会」シリーズからダルユーイン35年。今考えるととても贅沢なスペックですね……。ラベルの華やかさもさることながら、中身も相当に良いものでした。

70年代の長熟ダルユーインは、シングルカスクで出て来るものはどれもフルーティさとコクが強くあって飲みごたえがある印象です。このボトルは少し樽の影響も大きいようで、特にアタックはドライで樽感を感じました。その後は不思議と複雑なスパイス感があり、これはあまり感じたことがなかった要素でおもしろいニュアンスでした。

アイリッシュ シングルモルト 24年 1991 TWA

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Irish Single Malt Whiskey 24yo 1991 (The Whisky Agency “The Perfect Dram” , Bourbon Barrel, 49.5%)

香りは完熟のパパイヤ、パッションフルーツ、ただれた柑橘系、青リンゴ、奥に煮出した穀物のニュアンス。

味わいは穏やかな立ち上がりで、やや青いパパイヤや青リンゴなどのフルーツ感、少しグラッシーなニュアンスがあり、ミドルからパッションフルーツ、ドライマンゴー、じんわりと広がる薄めの紅茶、少し青い感触が残るフィニッシュ。

【Very Good】

TWAのパーフェクト・ドラムからアイリッシュ・シングルモルトです。中身はどこの蒸留所なのでしょうね。詳細は不明ですが、アイリッシュ・シングルモルトに求めるトロピカルフルーツ感がしっかりとあり、やや作為的に感じつつも、やはり素直に美味しいと思えるボトルでした。

TWAのアイリッシュというと、ミュシャの絵柄のボトルは日本でもかなりの人気で瞬殺となりましたが、このボトルは海外で同様に瞬殺だったようです。日本にはほとんど入ってきていないようで、見たことがありませんでした。

アイリッシュ・ウイスキーのこのトロピカル感がどこから来るものなのか、マッシュかそれとも酵母の違いなのか、いろいろと謎は多いですが、多くが1988~1991のヴィンテージに集中していることも気になります。それ以降のヴィンテージでも同様のフレーバーが出てくるものなのか、もっと短熟or長熟の場合はどうなのか、などなど、興味は尽きません。

ローズバンク 25年 1981 オフィシャル スペシャルリリース 2007

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Rosebank 25yo 1981 (OB Special Release 2007, 61.4%)

香りはグラノーラ、ハチミツ、青リンゴ、レモンピール、ポリッシュした家具のニュアンス、やや上品、少し焦げた麦とグラッシーなニュアンス。

味わいは少し強めのアタックで濃厚なハチミツ、バタースコッチ、ローストしたカシューナッツ、鼻抜けに青リンゴにやや井草のニュアンス、もったりと濃いめのハチミツに青りんごのニュアンスが残るフィニッシュ。

【Very Good】

オフィシャルのローズバンク25年。既に10年前となりましたが、2007年のスペシャリリリースのボトルです。

前述のシルバーシールのローズバンクと比較すると、やや青草や青リンゴなどが強めに感じられましたが、やはり同系統の味わいで麦由来のコクのある甘みがとても印象的でした。少しスパイシーなところもこちらの方が強めで、全体的に少し線が細い印象でしたね。とはいえ、十分なボディは持っており、どちらかというとシルバーシールが異色の太さだったという気がしています。

ローズバンクの長熟レンジを飲み比べさせて頂けるとはとても貴重な経験でした。感謝です!