カテゴリー別アーカイブ: ブラインドテイスティング

[ブラインド] ロングモーン 1973-2015 G&M

つづいてもうひとつのブラインド出題を。

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【ブラインドB】

香りはレーズン、いちじく、かすかに乾いたピート、ヨード感はあまりない、オレンジオイル、湿った布、微かにナッツのような香ばしさがある。

味わいは染み込むような麦感とオレンジマーマレード、サルタナレーズン、ミドルから徐々にパワフルさが出てきて、ナフタレンやナッツのようなオイリー感が少し、後半に軽めのピートと煙が締めてくる、じわりと刺激が残るオレンジと煙の混在したフィニッシュ。

【Good/Very Good】

オレンジ感と後半の落ちついたスモーキーさが印象的。シェリー樽のニュアンスがあるもののそこまで強くはなく、バーボン樽6割+シェリー樽4割くらいのヴァッティングだろうか。シェリー樽のニュアンスが近年系とは少し異なる気がする。往年の素晴らしいシェリー樽に近い方向だが、なにか少しニュアンスが違うような。なんだろうこれ。

味は、感動的とはいかないまでも、落ち着いていて親しみやすい。優しいアタックで良質のシェリー感と下支えするピート感の複雑さが好印象。リラックスした雰囲気でゆるゆると飲みつづけていたいタイプ。

こなれた感じはオフィシャルのややオールド寄りか。アイラではない軽めのピート系という方向性で絞り込んでみた。

蒸留年:1980年代前半
熟成年数:18年程度
度数:46~48%
樽:バーボン樽とシェリー樽のヴァッティング
蒸留所:①ハイランドパーク ②スプリングバンク ③グレンギリー

という回答に対して正解はこちら。

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ロングモーン Longmorn 1973-2015 G&M 43%

G&Mのロングモーン、1970年代前半のボトルでした。

こちらも盛大に外していますね。当たっている部分が見当たらない……。

出題者のGさんいわく、「少しサルファーが出ていてあんまり期待した味わいではなかった」ということですが、確かにちょっとシェリー樽の味わいが微妙な感じです。いわゆる「G&Mらしいシェリー樽」の味わいとは一致しないんですね。なので、自分も1970年代ではなくもう少し後かな、という回答になったのでした。

2012年くらいまでは、このラベルと似た感じでG&Mからたくさんのロングモーンが出ていたのですが、どれも評価はかなり高かったと思いました。当時はこれが普通、くらいの意見が多かったのかもしれませんが、今となっては……というのが最近のお約束。

さて、ブラインドAの回答もそうなのですが、熟成年数が全然答えられていないですね。なんか最近、熟成感というのがよくわからなくなってきました。アルコール感と若さでなんとか答えを出してしまっている感じで、一定以上の熟成となると全然認識できていない感じ。どの部分を熟成ととらえるのかをちゃんとチェックしないとダメですね。

 

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[ブラインド] グレンオード 30年 オフィシャルボトル

久々にブラインドのチャレンジを頂いたので、やってみました。

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【ブラインドA】

香りは熟したリンゴ、ピーナッツ、洋ナシ、こなれた麦感とハチミツ様、濡れた布のニュアンス、少しセメダイン。

味わいは強いアルコールの刺激的なアタック、洋ナシ、青みがかった瓜のニュアンス、ガムシロップ、甘じょっぱいキャラメル、白ぶどう、突き刺さるようなアルコール感にヒリつくフィニッシュ。

加水するとやや若いアルコール感とシナモン様が目立つ。味わいは少しチョコレート様が混じるが、基本的にドライな樽感が浮ついている。

【Okay】

やや若さも感じる、樽の味付けがあまりないプレーンな酒。もしかしたらリフィルのシェリーということもあるかもしれないが、3rd Fill以降だと思われる。若さ由来の香味と、樽感もやや生木っぽさがありうまくまとまっていない感覚。

10年前後と思いたいが、最近のリリースでは15年前後でもこのような香味になることがあるため悩ましい。甘じょっぱい味わいからは北ハイランド系を意識する。あまり多層的でない直線的な味わいはシングルカスクと推測。ボトラーズものだろうか。

蒸留年:2000年代後半
熟成年数:10年程度
度数:55%前後
樽:バーボン樽
蒸留所:①クライヌリッシュ ②プルトニー ③バルブレア
という回答に対して正解はこちら。

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グレンオード Glen Ord 30年 オフィシャルボトル 58.7%

回答頂いて、自分でも驚きましたよ、えぇ(苦笑)

とりあえずスペック的なお話をすると、グレンオード30年は2005年頃に出まわっていたボトルで、逆算すると1975年前後の蒸留の原酒ということになります。今回のブラインドの回答では、度数と地方については概ね当たっていて、特に回答では③にバルブレアと書く前にオードと書いていたのでちょっと残念な。まあそれ以前に熟成年数が全く当たっていないわけですが。

なんでしょうね、酸味のある香味とハイプルーフなアタックで完全にイメージが引っ張られた感があります。10年くらいのハイプルーフなシングルカスクのオードなんて、最近リリースあったかな? と思って、比較的リリースが多かったバルブレアを入れたのでした。

それにしても、ちょっとこれはショッキングというか……。なんかいろいろと申し訳ないのですが、自分の飾らない評価は上記の通りということですね(笑)

ここ最近、「往年の麦感があるモルト」(漠然としてますが)が味わえないかと考えていて、そのイメージの最初に挙がったのがこのオードでした。あとは、カーデュとかノッカンドゥあたりがイメージ先行ですが候補に挙がっていました。

そこにちょうどこのオードがやってきて、ブラインドで飲んでみるとなんだか自分には合わない味わいという結果に。結論として、昔のモルトが(自分にとっては)常に美味しいとは限らない、ということを見せつけてくれたわけでした。

現行品でも良いボトルあるのでそっちを探せ、ってことですかね……。

とにもかくにも、良い経験になりました。
Gさん、感謝です!

トマーティン 19年 1977-1997 ソサエティ 11.9

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Tomatin 19yo 1977-1997 (SMWS, Cask No. 11.9, 54.4%)

香りはカスタードクリーム、キャラメル、やや紙っぽいニュアンス、ヒノキかクスノキのような木香、少しメロンのようなフルーツ感があるが控えめ。

味わいは薄めのヘザーハニー、とかしたキャラメル、緑の草、青みのあるイチゴ、樹木のエグミのニュアンス、鼻抜けはケミカルなフルーツ感、風邪薬のシロップ、もっさりとしたリンゴのフレーバーとケミカル感が残るフィニッシュ。

【Good/Very Good】

ソサエティの11番はトマーティン。かなり昔のボトリングで、ソサエティのラベルもかなり古びた印象がありますね。ボトリング後20年が経過していますが、オールド香のようなものは特に感じませんでした。

 

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ボトルに書かれた一言コメントを見ると、なんと “Peaches, peaches…and more peaches”。ピーチ! ピーチ! ピーチ!! なんていうコメントが近年でもどこかで書かれていた記憶がありますが、20年前にも同じコメントがあったとは……(笑) 面白いですね。

しかしこのボトルからはあまり桃のニュアンスは取れませんでした。どちらかというとアタックに顕著な植物感の印象が強く、ミドルからのフルーツ感は植物感と混じってやや青いイチゴのようなニュアンスではないかと。人口甘味料的な、どことなく作為的な甘さは1976トマーティンにも通じるところがあると感じたものの、この1つ前に飲んだキンコー向け1976ベンリアック2ndに比べると、さらに桃やフルーツ感は薄めでした。

このあたりは、もしかしたらボトリング後の経年で飛んでしまったのかもしれません。もし本当に桃感満載ということであれば、昔からトマーティンにはその手のフレーバーが備わっていたということでしょうし、76ヴィンテージだけではないのでしょう。90年台トマーティンにも桃感がよく出ているものもあるということで、今後も76に匹敵するボトルが出てくるかもしれません。楽しみですね。

 

 

スペイモルト フロム マッカラン 1968-2009

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SPEYMALT from Macallan 1968 (G&M, Bottled in 2009, 43%)

香りはオレンジ、パイナップル、レーズンなど多彩なフルーツ感、クローブ、ナッツ、素朴なビスケット、ココアパウダー、アーモンドチョコのニュアンス。

味わいは酸味が強めのレモン、グレープフルーツなどの柑橘類、カスタードクリーム、レモンケーキ、ミドルからオークらしい収斂味、鼻抜けにクローブとカルダモンなどのスパイス、柑橘の酸味と木の皮のニュアンスが残るフィニッシュ。

【Good/Very Good】

GMがリリースするマッカラン。その1968ヴィンテージという、ちょっと経験が無い世界でしたが、飲んだ第一印象は「随分と酸味があるな」というものでした。

マッカランといえばやはりシェリーカスクで、しかもこのあたりの年代であれば心地よいレーズンやチョコレートのようなシェリーカスクの味わいを想像したのですが、実際には上記の通り。先入観で「こんな味がするはずだ」という思い込みを、良い意味で裏切られました。

G&Mのこのボトルもシングルカスクではないと思われますが、味わい的にはシェリーカスクではなくバーボンカスク主体のヴァッティングでしょうか。シェリーカスクにこだわるマッカランではありますが、バーボンカスクを使っていないわけではありませんし、そのなかでもかなりの量がG&Mにはあったということでしょう。

継続的にリリースされているスペイモルト・フロム・マッカランですが、味わいに統一性はあるのでしょうか。あまり飲んだことのないシリーズなので、ちょっと気になってきました。マッカランとしてではなく、先入観無く飲めばいろいろと発見があるのかもしれません。

山崎蒸留所 1991-2008 オーナーズカスク 1S70430

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Yamazaki 1991-2008 (OB “The Owner’s Cask”, Cask# 1S70430 Sherry Butt)

香りは強めのレーズン、カカオ、ビターチョコレート、少し酸味のあるプラム、ローストコーヒー、枯木のニュアンス。

味わいはザラザラとしたタッチで強めのチョコレート、マンダリンのような酸味のあるコーヒー、ドライプルーン、鼻抜けはスパイス感が強くクローブ、スターアニスの甘い香り、カカオの苦味と濃厚なチョコレート、レーズンのヒントが残るフィニッシュ。

【Very Good】

山崎オーナーズカスクのシリーズから、こちらはビックカメラで売られていたものだそうです。シェリーカスクの山崎は、近年様々な賞を取ったことで有名になりましたが、このボトルも同様の味わいで濃厚なシェリーカスク由来の香味がふんだんに漂うボトル。

強めの樽感なのに不思議とギスギスした嫌味は少ない。特に鉛筆の芯やクレヨン、出汁醤油といったオフフレーバーに振れることも少なく、サントリーのカスク・マネジメントのレベルの高さを感じます。

 

樽を買う。モルトラヴァーにとってはまさにひとつの夢ではないでしょうか。山崎オーナーズカスクは2004年に始まり、様々な原酒の樽を一般向けにリリースした、国内では画期的なものでした。ちなみに当時のプレスリリースには「世界でも初」となっていますが、スプリングバンク蒸留所などはその前から普通に樽を売っていたようですし、初ではないと思いますが……。

それはさておき、2010年には残念ながら終了。その間に100を超える樽が一般の個人や団体に流れ、様々にリリースされていました。流石に気合が入っていたためか、どれも品質はかなりのもの。シェリーカスクだけでなくバーボンカスクも良質のものが多いようです。

今となっては羨ましいですよね。安いものでは50万円ほどからあったそうですから、頑張れば買えないこともなかったわけで。一方で、今では新興のクラフトディスティラリーで樽買いのチャンスがあります。カスク・オーナーの夢はそちらで実現するのも良いのではないでしょうか。

 

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ブローラ 30年 オフィシャルボトル 3rdリリース

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Brora 30yo (OB, bottled in 2004, 3rd Release, 56.6%)

香りは過熟気味の柑橘、パイナップル、マンゴーなどのトロピカル感、じっとりとしたピートにヨード、下支えするどっしりとした穀物の甘さ、まとまりがあり素晴らしい。

味わいはやや弱めのアタックから香り同様のフルーツ感、穏やかだがじんわりと主張するピートやヨード、ショートブレッドの甘さ、少し塩パンのようなニュアンス、じっくりと染み込むトロピカルフルーツとピート感がまとまりよく続いていくフィニッシュ。

【Very Good/Excellent】

2004年にリリースされた、オフィシャルのブローラ30年。この系統のオフィシャルボトルでは3番目のリリースとなるボトルでした。

こちらも簡易ブラインドで提示され、第一印象はボウモア30年シードラゴン。過熟気味のフルーツにやや落ち着いた感じのじくじくしたピートを取った結果のイメージでした。結果は上記の通りブローラ。盛大に外しましたが、アイラと北ハイランドで結構似たイメージが出て来るのも我ながら不思議だなあと思いました。

 

トロピカルというよりも過熟気味のフルーツ感の方が強く、爛れたニュアンスはある意味硫黄成分を含んだフルーツフレーバーもにも通じる要素があるのかもしれません。ピートのいぶしたようなニュアンスもあってボウモアと混同しました。

島モノらしさのあるピートのボウモアと、あまりそのようなイメージのないブローラですが、フルーツ感は結構似ているようにも思えました。ボトル公開後は「なるほど確かに」と思うのですが、ブラインド時にどう感じたかを思い返すと面白いですね。

 

ブローラのこのシリーズのオフィシャル、今回のボトルは2004年ボトリングでしたが、自分が飲み始めた2008年頃でも一部の酒屋ではこの3rdや4thが残っていた記憶がありあす。値段は3万円超えるほどでしたでしょうか、当時はその値段でもかなり高額な部類に入ったため、皆さんそこまで食指が動かなかったのかもしれません。2013年頃でも8thや9thが残っていて、それも4万円ほどでしたので、またまた同じような傾向ではありましたが、やはりいつしか売り切れてしまっていました。

この個性的な味わいは、近年ではあまり見られなくなってしまいました。もっとクリーンでクセのない方が一般的には受けるのでしょうか。この個性的な味は残して欲しかったですが、残念ですね。

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ブルイックラディ 27年 The Stillman’s Drum

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Bruichladdich 27yo (OB “The Stillman’s Drum”, 45%)

香りはアプリコット、カスタード、アーモンド、少しバニラ、少し火薬のニュアンス。

味わいは素直な麦の甘さ、バタースコッチ、ミドルから少し紹興酒、野暮ったい青草様、薄めたブドウ果汁、落ち着いてじんわりと残るフィニッシュ。

【Good/Very Good】

もうかなり昔にリリースされた Stillman’s Drum シリーズからブルイックラディです。

高貴さや陶酔感は薄いですが、昔らしいシェリーカスク感があり、度数が45%ということもあってだらだらと飽きずに飲めそうなところが好印象でした。

口開け直後ということだったので、まだ開いていないのでしょう。ややフルーツ感に乏しい印象でしたが、今後開いてくればレーズンなどのフルーツ感が乗ってくるかもしれないという期待が持てそうなボトルでした。

このシリーズは以前にタリバーディンを記事にしていますが、麦の旨味がしっかりと乗っていて、どこか古風な味わいが特徴的です。最近の華やかな感じはありませんが、噛みしめるほどに旨みが増すような、しみじみと愉しむのに向いている感じ。度数が高くないのも寄与していますね。

やや没個性的なところが逆に近づきやすい、寄り添うようにあっていつでも心おきなく愉しめる、そんな位置づけ、良いと思います。

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