カテゴリー別アーカイブ: 持ち寄り会

カリラ 1991 23年 ケイデンヘッド スモールバッチシリーズ

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Caol Ila 23yo 1991-2016 (Cadenhead “Small Batch”, Bourbon Hogshead, 53.3%)

香りはオレンジ、少しパイナップルのニュアンスもある、シリアル、濡れたシダのような植物感、粘土質なアーシーさとヨード。

味わいはややパワフルにオレンジマーマレード、ハチミツがけのシリアル、やや薄めの紅茶、ミドルから落ち着いたピート、ホワイトペッパーのピリピリしたニュアンスがハチミツ感と共に続くフィニッシュ。

【Good/Very Good】

ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズから、こちらはカリラ23年。

前出の32年と同様に、やはり安定したカリラです。色合いからこちらの方がやや赤みがかっていて、そのためかオレンジなどの柑橘や麦の甘さなどがハッキリとしていて華やかな印象でした。32年で魚介系の出汁の旨味を強めに感じた部分はこちらにはそこまで出ていないなど、どちらもそれぞれの特徴があり、同じカリラでも違いを愉しむことができました。

この他にも黒ケイデンの10年という短熟カリラも同時に頂きました。10年にしては未熟感は無く、一方でヤングアイラらしいパワフルさ、若さとピートの良い相性がバッチリ愉しめる一本でした。

ケイデンヘッドは安定して良い樽をリリースしてきますね。黒ケイデンという呼称もすっかり定着して、ケイデンヘッドの豊富なストックと選別眼の確からしさが伺えます。まだまだ様々なリリースがあることと思いますので(70年代もまだ結構あるそうで)往年の味わいを期待する人も満足できるリリースがあるのではないでしょうか。

良いカリラの垂直テイスティングでした。ありがとうございました!

カリラ 1984 32年 ケイデンヘッド スモールバッチシリーズ

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Caol Ila 32yo 1984-2016 (Cadenhead “Small Batch”, Bourbon Hogshead, 49.5%)

香りは青いリンゴ、青い麦の穂、少し紙のニュアンス、レモン、しっかりとヨード、粘土のニュアンス、コクのある魚介系フレーバー。

味わいは柔らかいアタックで白パン、プーアル茶、ミドルからホワイトペッパー、旨味の強い魚介出汁、ほのかにレモングラス、フィニッシュにかけて茶葉とオレンジオイル、らしい粘土質のピーティさが後をひく。

【Good/Very Good】

ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズから、カリラ32年。

カリラらしい安定したアイラ・モルトです。強すぎずしっかりと効いたピートに、魚介系の出汁とレモングラスのニュアンスがあいまって、ややアジアンテイストな印象を受けました。モルトで感じやすいお茶のニュアンスも、普通は紅茶を良く感じることが多いですがここではプーアル茶のようにやや異なる印象。

とても多彩でそれぞれが良くまとまっていて、開けたてからでも美味しいカリラでした。まだ開栓後時間が経っていないということで、今後の開き方にも期待できそうですね。

こちらは持ち寄り会にてテイスティングさせて頂きました。ありがとうございます。

 

グレンギリー 22年 1993-2016 スコッチモルト販売

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GlenGarioch 22yo 1993-2016 (Scotch Malt Sales “Distillery Collection”, 56.2%) 

香りは透明感のあるハチミツ、ヘザー、ミドルから瓜のようなメロンのような、少し青みがかったニュアンス、絞ったオレンジ果汁、後半に香木のようなウッドスパイス、残り香は焼き栗のニュアンス。

味わいはオレンジ、少し焦げたトースト、梅ジャム、清涼感のあるメンソール感、少し溶剤、細かく挽いた黒胡椒、香り同様の香木感が長く残るフィニッシュ。

【Good/Very Good】

スコッチモルト販売がリリースしている Distillery Collection の1993年蒸留のグレンギリー22年。

安定した美味しさで、特別なクセもなく良いバーボンカスクのお手本のような味わいでした。ハイプルーフなためやや飲み疲れする側面もありますが、加水するとハチミツの甘さとフィニッシュの香木感がしっかりと伸びてくれてNiceでした。

 

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このシリーズはやはりラベルが良い。調べてみると、このシリーズは既に10年になるとか。現在のラベルは佐藤英行氏によるもので、スコットランドの様々な風景が閉じ込められたこれらのラベルはシリーズで並べたら本当に良いコレクションになりそうですね。「ラベル酔い」というのも、それはそれでボトルの持つ魅力のひとつだと思います。

 

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グレンギリーは数年前にオフィシャルボトルのラベルチェンジがあり、最近のボトルは文字とロゴだけのものになってしまいましたが、旧ボトルでは同じように鹿が描かれていました。またこれ以前のボトルでも何回かシンボルとして同様に鹿が描かれています。タータンチェックの柄とも相まって、自分がウイスキーを飲み始めた頃に「最もスコッチらしい」雰囲気を出していたボトルでした。そんなわけで、こうして飲み終わった後も外箱だけいまだに残してあるわけです。

今のボトルも、外箱にはタータンチェックが描かれていますし、嫌いではないのですけどね。中身はむしろ最近のものの方が安定して美味しいと思います。この時期のグレンギリーは、ちょっとパフュームが出ていたりしますので……。

 

ラフロイグ 17年 1997-2016 オーストリアボトラー向け

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Laphroaig 18yo 1997-2016 (bottled for Austria, Cask#28, 51.6%)

香りはグレープフルーツ、少しグァバやパイナップルのニュアンス、カルダモン、後半にかけて火薬のような香りが良い、残り香には獣や牡蠣のオイル漬け。

味わいはグレープフルーツ、甘味が強めでアイラらしいヨードも感じる、ミドルにかけて少し暖みのある柑橘系、柔らかくて良い、柑橘の皮の苦味と魚介系の旨味がまとまった安定した旨さ。

【Very Good】

オーストリアのボトラー向けというラフロイグ1997。

1997年のラフロイグが良いのか、それともこのボトルが良いのか、このボトルは両方でしょう。ややラフロイグが苦手な自分でも、このボトルは美味しくてついつい口に運んでしました。

グレープフルーツを実からワタ、皮までの全体を味わっているかのような、甘さ、酸味、苦味の多彩な味わいが印象的。香りにある火薬っぽさや清涼感、そして旨味のあるオイルのニュアンスまで、複雑ですがバランスが取れていました。

ラフロイグは200周年記念の21年が旨味のあるバランスの良い味わいで好みでしたが、このボトルも同じ傾向、かつ度数がやや高めとあってパワフルさも兼ね備えていました。こういうラフロイグならいくらでも大歓迎です。

ダルモア12年 1950年代? 流通ボトル

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Dalmore 12yo (OB 1950s bottling, 75cl, 43%)

香りは濃厚なプラムやプルーンのジャム、ムスクや汗のようなセクシーで陶酔感がある、ハッカ、良いオールドシェリーと経年による複雑さが素晴らしい。

味わいはまろやかな飲みくちだがすぐに重厚さが押し寄せる、柿や桃のフルーツ感は強すぎず皮と合わせた渋みもある、焦げたカラメルのほろ苦い甘さ、奥深くから押し寄せるタール、ややワックスのニュアンス、じっとりと濃厚な一体感のあるフィニッシュ。

【Very Good/Excellent】

ダルモアの、こちらはいつごろのものでしょうか…。1950年代? かなりのオールドボトルです。

ダルモアといえばシェリー樽、というイメージはあるものの、正直なところ近年のダルモアはあまりシェリー樽が良いイメージはありませんでした。なのでテイスティングの経験もそこまで多くはないのですが、今回のこのボトルで一気に最高地点まで到達してしまった気がします。

端的に言えば、陶酔感もある良質なオールドシェリーということになりますが、驚くのはアタックの柔らかさとその次にくる重厚で濃厚なボディ。43%とは思えないくらい厚みのあるボディは、これまでのモルト経験の中でも一二を争うものでした。ここまでの太い酒質というのは、やはり昔の原酒だからなのか、ボトリング後50年近く経過しているとはとても思えないものでした。おそらくこのボトルの状態が良かったのでしょうね。すべてがすべて、このレベルで保っているとも思えませんので。

なお、ワイン用のソムリエグラスでもテイスティングしてみましたが、そちらの方がさらに香り高く素晴らしかったです。口に含むまでのの間にも香りが押し寄せてきて、早く口に含みたいという意識が自分のことながら面白いものでした。

こちらは持ち寄り会でのOさん持参のボトル。素晴らしい経験をさせて頂きました。ありがとうございました!

ベンリアック 1976 ファーストカスク

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Benriach 1976 (First Cask, Cask#9444, 46%)

香りは華やかな桃、サクランボ、パイナップルとその缶詰のシロップ、ややケミカル、青々とした草メンソールのニュアンス。

味わいは柔らかいがしっかりとしたフルーツ漬けシロップの甘さ、トロピカル系フルーツポンチ、ミドルからホワイトペッパー、ほんのり麦と青いリンゴ、薄めの紅茶を感じるフィニッシュ。

【Very Good】

ボトラーのファーストカスクが詰めた、ベンリアック1976。

この年代のベンリアックに求めてしまう、桃をはじめとしたフルーツ感が香り味ともにしっかりと乗っていて分かりやすい美味しさです。46%加水ということで、ボディが少し弱いかもという意見もありましたが、自分としてはこれがちょうど良いところだと感じました。

とにかく華やかで賑やかな感じが、若干地味なラベルとは正反対なようにも思えます。なんとなく、ラベルで損するタイプでしょうか。オフィシャルの同じスペックのものと比べても見劣りすることはまったくないと思います。

ストレス無く飲めてしますので、家でこういうボトルが開いていたらちょっと飲みすぎてしまいそうです。

こちらも持ち寄り会でのOさん持参のボトル。ありがとうございました!

トマーティン 19年 1977-1997 ソサエティ 11.9

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Tomatin 19yo 1977-1997 (SMWS, Cask No. 11.9, 54.4%)

香りはカスタードクリーム、キャラメル、やや紙っぽいニュアンス、ヒノキかクスノキのような木香、少しメロンのようなフルーツ感があるが控えめ。

味わいは薄めのヘザーハニー、とかしたキャラメル、緑の草、青みのあるイチゴ、樹木のエグミのニュアンス、鼻抜けはケミカルなフルーツ感、風邪薬のシロップ、もっさりとしたリンゴのフレーバーとケミカル感が残るフィニッシュ。

【Good/Very Good】

ソサエティの11番はトマーティン。かなり昔のボトリングで、ソサエティのラベルもかなり古びた印象がありますね。ボトリング後20年が経過していますが、オールド香のようなものは特に感じませんでした。

 

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ボトルに書かれた一言コメントを見ると、なんと “Peaches, peaches…and more peaches”。ピーチ! ピーチ! ピーチ!! なんていうコメントが近年でもどこかで書かれていた記憶がありますが、20年前にも同じコメントがあったとは……(笑) 面白いですね。

しかしこのボトルからはあまり桃のニュアンスは取れませんでした。どちらかというとアタックに顕著な植物感の印象が強く、ミドルからのフルーツ感は植物感と混じってやや青いイチゴのようなニュアンスではないかと。人口甘味料的な、どことなく作為的な甘さは1976トマーティンにも通じるところがあると感じたものの、この1つ前に飲んだキンコー向け1976ベンリアック2ndに比べると、さらに桃やフルーツ感は薄めでした。

このあたりは、もしかしたらボトリング後の経年で飛んでしまったのかもしれません。もし本当に桃感満載ということであれば、昔からトマーティンにはその手のフレーバーが備わっていたということでしょうし、76ヴィンテージだけではないのでしょう。90年台トマーティンにも桃感がよく出ているものもあるということで、今後も76に匹敵するボトルが出てくるかもしれません。楽しみですね。