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ウイスキーのロックに改めて気づかされること

夏の盛りも過ぎてしまったころですが、ロックで飲むウイスキーについて書こうと思います。

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しっかりしたロックグラスを持っていないのが残念なところ。

つい最近のことですが、ウイスキーをロックで飲むと美味しいな、と思いました。

何を言ってるんだと思われるかもしれませんが、あまりロックで飲むことが無かったのです。ストレートで飲むウイスキーは香りがよく開いてくれて、ただ味わうだけではなく香りも含めて愉しませてくれます。その経験があるからでしょうか、夏場といえどもロックで飲むのを避けてしまうのは、どうしても香りが閉じてしまうから。しかし、口に含むとどうしてもぬるさが目立ってあまり美味しく感じない。香り味ともにどうも一段劣るように思え、結果的に夏のウイスキー消費は落ち込むわけです(個人の感想です)。

また、これもまた良く聞く話かとは思いますが、本場スコットランドではロックは邪道、ストレートか少量の水をいれるのみ、という話。実際には多くの方が「自由に飲めばいい」と言っていますが、なんとなくそのイメージを引きずっているところがあるのかもしれません。

まあ、夏場はハイボールでサッパリ、というのが多いのもあります。ロックよりもハイボールかな、と。

そんな自分でしたが、久しぶりにロックで飲んでみたところ、「あ、美味しいな」と思うことが増えた。それをきっかけに、いろいろなモルトをロックで飲んでみているところです。ロックにするとミネラル感や奥に潜む系のピートのニュアンスが取りやすくなるように思います。ストレートとは違った味わいを感じることができるので、逆にストレートで飲んだときに様々な要素を感じやすくなるのではないかと期待しています。

あとはやはり冷たさを感じると飲んだときのフィーリングが良いですね。昔は氷が溶けることによって薄まるのが嫌でしたが、最近は薄めのものもそれはそれでありかな、と思うことも多いです。あまり飲みやすくなると、逆にスイスイ飲んでしまってすぐに酔ってしまうのがよろしくありませんが。

 

とけない氷といえば、金属でできたアイスキューブ(?)なども売られています。ちょっと興味はあるのですが、どうも食指が伸びません。というのも、殆が金属か石のような見た目で、どうも受け付けない。やはりロックの良いところは透明と琥珀色の美しさにもあると思うのです。見た目は味わいに影響しますからね。というわけで、透明で美しく、かつしっかりと冷やしてくれるようなアイスキューブでもないものか、なんて思っているところです。

 

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スペイバーン蒸留所がラインナップをリニューアル

スペイバーン、飲んだことありますか?

いや、こう言ってはなんですが、正直マイナーですよね。というのも、ここ数年はオフィシャルボトルが10年のみだったことも影響しているのではないかと思います。まあ、元々ブレンデッド用がメインという趣もありますし、表立って売り出していこうという気概はあまり感じなかったところです。

が、ここに来てオフィシャルのラインナップを一新するという情報が入ってきました。

SPEYBURN – OUR WHISKY RANGE

ラベルのリニューアルとともに、スタンダードの10年に加えて15年が登場しています。また、NASシリーズで2種類、Golden Salmon の意味だというBRADAN ORACHは、若いニュアンスを逆に武器としているようです。もうひとつはアメリカ向けのARRANTA CASKS。大胆不敵、という感じの意味でしょうか。

10年はさておき、15年は気になるところです。本当は以前のように21年クラスのものが出てくれると嬉しいのですが、さすがにそこまでは望めないですかね。スペイバーンはナチュラルで軽やか、どことなく古典的なスペイサイド・モルトだという印象でしたが、最近は変わってきているのでしょうか。あまり飲んでいないところでもあったので、機会を見て試してみたいと思います。

 

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ロセスの町はずれにあるスペイバーン蒸留所。2014年の際には拡張工事中で、隣が大きく工事現場となっていた。工事が完了したのもリニューアルの理由のひとつかもしれない。

ウイスキー投資の影と光

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先日、オーストラリアのウイスキー業界で詐欺ともいえる事件が発覚しました。

TAS州のウィスキー樽一般投資募集破綻に

最近その知名度が上がってきているタスマニアウイスキーですが、こんな形でさらに知名度が上がるというのも残念ですね。

事件があったのはナント蒸留所。蒸留所がウイスキー樽を販売するのは以前から一般的になってきていますが、その樽を4年間熟成させたあと、蒸留所が利息を上乗せして買い戻すという仕組みだったようです。年率9.55%といいますから、相当な高利率ですね。しかし、実際にはナントはウイスキーを適切に生産管理できておらず、結果的にでっちあげの詐欺ということに。元から詐欺にしようとしていたのか、それとも良いウイスキーが出来ずに次第にバラせなくなってしまったのか定かではありませんが、まああんまりまともな商売じゃなかったというわけですかね。

ウイスキー製造もビジネスですから、どうやって商品としての価値を高めていくかは様々な方法があり各々の手法があるのは当然なことです。ですが、熟成して世に出るまでに時間がかかるというウイスキーの特色が、いろいろと面倒なことを引き起こしているなあ、と感じることがこのところしばしば。原酒不足にしてもそうでしょう。難しい商品ですね、ウイスキーというのは。

思ったよりも人気が出てしまい、原酒が不足して、樽売りしたものを最終的には蒸留所が買い戻すということも、最近の一部の蒸留所では聞いた話です。そういう前例があるのも、こういった詐欺的な商品が、おかしいとは言い切れない原因のひとつになってしまっているのかもしれません。いずれにしても甘い話には裏があるということを念頭に、投資をする際にはよくよく考えることが必要ですね。

 

一方で、3年ほど前に香港で始められた「ウイスキーファンド」。当初はかなりの話題になりましたが、こちらは順調な結果を出してファンドを閉じることになるようです。

希少ウイスキーファンド、成功に酔いしれ清算へ-予想上回る人気の中

長期的に続けていくようなものではなく、一時的な時価の高騰を狙って短期間で終わらせる、というのは良い判断であるように思えます。特にこの数年は一部のウイスキーの需要がかつてないほど高まった時期でしたので、このようなファンドも悪くなかったのかもしれません。あまり両手を上げて賛成はしかねますが、投資商品としては良いものだったということでしょう。少なくとも、某ワインファンドよりはマシな運用がされていたようですね。

 

何にどれだけお金を出すかは個人の自由ですが、お金が集まるところには何かと厄介なものも紛れ込んでくるものです。最終的にはご自身の判断でということになりますから、有象無象にご注意を。

 

ラベルの好みと本物感

酒類のラベルやボトル販売をてがける きた産業 さんのページにこんな内容の論文がありました。

「アメリカ人はどんな酒ラベルを好むか ―言語背景と心理的距離感の影響・その1」

タイトルの通りの記事で、論文形式でまとめられていますが比較的気軽に読むことができます。アメリカのサンフランシスコで、日本酒のラベルを6つの形式でデザインを変えて、どのラベルがより好ましいかを調査した結果がまとめらています。

  • アルファベット
  • ひらがな
  • 漢字一文字
  • 漢字三文字
  • ひらがな+英語説明
  • 漢字一文字+英語説明

この中で、最も人気があったのが漢字三文字、逆にアルファベットは人気がありませんでした。考慮された要素では、「本物感」が最も大切にされ、次いで「シンプルさ」となりました。

本論文の結論としては、以下の3点が効果的としています。

本物感を出す – 非漢字圏母語話者には漢字を、中国語母語話者にはひらがなを使うのが望ましい。
消費者と製品との心理的距離を保つ – 消費者が慣れ親しんだ文字の使用は最小限にとどめる。
英語の商品説明を添える。しかしくれぐれも簡単に短くする

ただし、論文の中にある通りこれはサンフランシスコという場所がかなり大きなファクターとなっているように思えます。アメリカの中でもホンモノに対するこだわりは比較的高い地域でしょう。東海岸でなら似たような結果になりそうですが、中部や南部ではまた全然別の結果になりそうですね。

 

この結論を見て、自分がウイスキーを買う場合を考えてみると、なるほどたしかに「本物感」というのはとても重要なファクターとなっていることに気づきます。身も蓋もないことを言ってしまえば、どんな銘柄でも美味しければなんでも良いのですが、特にウイスキーの場合、その背景にあるものもすべて含めて自分の頭に落とし込んで味わっているため、得体の知れないものは頭が拒否する傾向にあります。特にそれは、初めて見る銘柄で買おうかどうか迷う場面だったならより一層強くなるでしょう。

所謂ジャケ買いを促進するにあたって、またブランド維持の側面からもこの「本物感」は大事にしたいところです。名の通ったシングルモルト vs どこのものともしれないブレンデッド で考えてみると分かりますが、後者がどれだけ美味しくても、なんとなく素直に楽しめない。「情報を味わっている」と言われてしまえばその通りなのですが、残念ながら人間とはそういうものでしょう。

企業も勿論デザインについては研究しているでしょう。どうやったら自分たちのボトルが買われやすくなるのか。同時に、どうやったら自分たちの思いが届けられるのか。時折あるウイスキーのラベルチェンジの際などは、特に注意して考えてみると、その意図するところが見えてくるかもしれません。

自分の場合も、やはりシンプルで本物感のあるデザインが好きですね。あまりゴテゴテとしているのは苦手です。

あなたは、どんなラベルが好きですか?

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スコッチウイスキー税率引き下げの動き

いささか旧聞となりますが、イギリス議会にスコッチウイスキーの酒税を引き下げるよう要請する動きがあります。

End the Scotch ‘Supertax’ of nearly 80% via SWA

これ自体はもう2年くらい前からロビー活動などをしているようですが、Brexitのタイミングに合わせてなら推進しやすいからというのもあるでしょう、また最近は活発化してきているようです。

 

スコッチウイスキーの税率は、ややこしい話を割愛して簡単に表すと次のようになります。

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Image via WHISKY IMPRESSIONS.com

特に、£13程度の普及帯ボトルの場合は税率が80%程度にもなります。買ったボトルの8割が税金かと思うと、ちょっとやってられませんね。高額ボトルの場合はもっと割合が下がります。これは、酒税はアルコール分にかかるため、ボトルそのものの値段にかかってくるような消費税やVAT(付加価値税)とは異なる性質によるからです。

UKやアイルランドでは、他の西欧諸国と比べても酒税が高い。次の表が分かりやすくまとめられていました。

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Image via Telegraph

確かに、ここまで高いとなると、どうにかして欲しいと思うのは必然ともいえますね。税率の引き下げは、まずは2%程度を目標に進められているようです。スコッチウイスキーの税率が低くなることで、最終的には我々海外のエンドユーザにどれほどの恩恵にあずかれるかは本当に些細なものかもしれませんが、少しでも安く手に入るなら嬉しいというのが本音です。

 

さて一方で、日本の酒税についてはどうでしょうか。一般的に「1杯」と考える量で酒税額を計算してみました。

ビール                  350ml・・・ 77.0円
日本酒                 180ml・・・ 21.6円
ワイン                180ml・・・ 14.4円
ウイスキー(40%)    35ml・・・ 14.0円
ウイスキー(48%)    35ml・・・ 16.8円

こうして見ると、ビールの酒税が恐ろしく高いことがわかりますね……。ウイスキーの税率はまだ低めに見えます。先の表にあるとおり、UK国内でのウイスキー1杯は54p(£1=140円で 約75.6円)ですから、それを考えても、やはり日本のウイスキーの税率はやや低いと考えても差し支えないかと。

なお、昨年2016年にニュースにもなったとおり、日本の酒税は改正されてこれから変化していくことになっていますので、上記の金額も変わっていきます。2017年6月には一部改正されてビールの税金が変わってきています。あくまでもご参考までに。

 

税収は国にとっては重要で、そのお金で様々な事業が進められていくわけですから何でもかんでも税金が~~とは言いたくはないですが、それにしても、ここまで税金として取られなければならない理由っていうのもなんだか釈然としなくて、いち消費者からみると税金高い、と言いたくなってきてしまいます。酒に限らず、煙草、ガソリン、自動車、土地、家、しまいには温泉に入っても税金がかかる始末(正確にはちょっと違いますが)。なんでもかんでも消費したり持っていたりすると税金がかかる、とれるところからとってしまえ的な発想が見えてしまうからでしょうかね、嫌になるのは。せめて適切に使ってもらって、ちゃんと良い事業で国を支えていってもらいたいものです。

 

ずいぶん小難しい話になってしまいました。飲む時くらいは税金のことなんか気にしないで愉しみましょう。

スカイ島に旅行者が押し寄せて

スカイ島といえば、ウイスキー愛好家から見ればタリスカー蒸留所がある島ですが、一般的にはグラスゴーから半日で行ける、風光明媚でトレッキングやダイビングなどのアクティビティが愉しめる場所、というところです。

そのスカイ島が、最近「通り過ぎるだけ」の旅行者で溢れかえっているという動画ニュースがありました。


Tourist hordes descend on the Isle of Skye by Euronews.


自分は観ていないのですが、テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の一部でスカイ島がモデルになっているところがあるようですね。その光景を見てみたいという、「聖地巡礼」的な人が多く訪れていて、中には豪華客船で乗り付けるグループも。

何かの舞台になった場所に人が訪れるのはある意味当然なことなので仕方が無いですし、うまくお金を落としてくれれば良いとは思いますが、現地の人からするとただ単に混むだけでも迷惑な部分もありますから、難しいところです。われわれ旅行者としては、迷惑にならないよう気をつけながらその場所で楽しませていただくしかありません。

それにしても、動画で見るスカイ島はやはり素晴らしい風景が多くて良いですね。またいつか行ってみたいと思います。

この夏、スカイ島へ行かれる方がいらっしゃいましたら、かなり混んでいる可能性もありますので、どうぞお気をつけを下さい。

 

栄光冨士 酒未来 純米大吟醸 無濾過生原酒

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栄光冨士 酒未来 純米大吟醸 無濾過生原酒

  • アタックからガツンとやってくる米の旨味
  • 暴力的ともいえるような旨味、雑味、フルーツ感
  • 大吟醸でこの線の太さは凄い。日本酒の濃厚な旨味を味わいたい人に

栄光富士さん、このボトルでもかなりはっちゃけてますね。サバイバルなどに比べるとラベルはやや大人しいですが、中身はしっかりと個性を出してきています。

これだけ多方面の個性を出し続けていける、しかも狙って作っているのでしょう。本当に凄い蔵元だと思います。今後のリリースにも目が離せません。