ジン・フェスティバル東京 に参加してきました(2/2)

ジン・フェスティバル東京の参加レポート その2です。

 

サイレント プール

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華やかな香りが特徴的で、味はやや儚く主張が控えめなタイプでした。なんでも、ラベンダーやエルダーフラワーなどの花を使っていることを特徴としているようです。ボトルにも花や植物の意匠が加えられていてデザインが良かったです。(写真ではキレイに見えなくて申し訳ないです)

 

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ジン・フェスティバル東京 に参加してきました(1/2)

今年に入ってから、特にここ2ヶ月ほどは重点的にウイスキー以外を飲むようにしていまして、これまでコニャック、カルヴァドス、ラムの順に様々な銘柄を試してみました。どれもなかなか面白く、これまでがウイスキーばかりだったので新鮮です。

そんな中、ジンのフェスティバルがあると聞いて興味が湧いてきたので参加してきました。小規模な蒸留所が作るいわゆるクラフトジンは、ここ1,2年でこれほどの銘柄が出てくるとは想像もしていなかったのですが、日本でも世界各地でも本当にどれだけ出てくるんだと思うくらい、どこもジンの生産を始めてきました。おかげで元々の大手製品もあまり知らずのまま、クラフトジンが大量に出てきてしまったという状態で、これは一度いろいろと試飲してみないと、と思っていたので渡りに船でした。

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会場は、天王洲アイル駅にほど近いオシャレな倉庫マーケットが並ぶ一角。T-LOTUS M という船のような施設がメイン会場になっています。なんかもう、ロケーションからしてシャレオツな方々が楽しむイベントなイメージですが、ひるまずに突入してみることに。

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会場は入場無料で、試飲はバウチャー式。500円で5つ試飲できるようになっており、銘柄はどれでも1枚で試飲可能でした。1階では日本の蒸留所、地階は海外の蒸留所と別れていました。どちらかというと地階の方が人出が多いのとスペース的にも狭めだったので混んでいるように見えました。

さて、試飲した銘柄などを紹介。あまりジンには詳しくないのですが、ウイスキーやその他蒸留酒との関連などを感じながら飲んでみるとまた面白かったです。

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サントリー プレステージ25年 ブレンデッド・ウイスキー

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Suntory PRESTIGE 25yo (Suntory Blendend Whisky, 43%, 750ml)

香りは、チョコレート、プルーン、アンティーク家具、強めの樽感と削りたての樹木、白檀のような高貴さも感じられる、微かにスモモのような酸味、ワックスやなめし側のようなニュアンスを奥に感じる。

味わいは少し強めのアタックだが、すぐにまったりとしたローストナッツのオイリーさ、熟成感を伴う深い味わい、カカオ、プルーン、少しバター、ミドルは樽感が強くピリピリとブラックペッパーの刺激、フィニッシュにかけてはまたオイリーさがあり、ほんのりとシトラス系フレーバーも合わさる。重層的でやや高貴さも感じるリッチなブレンデッドウイスキー。

【Very Good】

サントリーが1989年に創業90周年としてリリースしたブレンデッドウイスキーです。

素性については検索していただくといろいろと情報が手に入りますが、使われている原酒は1960年代の山崎に、グレーンは本当にこれどこから持ってきたのでしょうね。輸入したものでしょうか。またモルトの一部もこうした輸入原酒を使用している可能性もあり、良質なシェリーカスク原酒はもしやあの蒸溜所が……? なんて謎も楽しめます。

近年ものとは異なる昔のシェリーカスクの香りが閉じ込められていて、グラスに注いだ瞬間に部屋中に香りが広がっていきます。飲む前から期待が高まる。カガミクリスタル製の特別ボトルも高級さを感じさせます。というかとてつもなく重い。ボトル底部のガラスの厚みを見れば当然ではありますが……。

味もシェリーカスク主体で、熟成感を感じるまろやかさが広がりますが、樽の影響がかなり強めに出ている原酒があるようでやや強めの刺激も。そして、このあたりはブレンデッドらしさなのか、少しボディが弱く中間の膨らみはもう一歩欲しいような、そんな印象を残します。ちょっと欲張りすぎますが。

どちらかというと香り優先ですね。友人曰く「サントリーのAge UnKnownに通じる」と評していた香りは本当に素晴らしいです。

ともすると(近年系とは異なるとはいえ)どっかんシェリーになりがちなところですが、加水とブレンドによってほどほどのバランスにまとめあげられているように感じます。これがカスクストレングスだったら、かなりピーキーな味わいで日本人一般にはあまり受け入れられなかったのではないかと。海外には受けそうではありますが。サントリー響にも通じる、繊細さを保ったブレンド技術の為せる技を感じます。

今回のボトルは、ちょっとした記念に良いものを開けようと取り出しました。最初は硬かったのですが開封後2ヶ月ほど経ってそこそこ開いてきたようです。これから暑くなる季節にはちょっと向きませんが、冬になる頃にはしっかりと開いてきて美味しく感じられるのではないかな、と期待しています。

パラフィルム実験続報

先日はじめたパラフィルムの実験の続報です。

15日ほど経っていますが、今の所は水量の変化はほとんどど見られません。水は放っておけば蒸発するわけですが、それにしてもボトルの口があまり大きくないので空気と触れる部分が小さく、蒸発しにくい状態ではあります。まあ当然といえば当然ですね。洗面器のように空気に触れる部分が広ければもっと蒸発しやすいと思います。

それはさておき、気になったのはパラフィルムの内側に水滴がついていることです。

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外部と内部の温度や湿度の差などで内部の水蒸気が外側に出ようとしているようですが、パラフィルムがこれを止めていることが分かります。となると、パラフィルムは水分を通さない、という結論にしても良いのでしょうか。

これは少々難しいところです。「完全に通さない」ことと「ほとんど通さない」ことの差は結構大きいからです。水蒸気を「ほとんど通さない」ところに水蒸気があつまって水滴になる程度の大きさに結合しているだけかもしれません。

よくよく考えてみれば、もう1セットフタをしないものを比較用に準備しておくべきだったかもしれません。蒸発量の比較をとれば、どの程度蒸発を防げるのかが分かるはずですから。今から実験をし直すべきでしょうか。

ちなみに、この状態で逆さまにしても水はこぼれません。しっかりと蓋ができていることが分かります。短期的な観点では水分は通さないのは明らかでしょう。様々な実験などでもその防水性が用いられているわけですから。しかし、長期的な観点ではなかなか判断は難しいようです。

定期的に新しいものに交換して巻き直した方が良いのかもしれませんね。

スプリングバンク10年 オフィシャル 2017年新ラベル

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Springbank 10yo (OB, +/- 2018, 46%)

香りは透明感のあるハチミツ、マスカット、薄めのオレンジ、ユーカリ、奥に石灰とピート、微かにシロップ漬けの桃、みたらし醤油のニュアンス。

味わいは軽やか、バタースコッチ、ややクリーミィ、バニラ、ミドルからホワイトペッパー、ミントのようなハーブ感、軽い感じのピート、ミネラル感と柑橘に加えて微かな桃を感じるフィニッシュ。

【Good/Very Good】

2017年にラベルチェンジしたスプリングバンク。ラインナップは10,12,15,18年と従来と変わらなかったものの、ラベルがポップというか少々前から流行りのフラットデザインを取り入れたようなものに代わりました。「あんまり好きじゃない」「ダサい……」等のコメントがちらほら見受けられましたが、というか自分の所感ですが、まあそれはそれとして。実はその新ラベル10年がとても良い出来であるという話も良く聞こえてきていました。先日、友人と一緒に飲む機会があり、噂通り美味しかったところに近場で見つけたので1本買ってきてみました。

前振りが長くなりましたが、香味は若さもあるもののピート感しっかりで複雑性があり、フルーツのニュアンスも良く出ていて総じてバランスが良いまとまりに仕上がっています。46%という加水がちょうど良く作用しているのか、飲みやすさと飲みごたえが両立しているのも地味に良い。10年という熟成年数からはちょっと信じられないくらいの複雑さとバランスの良さです。スターター~中締めとしてちょうど良く、コスパの良さからオールマイティに使えるボトルと言えるでしょう。

ひと口飲んだときに感じたのは、キルケラン12年との親和性でした。ちょうど手元にあったため飲み比べてみると、フルーツのニュアンスやピート感、やや石灰っぽいミネラル感なども共通しているように思えます。このあたりは同じスプリングバンク(J&A ミッチェル社)が手がけているためかと思いますが、それにしても設備はまったくの別物なので、ここまで似てくるのも不思議は残ります。ヴァッティングの方向性が似ているのでしょうか。不思議ですね。

リリース当初は噂を聞きつけた愛好家がこぞって買ったためか手に入らない状態になっていましたが、最近はまた流通し始めているようです。一方で、生産量には限界があり日本市場は最近あまり重要視されていないためか輸入の割当量が少なく苦労されているような話もちらほら伺います。今後の傾向は分かりませんが、継続的に輸入されることを願いたいですね。

 

フェッターケアン 33年 1975 ザ・テイスター

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Fettercairn 33yo 1975 (Scotch Malt Sales “The TASTER”, Cask#2314, 58.5%)

香りはローストしたナッツ、バターと麦のブラウンルー、ヌガーやキャラメル、微かにカモミールティー、白い花を思わせるフローラル。

味わいはねっとりとしたオイリーさ、バタースコッチ、マジパン、シロップ漬けの洋ナシとドライアプリコット、ミドルから白胡椒と薄めの紅茶のニュアンス、余韻にかけてハーブティに代わり意外とキレが良くまとまるフィニッシュ。

【Very Good】

スコッチモルト販売のザ・テイスター シリーズからフェッターケアンです。

「フェッターケアンらしさ」ってこれだったよね、と思えるようなオイリーさとほっこりした麦感。ともすれば野暮ったい味わいになりそうですが、そういうわけでもなく洗練された味わい。飲みごたえもちょうど良く、バランスが整っている印象です。

ザ・テイスター はウイスキー業界で著名な方がチョイスしたシリーズ。今年もトミントール1996がリリースされるなど、かなり長期に渡り続いているシリーズですね。このボトルをチョイスしたカーステン・エールリヒ氏はウイスキーフェアの主催者ということで、流石の選定眼。良い原酒を引っ張ってこれるコネクションが、こうして日本向けに良いボトルをリリースして頂ける原動力になるわけで、モルト飲みとしては嬉しい限りです。

ザ・テイスター シリーズはシンプルさと独特のロゴがスタイリッシュなラベルが好みです。シリーズとして揃って並んでいたらさぞかし壮観でしょうね。味わいも素晴らしかったので、やはり買っていなかったことを後悔するのでした……。

響・白州の終売に日本のウイスキー産業の未来を考える

先週、大きな驚きとともに報じられた、サントリーの白州12年と響17年の販売休止。朝晩のニュースでもかなり大々的に取り上げられたので、ウイスキーファンだけではなく世間一般の方々まで知るところとなりました。

2015年にニッカが、余市と宮城峡の10年~20年を終売にしたときもニュースにはなりましたが、ここまで扱いが大きくなかったと記憶しています。ニュースでも流れたとは思いますが、今回のサントリーの件と比べるとかなり落ち着いていたように思います。

思うに、日本人にとってウイスキーとはサントリーのボトルのことなのでしょう。山崎、白州、そして響の名前は、ここ数年海外でも高い評価を受けているというウンチクも含めてそこそこ広く浸透しているのでないでしょうか。ニッカはどうしても知名度では今ひとつのようで、そのあたりの差が今回のニュースからも感じられます。

ちなみに、2014年時点の統計によると、ウイスキーの国内シェアはサントリーが全体の43%、ニッカが25%、他の国産ウイスキーが19%、輸入ものが13%という比率。サントリーとニッカの差は確かにかなり開きがあるものの、思ったよりもサントリー独占というほどではありません。特にここ数年は「その他の国産」に含まれるクラフト蒸留所が健闘しており、今後数年はシェアを伸ばしていく傾向にあると考えられます。

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さて、日本ウイスキーの海外での高評価や原酒不足に伴う値上げ傾向もあって、ウイスキーは輸出量とともにボトル単価もぐんぐん上がっていっています。これはこれで良いこともあるのでしょうが、日本人が国産ウイスキーを買えない、という事態にもなりかねません。いうまでもなく、ここ20年ほどは経済も停滞し給料は上がらない可処分所得は増えない税金は高くなる etc etc… とにかく自由に使えるお金が大きく増えた、という感じはありませんよね。しかしウイスキーの価格は上がり、流通も少なくなって簡単には入手できない状況にあります。日本人が買うには高嶺の花になってしまうのでしょうか。

他のお酒の話になりますが、コニャックはその95%が輸出向けという状況で、主にアメリカと最近は中国の人気が高い。完全に海外向けの酒になっています。シェリーも生産量の80%はスペイン国外に出ていて、生産地であるアンダルシア地方以外ではメインのお酒ではない状況。日本のウイスキーについては手元に数字がないのですが、50%以上は輸出向けになっていると推測します。今後その方向性はどんどん加速し、90%程度が海外向けでしかもとんでもない高値になっているかもしれません(今でも充分高いと思いますが)。

ウイスキーに限らずですが、お酒というのは低価格にすると需要が減る、という不思議な特徴があります。高級品だからこそ保てる市場というのが存在するのですね。それは主に贈答品だったり、海外からのお土産だったりと、ちょっと特別な意味合いを含ませるという場合に、高級なお酒というのは必要にされるのです。かつてジョニ黒が10000円という高級品だった頃、それは確かに高級品だからこそ大事にされた時期がありました(もちろん今から考えても当時のボトルは間違いなく美味いですが)。税制が変わりスコッチが安くなった結果、高級品だからこその市場というのが消えてしまい、日本のウイスキー需要が大きく減退した原因のひとつとも云われています。

これらの歴史を踏まえて各メーカーも路線を考えているのであれば、日本の大手のウイスキーは今後安くなることは考えにくいですし、むしろどんどん高くなる一方でしょう。そしてそのほとんどが、好評な海外にまわされていくのではないでしょうか。そんな未来しか見えてきません。

今回のサントリーショックは、後から見ると日本ウイスキーの重要な転換点だった、という気がしています。