2017年、スコッチウイスキー蒸留所へのビジター数が過去最高に

ディアジオが、2017年に傘下の蒸留所へ観光で訪れたビジターについて発表していました。

DIAGEO’S DISTILLERY TOURISM AT RECORD HIGH

The most popular Diageo distillery visitor centres in 2017 were:

1. Blair Athol (86,019 visitors)
2. Talisker (71,006)
3. Dalwhinnie (55,983)
4. Oban (53,912)
5. Glenkinchie (44,978)
6. Glen Ord (34,774)
7. Lagavulin (27,040)
8. Royal Lochnagar (21,576)
9. Caol Ila (15,093)
10. Cardhu (13,342)
11. Clynelish (8,544)
12. Cragganmore (7,993)

これは2016年に比べて 15.2% の上昇で、ここ2012年からの5年間で 96.3% とほぼ2倍の上昇となっています。近年のウイスキーブームと観光誘致策が功を奏した結果でしょうか。これに伴う問題は諸々ありそうですが、それはさておきこれほどまでに観光客が増えているのは凄いですね。

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ディアジオ系列1位となったブレアアソール蒸留所。古いつくりの建物が伝統を感じさせる。

 

ディアジオ系列以外でのビジターがどうなっているのか気になるところなのですが、スコットランド観光局の Visit Scotland で、2012,2013年の統計情報が公開されていました。トップ20の蒸留所だけですが、次の通りです。

Whisky Tourism – Facts and Insights (PDF File)

1. The Scotch Whisky Heritage Centre (301,782)
2. Glenturret (85,304)
3. Glenfiddich (81,316)
4. Glengoyne (59,275)
5. Edradour (54,463)
6. Blair Athol (53,637)
7. Talisker (51,967)
8. Oban (42,466)
9. Dalwhinnie (32,598)
10. Glenkinchie (32,192)
11. Aberfeldy (31,120)
12. Ben Nevis (23,555)
13. Glen Ord (20,340)
14. Tomatin (20,043)
15. Glenmorangie (19,495)
16. Highland Park (18,090)
17. Macallan (15,297)
18. Strathisla (14,254)
19. Royal Lochnagar (11,800)
20. Ardbeg (10,500)

トップはエディンバラのヘリテージセンターで、これは流石に蒸留所じゃないので除外して考えましょう。なんだか見事にディアジオ系列がトップにひしめいているのと、グラスゴーから近いグレンゴインやグレンタレット、観光地として名高いピトロッホリー付近ということでエドラダワーが選ばれているようです。

しかし、ちょっとこの結果には納得がいかないような。アードベッグが入っているならボウモアやラガヴーリンも入っていそうですし、マッカランが入っていないのも気になります。全蒸留所から情報を集めたというよりは、手持ちの情報をとりあえずまとめてみただけ、という気がしなくもありません。

Record Visitors At Morrison Bowmore Distilleries

20th September 2010

こちらの記事によると、ボウモアは2010年に年間10000人ということですので、現在はもっと増えていると考えると上記のランキングには入ってきそうです。

Isle of Arran Distillery welcomes a record number of visitors – Scotch Whisky News

アランでは2016年に年間10万人のビジターという情報が。こちらもグラスゴーから比較的近い場所にあり、観光地として名高いアラン島は人々の目的地になりやすいのでしょうね。

というわけで、先ほどのランキングがすべてというわけでは無さそうです。

ディアジオのランキングに戻ると、あまりメジャーとはいえない(失礼)グレンキンチーがスペイサイドのクラガンモアよりも5倍も多かったりするのがなんとも面白いです。クラガンモアとカーデュでも1.5倍の差があるのがとても不思議です。立地的にはかなり近いといえば近いのですが。

マッカランに寄ったついでのカーデュと、グレンファークラスに寄ったついでのクラガンモア、といったロケーションなのですが、前者のほうが強いということでしょうか。ちょっと世知辛いですね。

 

全蒸留所をあわせた年間トータルは2016年で170万人ということでした。2017年の統計もそのうち出てくるでしょうが、この数字を上まわってくるのは確実でしょうね。改めて、観光産業との結びつきが強いことがよくわかりました。

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お酒の消滅とアルコールフリーな未来?

世の中には様々なことを研究している人がいらっしゃいますが、英国ではこんな研究もあるようです。

ALCOHOL WILL ‘DISAPPEAR’ WITHIN A GENERATION, CLAIMS SCIENTIST

『酒は近いうちに消滅するだろう』という科学者の予見

あるベンチャー企業では、アルコール飲料を形作る様々な化合物(の製造)に関して特許を取得していて、将来的に「合成アルコール飲料」とも呼ぶべき飲料を開発するのだとか。従来のお酒が持つフレーバーはそのままにアルコール分だけを減少もしくは除外し、「安全で健康的なアルコールの代替品」の製造を目指しています。

近年、お酒の消費量はどんどん少なくなっていることは世界的な統計からも明らかになっていて、様々なメディアでも取り上げられていますのでご存知かと思います。主に若い世代を中心に「酒離れ」と云われていますが、若い世代に限らず酒の嗜み方が浸透してしてきただけではないかと思いますが、それはさておき。アルコールの害となる部分を避けようとする方向にあるのは間違いないでしょう。

10~20年後には、特に西欧諸国ではこの「合成アルコール飲料」が主流となって、アルコール依存症やアルコールに関連した暴力などの様々な弊害が減少していくだろう、ということです。

んー、こういうのは良いことばかりに聞こえてしまいますが、はてさて、どうでしょうね。

そんなにうまくいくとは思えませんが、一定の需要はありそうだな、という感じです。「合成アルコール飲料」がどの程度美味しいか次第かな、と。このあたりは現状のノンアルコール・ビールが一番分かりやすい指標だと思います。そこまで不味いとは思わなくなりましたが、まだまだ「美味しい!」とはいかないのが現状です。ドイツあたりのノンアルコール・ビールはかなり美味しいものもあるそうですが。

またウイスキーなどの場合だと、イミテーションものがホンモノに対抗できるほどの香味を備えているのか、というのが問題でしょう。美味しければ文句はありませんが、アルコール分なしに香味成分が閉じ込めておけるような技術が出てくるのかどうか……。

自分も酔いすぎて失敗したことがあるので、基本的に酔っぱらわないための技術は大歓迎です。一方で、ほろ酔い気分というのは良いものなので、まったく酔わないというのも味気ないかな、なんて思ってしまいます。

どちらかというと、某SFなどでも出てきた「酔ってもすぐに体内のナノマシンがアルコールを分解して無害化」なんていう技術の方が、いろいろと重宝しそうです。早急な実用化を、どうぞお願いいたします。

『ウイスキーの良さを知ってもらう本』のクラウドファンディングが100%達成(引き続き継続中)

先日ご紹介した「ウイスキーの良さを知ってもらう本」のクラウドファンディング、なんと残り54日を残して目標金額を達成してしまいました。凄いですね!

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かなりいい勢いでパトロンが集まっていたので、このままいけば残り30日くらいで達成しそうだなーなんて思っていたのですが、まさかこんなに早く達成してしまうとは……予想外でした。

一度目標は達成はしたものの、引き続きパトロンは募集しておりますし、もう少し金額が集まればさらに広めるための手が打てることと思いますので、もし興味があるけれどもまだ支援していないという方がいらっしゃいましたら是非。

最終的にどこまで伸びていくのか、楽しみに結果を待ちたいと思います。

お酒の種別による感情への影響の違い

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以前、蒸留酒と醸造酒の酔い方の差について考えたことがありましたが、
ちょっとだけ似ているかもしれない、こんな研究結果があるようです。

Different types of alcohol elicit different emotional responses

『アルコール飲料の種別による感情への影響の違い』といったところでしょうか。

これは、ビール、赤ワイン、白ワイン、スピリッツ類(ウイスキー、ジン、ウォッカなど)という分類で、それぞれのアルコール飲料がどのような感情を引き起こすのかを調査した結果です。21の国から18歳~34歳を対象に、30000人ほどに対しての調査が行われています。

その結果、以下のような傾向があることが明らかになったようです。

 

  • 最もリラックスできるのは赤ワイン(53%)で、続いてビール(50%)、白ワイン(33%)、低いのはスピリッツ類(20%)
  • 疲れたと感じるのは赤ワイン(60%)、ビール(39%)、白ワイン(18%)、スピリッツ類(15%)
  • スピリッツ類はネガティブな感情を引き起こしやすく、ときに攻撃的(30%)
    一方で、精力的で自信が生まれる(59%) とポジティブな面も強く、またセクシーさ(42.5%)も感じやすい

 

普段から飲む量、性別などによって傾向は異なりますが、全体の傾向としては地域など問わずにこんな感じだったそうです。この研究では観察調査だけですので、このような結果となる原因については不明だとしながらも、お酒の種類によって違った傾向がある、ということは言えそうです。

さてさて、なかなか面白いですね。

ちょっと分類が大まかすぎるので、もう2,3カテゴリを増やして欲しい気もしますが、主に蒸留酒と醸造酒でフィーリングにこんなに違いがあるとは思いませんでした。スピリッツ類は躁鬱激しい、といったところでしょうか。状況によるかもしれませんが、ポジティブとネガティブ、どちらかに強く振れるのかもしれません。

個人的には赤ワインと白ワインでそんなにフィーリングが違うのかというのが驚きです。自分はワインはあまり飲まないですし、特に白ワインはほとんど飲まないのでちょっと分かりませんが……。

ウイスキー好きな自分としては、リラックス度が低いというのはちょっと意外でした。樽や木の香りでかなり癒やされていると思いましたので。アグレッシブには……あまりならないかなあ、と思いますけれど、どうなんでしょう(笑)

お酒は感情の増幅装置でもありますので、適量を守って感情が暴走しないように気をつけたいものですね。

 

1/25はBurn’s Nightです

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1/25は、スコットランドの国民的詩人にしてウイスキーマニアだったロバート・バーンズの誕生日、バーンズ・ナイト(Burn’s Night)です。

バーンズ・サパーとも呼ばれるこの日は、スコットランドの郷土料理「ハギス」を食べるのが正式(?)です。この日はスコットランドのみならずイングランドでもお祝いされるようです。さすがにイングランドの人はハギスを食べようとは思わないんじゃないかなあ、なんて邪推してしまうところですが(笑)

「ハギスのために(Address To A Haggis.)」という詩をうたいながらハギスにナイフを入れて取り分けていき、ウイスキーとともに頂く。んー、まさにスコットランドといった風情ですね。自分はウイスキーはもちろん、ハギスも好きなのでこの組み合わせはバッチリいけます。

ハギスを作るのは難しいかもしれませんが、ウイスキーを愉しむことは簡単ですので、1/25 は是非ウイスキーで乾杯をしてみましょう。

 

ちなみに「ハギスのために」の歌詞はとても長いので、詳細は各自検索してみて頂きたいですが、冒頭からなんだか凄い詩です。

 

Fair full your honest, jolly face,
Great chieftain of the sausage race!

腸詰一族の偉大なる王よ、正直なおまえの笑顔に幸いあれ!

 

もうね、詩人ってやつは、本当に……。

 

秩父ウイスキー祭に合わせて臨時特急が運行

2/18は秩父ウイスキー祭ですね。
そのウイスキー祭にあわせて、西武鉄道が臨時特急列車を3本(往路2本、復路1本)運行するそうです。

池袋~西武秩父間で臨時特急が運行 秩父ウイスキー祭にあわせて 西武鉄道

増発便は以下の通り。1ヶ月前から購入可能ということで、既に発売中です。

【往路】
池袋 9時00分発 ~ 西武秩父 10時24分着
池袋 10時00分発 ~ 西武秩父 11時33分着

【復路】
西武秩父 16時00分発 ~ 池袋 17時40分着

もちろん、従来のダイヤ運行でも特急はありますので、それらを利用するのも手です。
池袋~西武秩父間は、特急以外だとかなり時間がかかってしまうので、特急を利用する方がストレスもなく便利だと思います。特に帰りの電車では、みなさん酔いも疲れもあるでしょうから。

既に秩父ウイスキー祭の入場チケットは完売してしまっているので、これから参加を検討というのは無理なわけですが、参加される方は利用してみてはいかがでしょうか。今回の実績次第では、来年も期待できると思いますのでぜひ。

ちなみに、特急列車は「あしがくぼの氷柱」の最寄り駅である「芦ヶ久保駅」にも停車します。秩父といえば「あしがくぼの氷柱」や「三十槌の氷柱」など、冬場ならではの見どころがあります。

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3年前の三十槌の氷柱。このときは暖冬であまり大きくありませんでした。

ここ数年は気温が高めであまり氷柱が育っていなかったようですが、今年は気温が低く氷柱も見応えがある出来栄えになっていると聞きました。絶好のチャンスですね。昼間も結構なものですが、夜はライトアップがありますので、ウイスキー祭りの前後や、前泊なども視野にいれて秩父の名所巡りなどもあわせて考えてみてはいかがでしょうか。

 

キルホーマンの10年熟成シングルカスク

2005年に蒸留所が設立されたキルホーマン蒸留所。気づいてみればいつの間にか12年の歳月が流れていたわけですが、そういえばと思っていた10年熟成のボトルが幾つかリリースされています。現在、割とお手軽に買えそうなのは、Whisky Exchange 向けのシングルカスク10年、シェリー樽での熟成のボトルがあります。

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Image via WhiskyExchange

他にも、キルホーマンのファンクラブ向けのリリースなどがあるようですし、今後はもっと増えてきそうです。

3年ものなどがリリースされた当初の盛り上がりからは少し熱が落ち着いてきて、その後もリリースは5年程度の熟成が中心にバラエティに飛んだ内容でした。マキヤーベイ(MACHIR BAY)、サナイグ(SANAIG)、ロッホゴルム(LOCH GORM)など、樽の種類が異なる内容で差別化しています。

個人的には8年、10年、12年……というスタンダードな進め方を期待していたのですが、それだと目新しさが無いからでしょう。新興の蒸留所ではこういうリリース方法が多いですね。

秩父蒸留所のような、毎年1つはオフィシャルの新作をリリースしつつも、シングルカスクなどで様々なリリースを行うのが定番になってきている気がします。アラン蒸留所もシングルカスクを様々なボトラーズや団体に払い出していて、しかもその品質はかなり安定かつ比較的安価だったことからポピュラーな存在となりました。キルホーマンのシングルカスクはそこまで聞きませんが、海外だと一般的にリリースがあるのでしょうか。

創業当初はいろいろと大変だったようですが、それでも安定したリリースを続けていて現在ではアイラ島の蒸留所として自然に溶け込んでいるように思えます。2010年と2016年、それぞれ訪れたときも、アクセスが悪いにもかかわらず訪問客は結構な人数でした。タイミングが悪くて内部ツアーに参加したことは無いのですが……ほとんどの場所で鍵もかかっておらず、ほぼセルフツアーみたいに色々と見れてしまうくらいオープンな蒸留所だったりします。大丈夫なのかと心配になるくらいです。

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フロアモルティング場も扉が開けっ放しでした

 

もうそろそろ12年物の話も出てくることでしょう。15年か20年くらいで節目のお祝いなんかもありそうです。原酒の品質も当初と比べるとかなり変わってきていると思いますし、その変遷を愉しむのも良いかもしれませんね。