Dalmore 12yo (OB 1950s bottling, 75cl, 43%)
香りは濃厚なプラムやプルーンのジャム、ムスクや汗のようなセクシーで陶酔感がある、ハッカ、良いオールドシェリーと経年による複雑さが素晴らしい。
味わいはまろやかな飲みくちだがすぐに重厚さが押し寄せる、柿や桃のフルーツ感は強すぎず皮と合わせた渋みもある、焦げたカラメルのほろ苦い甘さ、奥深くから押し寄せるタール、ややワックスのニュアンス、じっとりと濃厚な一体感のあるフィニッシュ。
【Very Good/Excellent】
ダルモアの、こちらはいつごろのものでしょうか…。1950年代? かなりのオールドボトルです。
ダルモアといえばシェリー樽、というイメージはあるものの、正直なところ近年のダルモアはあまりシェリー樽が良いイメージはありませんでした。なのでテイスティングの経験もそこまで多くはないのですが、今回のこのボトルで一気に最高地点まで到達してしまった気がします。
端的に言えば、陶酔感もある良質なオールドシェリーということになりますが、驚くのはアタックの柔らかさとその次にくる重厚で濃厚なボディ。43%とは思えないくらい厚みのあるボディは、これまでのモルト経験の中でも一二を争うものでした。ここまでの太い酒質というのは、やはり昔の原酒だからなのか、ボトリング後50年近く経過しているとはとても思えないものでした。おそらくこのボトルの状態が良かったのでしょうね。すべてがすべて、このレベルで保っているとも思えませんので。
なお、ワイン用のソムリエグラスでもテイスティングしてみましたが、そちらの方がさらに香り高く素晴らしかったです。口に含むまでのの間にも香りが押し寄せてきて、早く口に含みたいという意識が自分のことながら面白いものでした。
こちらは持ち寄り会でのOさん持参のボトル。素晴らしい経験をさせて頂きました。ありがとうございました!