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[ブラインド] ディーンストン 21年 1997-2018 The Maltman

昨年の内容ですが、久しぶりにブラインドをやる機会がありましたので、その記録です。

香りは生クリーム仕立てのミルクココア、レーズン、ミルクチョコレート、木の樽の清涼感、湿った苔のニュアンス。

味わいはやや強めのタッチで、麦の旨味、バター系のオイリーさ、プルーン、塩バターとレーズン、ローストしたカシューナッツ、全体的にトゲがなく落ち着いた穏やかさを伴う味わい。

シェリー樽の味わいが、近年系にありがちな強さ刺々しさを感じさせないまろやかさがある。樽の素性が良さそう。オイリーさとややブリニーなニュアンスから、北ハイランドを思い描く。バルブレアやダルモアあたりだろうか。シェリー樽というとダルモアを思い出す。

度数:52度前後
熟成年数:20年前後
地域:北ハイランド
樽構成:シェリー樽

という回答内容でしたが、正解はこちら。

Deanston 21yo 1997-2018 (MeadowSide Blending “The Maltman”, Oloroso Sherry But, Cask#577, 55.6%)

ひとつ前のブラインドと同じ系列、メドゥサイド社の The Maltman からディーンストンの21年でした。ハイランドとしては合ってますが、北と南で全然離れてしまっているのが残念なところ。ほかは大体合っていましたが、思ったよりも度数が高かったですね。

飲んだ感じで、昔のようなシェリー樽の味わいではないものの、近年の、例えばハイランドパークやマッカランにあったようなシェリー樽のニュアンスとは異なるやや綺麗めなシェリー樽なところが好印象。オイリーなところからスペイサイド系ではなくハイランドを想起しました。その後はちょっと違う方向に行ってしまったのは上記の通り。通常、南ハイランドをあまり好んで飲んでいないのもあって、経験がまだまだ足りないと感じました。

全体的に華やかさには一歩引けを取る一方で、独特のもったりとした腰の座った味わいは結構好印象でした。ディーンストンは、それこそちょうど今年2019年に訪れていましたが、バーボン樽のものばかりでシェリー樽のボトルが置かれているのは見なかった気がします。近年の小ざっぱりしたバーボン樽の構成とは異なる太い味わいで、ボトラーズらしい仕事をした一本を見た気がします。

ディーンストン 18年 オフィシャルボトル

サラッとしたシンプルな味わい。

Deanston 18yo (OB, bottled in 2019, 46.3%)

ボトル画像撮り忘れ。

香りは酸味を伴う麦感、ツンと来る溶剤、塩キャラメル、塩バターパン、爽やかさもある木樽の香り、ホコリっぽさもある家具のニュアンス。

味わいは柔らかいタッチでキャラメルソース、メロン、塩キャラメル、ミドルもやや平坦、植物感、フィニッシュもサラッと切れて短い、最後の鼻抜けにやや高貴さも見え隠れする木の樽のニュアンス。

【Good】

タッチは柔らかくそれなりに熟成を感じさせる造りではあるものの、やや平坦でフィニッシュも短めなため、あっさりとした印象を持ちました。麦感重視でフルーツ感はあまり強くないものの、メロンのようなニュアンスもあり、悪くない印象。最後の最後に、ちょっとだけ高貴な感じも漂わせていて、ものによってこのニュアンスが全面に出てきてくれるならかなり良いのだけれども……というちょっと惜しい気分です。

ディーンストン蒸留所は1966年操業開始と、まだ50年ほどの蒸留所ではありますが、建物自体は18~19世紀を中心に紡績業で使われていたものをそのまま流用しており、かなり歴史のあるものとなっています。時代の変遷とともに紡績業は畳まざるを得なかったのですが、代わりに地元の雇用確保に何かできないかと考えた結果の蒸留所、というちょっと変わった歴史を持っています。

このあたりのお話はツアーの最初に動画で紹介されているのですが、同じものがネット上に公開されている……はずと思って調べたんですが、無いですね。良い動画だったので是非見て頂きたかったのですが。

グラスゴーやエジンバラから日帰りで行けるギリギリの場所といった位置で、観光客もそれなりに多いようです。