カテゴリー別アーカイブ: スコットランド旅行2016

ヘザーの咲く丘

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今までスコットランドを訪れたのは10月頃が多く、花の盛りは終わっている時期が多かったのだが、今回は8月という最盛期に訪れることができた。そこで気づいたのは、一面に広がるヘザーなどの花の多さ。そしてそれが紫色の絨毯となって大地を覆っていること。

 

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タータンチェックの柄でよくあるのが、深い緑色に紫という色使い。正直一見するとなんでこんな補色のような組み合わせばかりがあるのだろうと思っていたのだけれど、今回の旅で大いに納得できた。低木の丘に広がるのは、広葉樹ではない緑の葉と、ヘザーの紫色なのだな、と。その風景がいたるところにあるのを見て、これがスコットランドの夏の風景なのだとようやく理解できた。

 

なんとなく知識では知っていたものの、実際に目にしてみて初めて気づくものもあるのだな、と改めて感じた旅でした。

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スコットランド旅行とアイラ島について考える

 

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今回のスコットランド旅行では、8年ぶりとなるアイラ島がハイライトだった。最初の海外旅行でアイラ島に行くという、ちょっとした冒険から早8年か、というちょっとした感慨に耽りながらの再訪は、いろいろな変化が目につくことになりました。
アイラ島は、2005年頃からはシングルモルトのブームとともに観光客がかなり増加してきた模様。自分が訪れた2008年頃でもかなりの観光客で賑わっていたが、今回改めて訪れてさらにその数は大きくなったことが良く分かった。風景は大きくは変わらないものの、整備された道路や街の様子を伺うと観光客向けに過ごしやすい場を作ろうとしていることがよく分かる。また、郊外の土地も荒れ地だったところを整備しているところも見られ、色々と環境を変えようとしているのが伺えた。

 

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一方で、宿の少なさは相変わらずらしく、観光客が途絶えないことから値段もかなり上がっていた。正直言うと、かなり高い。8年前のほぼ倍の金額だった。それでも予約はいっぱいで、ふらっと行って空いているB&Bはほぼ皆無と考えて差し支えないでしょう。実際には島の外れの方であれば空きもあったりしたのだが、利便性など考えると微妙という結論になってしまった。

 

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アイラ島の人口は3400人程度と云われていて、その数は10年前からほとんど変わっていないらしい。その中でもウイスキーに関連した生活をしている人は、実際にはそこまで多くはないはずで、中には静かな暮らしを望んでいる人も多いことと思う。最新号の Whisky World にもちょうどアイラ島特集で同じようなことが書かれていたが、あれだけの小さな島に大量に押し寄せる観光客という比率を考えると、ちょっと異常というかキャパシティオーバーとも考えられる。そういうアンバランスで危うい状況にあるということも考えてしまい、少し複雑な気分になってしまったのも事実でした。

 

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一方で変わらないのは、アイラ島の人々の優しさ。B&Bの主人、蒸留所のスタッフ、レジのおばさん、パブのマスター。みんな親切だったし、いろいろと話し相手にもなってくれた。英語は聞き取りづらいこともあるけれども(笑)、自分のひどい英語にもちゃんと答えてくれたのは本当にありがたいです。

 
今後もアイラ島はウイスキーの聖地としてモルトラヴァーを受け入れていくのだと思いますが、何十年先になっても素晴らしいアイラ島を守っていくためには、訪れるこちら側のマナーに依るところが大きいでしょう。自分もまたいつか訪れたいアイラ島、そのためにできることは、マナーを守り善き旅行者であること、人として当たり前のことだけです。

今後のアイラ島の行く末に幸あらんことを祈りつつ、アイラ島とアイラ・モルトに乾杯。

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スコットランド旅行2016 8日目

2016/08/18 (木) 曇りときどき雨

全く起きることなく8時間睡眠。自分でも驚いた。

おそらく最後になるフル・ブレックファストを頂き、しかしこの日はやることがない。宿は決まっているので、荷物をまとめたり車を返したりと帰国の準備を済ませる。

 

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少し考え、1時間弱のところにあるグレンケアンの工場へ。ウイスキーラヴァーなら一度は見たことがあるであろうグラスはここで作られているのだった。残念ながら工場内の見学はできなかったが、受付の女性がフレンドリーな対応で、ウイスキーとグラスのことについて色々と話をすることができた。アウトレット商品もいろいろと置いていた。さしずめ、日本だとカガミクリスタルと同じような位置づけにも思えた。

早めに宿に入り、荷物や撮りためた写真の整理。

あとはもう翌日の帰国を待つばかり。

 

2016/08/19 (金) 曇りときどき雨

帰りのフライトでは遅延があったりボトルが割れたりといろいろとトラブルはあったものの、とりあえず五体満足で無事に帰宅となった。割れたボトルについては残念だったけれども、1本のみだったのでまだましな方かと。

 

帰国の途はやはり大変で、また、旅行というのもやはり思った通りにいかないことも多々あり、帰るころには疲れてもう暫く旅行は良いかな、なんて思ってしまいます。

でも、またすぐにあの風景に会いたくなる。またスコットランドの空気に触れたくなる。

撮りためた写真や動画の整理をしていると、旅の楽しさや懐かしさが蘇ってきます。

スコットランドに限らずまだまだ行きたい場所はいろいろとあるけれど、今はもう少し、今回の旅行の余韻を楽しもうと思います。

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スコットランド旅行2016 7日目

2016/08/17(水) 晴れ

特に予定も決めていなかったため、どこに行こうか迷う。とりあえず北上してオーバンに行こうといのは決めていたが……。そうだ、昨日写真を見かけたストーカー城というところに行ってみよう。オーバンからはちょうど1時間ほどの場所にあるようだ。

朝食は coop で済ませ、オーバンへ向かう。距離的には1時間ほどとなっていたが、途中から結構な山道になりかなり大変な道だった。とはいえ、車通りも少なく良い風景が続くので飽きることはなかった。

結局1.5時間ほどでオーバンへ到着。想像以上に大きい街だった。ここから様々な島へフェリーが出ているので、交通と観光の要衝になっているためだと思う。郊外の駐車場に停めてふらふらと街を散策しながら蒸留所へ。

 

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オーバン蒸留所は街のどまんなかにあった。こんな場所にある蒸留所というのも珍しいのではないか。ショッピングやオフィスのような建物と隣接するような形。凄い場所にあるものだ。

ここもディアジオ系列なので写真は禁止になっている。説明は1時間ほどでスタンダードな内容。わかりやすいといえば分かりやすかった。面白かったのはスティルルームにあるコントロールパネルを見せてもらうことができたこと。Javaあたりで作られたシステムで蒸留所の全体が管理できるようになっているのが興味深かった。ソフトウェアの開発も自社スタッフなのか、はたまた外注なのか……。

操業するためのスタッフは7人ということで、自動化されているところではそのくらいなのだろう、といったところだった。

 

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オーバンを後にしてストーカー城、そしてその後はグレンコーを通ってグラスゴー方面へ向かうことに。この日はピーカンもいいところで、気温はぐんぐん上昇。正直スコットランドでここまで暑くなるとは思っていなかったので、ちょっとバテ気味。それでも28℃ほどでしたが……。日本と違って湿度が低いので、風があれば結構涼しい。

グレンコーは相変わらずの素晴らしさだった。近くに宿がとれるなら一泊前提で散策をしたのだけれども、さすがに空いている宿は無かった……。とはいえ、ドライブするだけでも本当に素晴らしい光景に胸を打たれた。
その後、グレンゴイン蒸留所の近くで宿を探したのだがこれが見つからず。ハイシーズンだからか、B&Bが結構な確率で埋まってしまっていたのは少々予想外だった。仕方なく野宿を考えた後、食事しながらWi-fiが捕まったので探してみたら空港近くで宿を見つけてしまった。とはいえ、結果的にこれが正解だったようで、かなり疲労が激しくシャワーを浴びたらすぐに眠ってしまった。

スコットランド旅行2016 6日目

2016/08/16 (火) 晴れ

昨日は睡眠不足&疲労がたたったのか、夕食もcoopで買ってきたもので済ませ、早々に寝てしまった。久々に9時間ほど眠り、まだ少しだるさが残るものの概ね体調は戻った。昨日に引き続き素晴らしい晴れ。気温もほどほどで丁度良く、気持ち良い風に吹かれていたら調子が戻ってきた。

 

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この日はキャンベルタウンでスプリングバンクとグレンガイルの2蒸留所をツアーで見学。ツアー開始までに少し時間があったので街並みを見てまわる。珍しく信号があるくらいの(分かる人には分かりますよね)発展した町で、そこそこ大きい規模だった。とはいっても日本の都市とは比べるまでもないのだけれども。塔や教会なども大きな作りのものが多く、こちらの基準では都会と言っても差し支えないくらい。

 

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蒸留所ツアーではかなり細かく説明があり、とてもフレンドリーで質問にも色々と答えてもらえた。説明ボードも各所に設置されいていてわかりやすい。そして隠すこともないのだということだろう。最近の蒸留所は本当にオープンな感じ。

 

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家族経営で続けてきたということと最古のボトラーであること、キャンベルタウンの蒸留所は私達が守るという誇りがあること、といった言葉が何回か聞こえた。なるべく昔ながらの製法を続けていきたいという思いもあるようで、フロアモルティングもまだ続けているし、各所の作り方にもこだわりがあるのだということがよくわかった。

 

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グレンガイルは、今年ようやくキルケラン12年がリリースされたくらいなのでまだまだ新しい施設だったが、ポットスティルやスピリットセーフは Ben Wybis から持ってきたということでそこは使い古された機材だった。外壁もまだまだ新しく白い壁が青空によく映えていた。

 

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ツアー終了後は別の特別ツアーで、倉庫内の樽から直接サンプリングしてボトル購入。やはりシングルカスクをその場で詰めるというのはある意味ロマンがある。もちろん内容もしっかりしたものばかりで、ケイデンヘッドが抱える原酒の幅広さが伺えた。それはもちろんショップに並んでいたボトルを見ても同じで、日本でもお馴染みのスモールバッチシリーズは幅広く蒸留所を網羅していて、しかもどれも良心的な値段だった。日本で売られているものもそうでないものもあると思われるが、どれがどれだかわからないくらいたくさんあったのでもはや覚えられなかった。

90プルトニーの25年ものというのが破格でリストアップされていたのだが、残念ながら売り切れてしまったようだ。プルトニー好きとしてはぜひ欲しかった……。

 

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Tarbert まで戻って来たところで、少し早いが宿に入る。2日目に夕食を食べたレストランへまた来たかったがため、といったところなのだが(笑) この日も大満足だった。注文したメニューの食材などがほぼ被っているということで別のものをおすすめしてくれたり、ホールスタッフは結構気が利いていたのも好印象。隣の席のビッグ・ガイが注文していたシーフード・プラッターが運ばれてきたときなどは笑いが隠せなかった。流石に良い値段してたけれども。DSC00405

 

アイラにフェリーで行く前後には、タイミングが合えばここをまた利用したい。