[読書感想] Sherry -Unfolding the Mystery of Wine Culture- / 中瀬航也

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Bar “Sherry Musium” 館長で、日本のシェリー酒の専門家としてはとても著名でいらっしゃる中瀬氏のシェリー酒本です。

ウイスキー、特にスコッチであればシェリー酒樽を使った熟成というのは伝統でありひとつの個性であり、そして常に謎がつきまとってきたものでもあります。マッカランをはじめ、シェリーカスクにこだわる蒸留所は多いですし、その独特の味わいは多くのモルトラヴァーを魅了しつづけますが、1970年前後の蒸留のものと、いわゆる近年系シェリーカスクは味がまったく異なりますし、どうしてこうなったのか、いろいろと疑問は尽きないものでした。

本書は基本的にはシェリー酒の分類や歴史などについてがメインですが、ウイスキーとシェリー酒の関係についても言及しています。また、そもそもその関連を知るためには酒のことに限らず、歴史一般で広く知っていなければならないことが多く出てくることに改めて気付かされました。この本を読むと、酒とは人間の歴史そのものと本当に深い関係があるということに気づくと同時に、著者の歴史に関する知識の深さに感服しました。

上辺だけの内容ではなく、かといって固くなりすぎない語り口でかなり読みやすかったです。シェリー酒好きにもウイスキー好きにも、そして世界史だけでなく日本史好きにも読んで頂きたい、そんな本でした。

 

暑さを愉しむ酒 – 泡盛

梅雨はどこへ行ってしまったのか……と思いたくなる7月前半。関東では既に梅雨明けと思われるような暑さが続いています。こう暑くなってくると、なかなかウイスキーは飲み進まないですね。

外が暑い中、クーラーをガンガンに効かせた部屋でウイスキーを飲むというのも、エネルギーの無駄遣い的な意味で贅沢の極みのひとつと言えるかもしれませんが、残念ながらあまりそういう趣味はありません。

となると、ウイスキーを飲むならロックかハイボールあたりでしょうか。炭酸のシュワっとした口当たりに、ベタついたりせず重すぎないライトな味わいのハイボールは、ある意味ビールよりも夏向きの飲み物ともいえるかもしれません。

ウイスキー以外に目を向けると、自分の場合、夏には泡盛が飲みたくなる傾向にあります。

泡盛もウイスキーと同じく蒸留酒で、樽ではなく甕で寝かせるものもありますが、最近は寝かせるのもタンクでしょうね。3年以上寝かせたものを古酒(クース)と呼び、やはり若いものとは少し異なる独特の味わいがあります。とはいえ、樽で寝かせるウイスキーと比べるとそこまで劇的な変化ではありませんが……。

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アルコール度数が30%程度あれば、開封しなければかなり保存がきくのもウイスキー同様に良いところです。酒屋に長いこと残されているものでも品質的には大丈夫なものも多く、泡盛のファンにはそういった昔のボトルを求める方も多いとか。というのも、泡盛はボトリング後も瓶内で熟成するということなので、時間が経っていればその分熟成感が期待できるというわけです。

しかし、かくいう自分もボトリングが昔のものを購入したりしてはいるものの、そこまで劇的な変化を感じたことはこれまでありません。まあ、同じ銘柄で新古どちらも試したわけではないのですが、所謂オールドボトル的なニュアンスが凄いでているものというのはあまり経験が無いです。

ちなみに泡盛は瓶詰め日が記載されているものが多いので分かりやすくて良いです。ウイスキーもちゃんと瓶詰め日を書いてくれたら良いんですけどね。

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飲み方はロックが良いですね。ウイスキーと違って、水っぽくなってもあまり気にならないところが、気楽に飲めて良いところ。冷凍庫で冷やして氷なしでも良いですが、30度を越えてくるものは少し飲みづらいかな、と思います。

たまにはウイスキー以外にも手を出してみると、いろいろと発見があって面白いですね。特に泡盛は沖縄の酒ということもあってか、暑い中で飲むのに適しているように感じます。

 

ハイボール用炭酸水の強弱

先日、バーで頂いたサントリーのプレミアムソーダで作られたハイボール。いつも飲んでいたウィルキンソンやサントリー天然水スパークリングよりもきめの細かい感じで、柔らかく飲みやすいな、とちょっと驚きました。

最近、強めの炭酸がちょっと苦手になりつつあるようで、もう少し優しめのほうが良いかなと思うようになってきました。そこで探してみたところ、どうやら「サン・ペレグリノ」は微炭酸のような飲みくちらしい。というわけで買って来て試してみました。

 

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なるほど。これは確かに微炭酸。それもかなり粒子の細かい感じです。

早速これでハイボールを作ってみると、普段飲んでいたものとはまた全然違ってきます。アイラ系のようなピートでガツン! というタイプとはちょっと合わないかもしれませんが、シェリー樽系や中庸なブレンデッドのものとはなかなか相性が良いです。リキュール類を割るのも良いですし、ワインなどで簡易スプマンテのように仕上げてしまうこともできそう。

炭酸が弱めだと、いつにもましてゴクゴクいけてしまうのもまた違ったところです。ちょっと高級感も出るような。ステレオタイプな表現をしてしまえば、ウィルキンソンは男性的、サンペレグリノは女性的、といったイメージになります。

ハイボールは原酒だけでなく炭酸のチョイスもいろいろとあることに、今更ながらに気づきました。こうやって探っていくのもまた面白いですね。

キルベガン アイリッシュ・ウイスキー

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“Kilbeggan” Irish Blended Whiskey (OB, bottled in 2017, 40%)

香りは熟したリンゴ、パイナップルの缶詰、微かにライチ、ハチミツ、奥から清涼感のあるミントのようなハーブ、濡れた藁と馬小屋のようなニュアンス。

味わいはアタックに乏しくややボケた印象だが、桃やパイナップルサクランボなどのフルーツポンチ、ややケミカルで缶詰のよう、風邪シロップ、少し紙っぽさ、ヨモギのような草と野菜のニュアンスが後を引くフィニッシュ。

【Good】

アイルランド旅行で寄ったキルベガン蒸留所。その名を冠したキルベガンは、原酒はキルベガン蒸留所ではなくクーリー蒸留所で作られているもので、熟成年数としては6年ほどのモルトと4年ほどのグレーンによるブレンデッドだ、とはツアーガイドさんの弁でした。

正直ノンエイジのブレンデッドなんて、と高を括っていたのですが、試飲してみると、あれ? 思ったよりも美味しいぞ? と。このミニボトルをもらったため、蒸留所マジックかどうかを判断するため、家に帰ってきてから再度飲んでみたところ、やはりなかなかに良い味わいです。

ノートの通り、アイリッシュらしさとも言えるフルーツ感が良く出ていて、未熟感もほとんど感じません。香りのトロピカル感はかなり秀逸。味わいも悪くはなく及第点以上です。流石にボディの弱さは否めませんが、飲みやすさでいえばピカイチでしょう。飲み進めていくと浮ついた紙っぽさを感じるようになるため、パッと飲み始めの一杯に、といった飲み方が合うように思います。

ハイボールではフルーツ感と紙っぽさが分離して強調されるため、ちょっとチグハグかな、という気もしますが、なかなかに悪くありません。とにかくじゃぶじゃぶいけちゃうタイプでしょうか。

エントリークラスながら、非常に出来の良いアイリッシュ・ウイスキーです。

[日本酒]栄光富士 純米大吟醸 サバイバル

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栄光富士 純米大吟醸 SURVIVAL

  • バランス良くまとまっていて勿論旨味やフルーツ感もしっかり、ラベルの印象とは裏腹に思ったよりもサラッとしていて濃醇とまではいかない
  • 山形県の酒造好適米「玉苗(たまなえ)」は珍しさもあるが、酒米としてのポテンシャルは十分に感じる
  • 栄光富士さん、最近はシューティングスターなどちょっと面白いラベル・ネーミングが目立つので、やや保守的とも思える日本酒界でもっともっとはっちゃけちゃって下さい

 

 

[日本酒]賀茂泉 純米吟醸生原酒 RockHopper

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賀茂泉 純米吟醸生原酒  RockHopper

  • とても濃醇でどっしりとした旨味凝縮系
  • リンゴのフルーツ感も強く一杯で飲みごたえあり、この後に軽めの酒は飲めないかも
  • 氷を入れてロック、あるいは少し炭酸水を加えてスパークリングにしてもまだ味が残るように設計された? 今年から俄に流行りだしている日本酒の面白い試み