オールド・プルトニー 18年 1970-1988 セスタンテ向け

時代の経ても変わらないスタイルを感じるボトルでした。

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Old Pulteney 18yo 1970-1988 (Gordon & MacPhail for Sestante, 56%)

香りはリンゴ、レモン、レモングラス、柑橘の酸味、カルダモン、少し井草やヨモギのニュアンス。

味わいはじわじわと太い、ハチミツ、レモンジャム、バター、ミドルから針葉樹の樽、ヨーグルトタブレット、少し草を伴ったはちみつレモンの爽やかなフィニッシュ。

【Good/Very Good】

プルトニー蒸留所のボトルの中ではかなりの人気を誇るボトルなのではないでしょうか。セスタンテ向けのこのラベルは、シンプルながら威圧感ともいうようなパワーを感じます。

このボトルは以前にも頂いたことがありましたが、そこから4年ほど時間が経っているためか、やや香りが抜けてきたような印象を持ちました。一方で、飲んでみると、ややオイリーな口当たりに蜂蜜と柑橘系のジャムのような噛みごたえがあり、この点はプルトニーらしさが健在といったところ。後半のヨモギのような草のニュアンスも、以前のテイスティングノートを見返してみると同様に取っていたため、自分の印象としては同じ方向なんだな、と感じました。

同席していた方々の意見も同じだったのですが、基本的にはプルトニーはこの頃から2000年頃まで、味の芯の部分はブレが無いように思います。2000年代原酒についても、幾つか飲んでいる限りでは同じ傾向で、一貫していたハウススタイルを感じ取りやすいと思っています。ただしシェリー樽はあまり原酒との相性が良くないように感じていて、良質なバーボン樽のものが良いのではないかと。

1990年代のバーボン樽のシングルカスクとか、ほとんどハズれないですしね。若さも味方につけやすい味わいなので、12年熟成でも十分な場合があります。逆にあまり長熟には向かないのではないかと。25年を超えてくると途端に樽感に負け気味になっているように思います。

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グレンギリー 1971 サマローリ 43%

とても複雑で難しい、でも美味しいギリーでした。

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Glen Garioch 1971-1997 (Samaroli, 43%)

香りは獣脂、なめした革、熟成したチーズ、メンソールのニュアンス、強くはないがマンダリンのようなフルーツ、少し石鹸のようなニュアンスも奥に感じる。
味わいはオイリーさを感じるチーズ、やや強めの内陸ピート、無塩バター、ミドルから石炭、スモークしたジャーキー、メンソールとピート感が続くフィニッシュ。

【Very Good】

サマローリが詰めた1971グレンギリーは加水ボトルと樽出しのフルプルーフのボトルがありますが、これは前者の加水バージョン。

その香味はとても複雑で、43%とは思えないボディの厚さ。分かりやすいフルーツ感というわけではなく、獣っぽさや少しソーピーなニュアンスも見え隠れする、玄人好みのボトルでした。華やかさとは異なる方向でとても多彩な香味を兼ね備えていて、ニュアンスを拾い上げるのがとても大変でした。でも嬉しいし、とても美味しい。

これは凄いですね。分かりそうでよく分からないけど、凄い。

自分はもうちょっとわかりやすいフルーツ感とかあった方が好みなのでこの評価ですが、もう1ランク上でも全然おかしくないボトルです。

シェリー樽らしいのですが、樽の影響がすごい利いているという印象は受けず、そのためかテイスティング・ノートにもあまりシェリー樽のニュアンスを拾いませんでした。その割には色合いは結構濃いめなんですよね。カラメルっぽさも感じないですし。後から思い返すとちょっと不思議な感じでした。

Mさん、レアなボトルを飲ませていただきましてありがとうございます!

ハイランドパーク 12年 1990年前後流通ボトル

オフィシャルスタンダードの底力を感じました。

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Highland Park 12yo (OB, +/- 1990s, 43%)

香りは濃厚なシェリー、芳しいトフィー、レーズン、プルーン、アンティーク家具、スッとするハーブ類のニュアンス。
味わいはシルキーな口当たりでダークチョコ、レーズン、少し紹興酒、奥からじわりと木の根のニュアンス、再び甘いチョコムースの返りとプルーンのニュアンスが残るフィニッシュ。

【Very Good】

ハイランドパークのオフィシャルスタンダード12年の旧ボトルです。

グラスに注いだ瞬間に立ちのぼる上質なシェリーの香りだけでご飯三杯いけてしまうレベル。ボトルの色合いから想像はしていましたが、これほどのしっかりとしたシェリー樽の香りとは思いませんでした。スワリングで広がる香りに期待しながら飲んでみると、さすがにボディはそこまで強くないものの、しっとりと染み込むシェリー樽の熟成原酒はほどよく利いたピート感とともに流れていきます。

これがオフィシャルスタンダード? 凄い時代があったものです。

ダンピータイプのボトルは、1970年代から1990年代の初期までいくつかのラベル変遷を経ているようで、蒸留所名シルクプリントが2種類(Hの文字がロゴになっているもの、いないもの)、その後にこのボトルと、夕陽(朝陽?)も描かれたものが出てきます。このボトルはおそらく1990年かその直前あたりだと思いますが、詳しくは他の方の情報も参考にしたいところ。

ピート感は、いうほど利いてはいないのですが、おそらくその影響であろう複雑さがいい方向に働いています。ハイランドパークがシェリー樽にこだわる、というのはこのあたりの成功体験があるからなんだろうな、というのを感じさせるボトルでした。

なお最近のハイランドパークは……。ちょうどこのとき現行新ボトルの12年もあったのですが、このボトルの後では No Thank you でした。

ぎんがさん、ありがとうございます!

「ウイスキーの良さを知ってもらう本」の発売日決定

当blogでもご紹介していたクラウドファンディング、今年1月よりスタートし、無事に目標額達成した「ウイスキーの良さを知ってもらう本」についての続報です。

皆さまのお気持ちによって実現した当企画は、出版社の三栄書房さまよりムックとして発売されることが決まりました。

発売日は今年12月21日になります。

三栄書房さまHP:https://www.sun-a.com

公開されている扉絵、良いですね。今から楽しみです。

流通にも期待できると思いますので、ネット通販や一部書店にも並ぶことと思います。

オールカラー144ページというなかなかの豪華仕様。

ちょっとでも気になったら、皆様ぜひ手にとってみましょう。

グレンモーレンジ タイン 免税店向け

軽やかな印象の、少し変化のついたグレンモーレンジ。

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GlenMorangie “The TAYNE” (OB for Travel Retail, “Legends” Series, 43%)

香りはレモングラス、はちみつ、マジパン、少しおがくず、セージのニュアンス。
味わいははちみつがけのトースト、カスタード、ミドルからホワイトペッパー、木材を口にふくんだ収斂味、バニラアイスクリームとトフィーのような味わいが残るフィニッシュ。

【Good】

グレンモーレンジのタインは、免税店向けの Legends シリーズのひとつ。数あるシェリーの種類のひとつ、アモンティリャードの樽でフィニッシュをしたもの。

全体的にさっぱりしている味わいで、中庸なバーボン樽の味わいが主体ではありますがややドライ。アモンティリャードのニュアンスがそこまであるか、というとちょっと疑問ではありますが、レモングラスのような爽やかさを伴った香りがその辺りかな、という印象でした。

43%ということもあってかなり軽い味わい。ボディの厚みにも少し物足りなさが残ってしまいましたが、逆にいえばそれが強みともいえるかもしれません。ハイボールには結構合いそう、とか、もう少し加水して食中酒で食べ物の邪魔にならない、とかそういう方向を考えていました。

オールド・プルトニーの免税店向け新ラインナップ

このブログ的には、やはりオールド・プルトニーに関する情報は拾い上げないわけにはいかないでしょう。

オールド・プルトニーの免税店向けのラインナップが新しく発表されていました。10年,16年、2006年ヴィンテージの3本。

 

オールド・プルトニー10年

セカンドフィルのバーボン樽熟成。アルコール度数は40%。エントリークラスとして、スタンダードの12年と同じようなポジションになるようです。40英ポンド。

 

オールド・プルトニー2006ヴィンテージ

ファーストフィルのバーボン樽熟成、アルコール度数は46%。50英ポンド。

 

オールド・プルトニー16年

バーボン樽熟成の後にオロロソシェリー樽での熟成。アルコール度数46%。80英ポンド。

 

これまでの免税店向けというと、NAS仕様の灯台シリーズや帆船シリーズなどがありました。直近ではヴィンテージを明記したシングルカスクやヴァッティングのものが出ていたようですが、ここに来てスタンダードな熟成年数表記のものに変わりつつあるようです。

画像を見ると16年だけ少し小さいのが気になりますが、他の2本がリッターボトルということなのでしょうか。容量に関する情報が無いので細かいことはわかりませんが、免税向けは通常リッターボトルのお買い得仕様なので、その可能性はあると思っています。

それにしても12年よりも若い10年が出てきたことに驚きです。どんな味なのかが気になるところ。加水仕様も40%と12年と同じなので、ほぼほぼ同じようなものかな、とも思っていますが、こればかりは飲んでみないとわかりませんね。

オフィシャルスタンダードの新ラインナップである、12,15,18という熟成年数のさらに間を埋めてきた形になるのですが、こうなってくると11,13,14,19あたりも出して全部埋めてほしくなりますね(笑)

ティモラス・ビースティ 21年 シェリーエディション ダグラスレイン

お手頃な中熟シェリーモルトです。

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Timorous Beastie 21yo Sherry Edition (Douglas Laing, Blended Malt Whisky, 46.8%)

香りはレーズン、バター、コーヒー豆、奥に焦げた木材のニュアンス、微かにナツメグ、ハーブのニュアンス。
味わいは優しめで近年系のシェリー樽感らしいレーズン、コーヒー、チョコレートムース、後味はややドライ、ハーブのニュアンスとブラックペッパー、レーズンのニュアンスが続くフィニッシュ。

【Good/Very Good】

ダグラスレインのブレンデッドモルト、ハイランド主体のティモラス・ビースティ 21年。このボトルはシェリー樽主体の構成で、グレンゴイン、ダルモア、グレンギリーの原酒が使われているそうです。

味わいとしては近年系のシェリー樽が支配的で、やや焦げ感を強く感じました。ゴムとまではいかないですが、ちょっと「いかにも」な味わいは海外のドリンカーには受けが良さそうです。

46.8%というとちょっと不思議な度数でおそらく加水されているようです。そのためか飲み口はかなり柔らかいですが、原酒のボディはなかなかに強いようで、飲みごたえがある味わいとなっていました。熟成感は十分にあるため、値段から考えてコスパはかなり良いでしょう。

シェリーカスクの20年ものが手頃な値段で手に入る、というのがメリットだと思います。