スリーシップス 5年 南アフリカ ウイスキー

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いわゆる5大ウイスキーといえばスコットランド、アイルランド、US、カナダ、日本ですが、それ以外の国でも勿論ウイスキーは作られています。インドのアムルット、台湾のカヴァランなどはかなりメジャーになってきたと思いますし、オーストラリアや北欧のブランドも勢力を増してきているのを感じます。

一方で、南アフリカでもウイスキーが作られているのをご存じの方はどれほどいらっしゃったでしょうか。自分はウイスキーマガジンのこちらの記事で初めて知りました。スリーシップスを作っているアンディ・ワッツ氏は、ボウモアで実務経験を積んでいらっしゃるようです。ちょうど日本の竹鶴氏がスコットランドで修行をして自国でウイスキー造りを進めたように、どこの国にも先駆者としてウイスキー造りと普及に邁進されている方はいらっしゃるのですね。

かねてから飲んでみたいと思っていたこちらのボトルは、2012年のウイスキーワールドアワード(WWA)で「ワールドベスト・ブレンデッドウイスキー」を獲得したものです。

さて、その味はといいますと……

Three Ships 5yo (OB, 43%)

香りはスモモ、ラズベリー、ジンのようなジュニパーベリーのニュアンス、カスタードクリーム、軽くカモミール、タールのようなニュアンスも潜んでいる。

味わいは優しい立ち上がりの麦感、徐々にヒリヒリとホワイトペッパー、ヨモギのようなハーブのような植物感、やはりジンのようなジュニパーベリーのニュアンス、グレーン由来と思しき軽い風味で〆るフィニッシュ。

【Okey】

正直、かなり軽いですね。ちょっと平坦であまり特徴の無いブレンデッド、という感じではありますが、しいて言えば華やかな甘さだけではなく様々な要素が混在していて複雑さはあると思います。ちょっと不思議なのは、ジンに感じるようなジュニパーベリーのニュアンスが含まれていること。ハーブ感もとらえているのでそのあたりから派生した香りでしょうか。ちょっと面白いところです。

が、これがワールドベストのブレンデッドかと言われると、正直首を捻ってしまいます。同価格帯でももっと分かりやすく美味しいものはありますし、わざわざこれを選ぶ理由が無いかな、というのが率直なところ。物珍しさはありますし、未熟感は明らかにバランスが崩れているということはありませんから、品質的には優れたものだと思いますが……。

 

とまあ、味の感想はこのくらいにして。

南アフリカと言うと暑い地域という印象ですが、ジェームズ・セジウィック蒸溜所があるのはケープタウンの近郊。ケープタウンの気候を見ると、最高気温は冬は平均10℃弱、夏は平均26℃程度で意外と冷涼なようです。結構穏やかな熟成となりそうですが、雨がちで湿度がやや高めというあたりがスコットランドと異なるところでしょうか。アフリカに行ったことはないのでなんとも言えませんが、温度湿度的には日本に近い気もします。

ジェームズ・セジウィック蒸溜所は130年ほどの歴史があるということで、日本のウイスキー蒸留所よりも長いようですね。ただ、その間ずっとウイスキーを製造していたかというとそうではなく、元々は主にブランデーの蒸留を行っていたようです。そこに、前述のアンディ・ワッツ氏がスコットランドから技術を得て、ウイスキー造りに適した設備を導入し、スリーシップスのブランドを立ち上げていきました。

ブレンデッド・ウイスキーなので、もちろんグレーンも入っています。グレーンは当初はスコットランドからの輸入で、そこに自社蒸留したモルトと混ぜていたようですが、現在はコラムスティルを導入しており自社製造しているとのこと。今では100% Made in South Africa というわけですね。

スリーシップスの名は、大航海時代かそれ以前から港町として栄えたケープタウンにちなんだもの。また、5年という熟成年数は、ビーグル号でガラパゴスを含む世界各地を航海したダーウィンからヒントを得ているようです。確かに、途中でケープタウンにも寄港していますね。

未知への憧れが世界を動かした時代のロマンを、現代に再現したいのかもしれませんね。最近はシングルモルトもリリースされたという話も聞きましたので、機会があればどこかで飲んでみたいと思います。

 

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スコットランドと赤いライオン

スコッチウイスキーをある程度好む人なら、アザミといえばスコットランド、というイメージはあるかと思います。その由来や国花とされているアザミは、ウイスキーのラベルにもよく描かれていますね。

一方で、赤いライオンのシンボルマークも、スコッチウイスキーを良く飲む人には馴染みがあるのではないでしょうか。というか、ライオンというとベルギーの方が思い浮かんだりしたものですが、スコットランドでもそうなのか……? よく見かけるなあと思っていたものの、自分はつい最近までこの由来を知りませんでした。

 

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赤いライオンが印象的な、ダグラスレインのブレンデッド・ウイスキー「キングオブスコッツ」

レッドライオンはスコットランドの国章で、スコットランド女王メアリーの第一子であるジェームズ6世(イングランドではジェームズ1世)が広めたとされています。今でもイギリスでは Red Lion の名を持つパブはとてもポピュラーでどこの街でも見かけるそうな。一体いつから国章となったかは分かりませんが、「まさしくスコットランドであるもの」に対して国章であるレッドライオンを掲げるというのは、日本なら桜をモチーフにするようなものなのでしょう。ちなみに金のライオン3頭がイングランド、アイルランドは竪琴が国章となっています。

 

一方で、イギリスといえば紋章の国、というくらい紋章がたくさんあるわけですが、王室の紋章で左右(サポーターといわれる部分)に描かれているライオンとユニコーンは、ライオンがイングランド、ユニコーンがスコットランドを表してます。中心のシールドの中には、上に書いたイングランド、スコットランド、アイルランドのモチーフも描かれていますね。

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イギリス国章は王室の紋章でもある

さて、そうするとレッドライオンとユニコーンはどちらがスコットランドを表すものなのだろう? と疑問に思うのですが、実はどちらもスコットランドの象徴となっていて、ユニコーンは国獣とされています。日本の国鳥がキジなのと似たようなものでしょうか。想像上の獣が国の代表というのも面白いものです。

 

というわけで、レッドライオンやユニコーンがスコッチウイスキーのラベルに描かれるのはある意味自然なことだったわけです。

 

レッドライオンが印象的なのは、前述の陶器ボトルに大きくあしらわれたレッドライオンが印象的な「キングオブスコッツ」ブレンデッド・ウイスキーの他には、RED_LION

まさにそのままの名前を冠した「レッドライオン」ブレンデッド・ウイスキー。

 

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ホワイト&マッカイのラベルといえば「ダブルライオン」が有名ですが、これもレッドライオンの派生でしょうか。

 

また、ユニコーンを初めて見かけたのはキングスバリーのラベルでした。

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一時期、様々なシリーズがリリースされていたキングスバリー。改めて見てみると、右側の盾にはレッドライオンも描かれていたのですね。左側は青地にポットスチルでしたか。青はスコットランドの色でもありますし、まさにスコッチウイスキーですね。

 

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少し毛色は異なりますが、スリーリバーズからリリースされていた「貴婦人と一角獣」シリーズも、そういう意味では繋がりがあってのもの……だったのでしょうか。どちらかというとシリーズものとして受けが良さそうだったから、という理由かと思いますが。貴婦人と一角獣のタペストリーはフランスのものですが、描かれているのはライオンとユニコーンのセットなので、何かしらの繋がりがあるのかもしれませんね。

 

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その他にも、フェッターケアンは最近のラベルではユニコーンがモチーフとして描かれていました。

 

こうして見てみると、様々なラベルで使われていることがわかりますね。向こうではレッドライオン、ユニコーンともに自然に扱われているモチーフなのでしょう。こういうのはどこの国でも持っているものだと思いますが、その由来を知ってみると、なるほどラベルの見方も変わってくるかもしれませんね。

 

お気に入りの一本

唐突ですが、料理することが好きです。

別に上手でもなんでもないんですが、自分で何か作ってそれを食べると結構満足感があります。まあ、ちょっとは不味くても食べられなくなければそれなりに美味しいと感じることができるので、馬鹿舌なのかもしれませんが。

自分で手をかけたものは評価が高くなる。これは科学的にも証明されていることで、「インバルブメント効果」と呼ばれます。なるほど、人間というのは思い込みが強いからですね。先入観などによって同じボトルでも美味しく感じたりそうでもなかったりと、バイアスがかからないことは無いといっていいほどだと思います。

「苦労して手に入れた一本」が美味しいと感じるのは、ある意味では自然なことなのかもしれません。それはそれで良いことだと思っていて、思い入れのあるボトルというのはその人にとって大切な思い出と繋がっているものだと思います。昔だれかにプレゼントで貰ったもの、バーでおすすめされて美味しかったもの、酒屋を巡ってようやく手に入れたもの etc…

自分の場合は、スコットランドに旅行して現地で詰めたボトル、良くヴァリンチやハンドボトリングという名前で紹介していますが、これらが思い出深いボトルです。昨日、久しぶりにケイデンヘッドで詰めたボトルを飲んで、懐かしさを感じると共に「やっぱりこれ結構良いよなあ」なんて浸っているところでした。

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キャパドニックとリベットが特にお気に入り

 

旅のお土産ボトルは、単なる土産ものというだけではなく、将来感じるであろう懐かしさまでを含めたものなのかもしれません。そう考えると、ちょっと奮発するのも仕方のないことなのかもしれません。

というポジティブ思考で高いボトルを買ったことを正当化してみてはいかがでしょう(笑)

 

ポートエレンとブローラの2蒸留所、復活へ

ちょっと驚きのニュースが舞い込んで来ました。

ディアジオのオフィシャルなプレスリリースで、ポートエレン蒸留所とブローラ蒸留所が再稼働するというのです。

Iconic “lost” distilleries revived in major scotch investment

これまでも一部モルトラヴァーやマニアからは熱狂的な支持があり、復活の要望も少なからずあったことと思いますが、それに応えるような形で再稼働へ向けての投資をすることにしたようです。

両蒸留所が1983年に閉鎖してから34年、近年はその希少性からとても手が出ないシロモノになってしまっていましたが、過去のボトルしか無いのでは限られた一部の人しか味わうことができません。それを打開する意味もあるのでしょう。熱意ある決定は賞賛されるべきところだと思います。

勿論そこは企業ですから収益性もしっかりと考えた上での決定なのでしょう。人気のある蒸留所ですから、単なるウイスキー生産だけではない収益が見込めることと思います。まずは2020年に生産を再開しようと動いているようですね。流石に中の設備をそのまま使ったりはできないかもしれませんが、建物だけでも残していたのがここで報われた形です。

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ブローラ蒸留所跡。外観だけなら現役のようにも見える。

アードベッグが1980年台に休止してから(合間に少しずつ稼働してましたが)2004年に復活したように、まさに今断絶した歴史が復活しようとしている。これはちょっとした歴史的な瞬間に立ち会っているのかもしれませんよ。2004年には自分はまだウイスキーに目覚めていなかったのでそのときのことを知らないため、今回の復活劇については本当に楽しみです。

とはいえ、昔の味がそのまま復活するようなことはあまり望めないでしょう(なるべく近づけるとは言っていますが)。また、仮に2020年に再開したとしても熟成した原酒が飲めるのはさらに10年以上先……長い時間が必要です。断絶した前後での味の比較ができるようになればいいのですが、なかなかに難易度が高いですね。

ところで気になるのは、ポートエレンは現在モルトスターとして稼働しているわけで、この機能はどうするのでしょう。残したまま蒸留設備は隣の敷地に建てることになるかと思いますが、そのあたりの情報も気になるところです。

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ポートエレン蒸留所のキルン跡。右奥にモルトスターの工場が見える。

 

これで2020年以降にアイラ島に行く理由がまた出来てしまいました。楽しみです。

開運 ひやおろし 純米酒

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開運 ひやおろし 純米酒

  • ボディの厚さは純米というだけではなく、ひやおろしによって出たコクによるものか
  • 甘さと酸味のバランスが良く、オールラウンドに愉しめる
  • シンプルながら使っている米は贅沢にも兵庫特等山田錦、と知ってしまうとさらに美味しく感じる罠