Tomatin 2002-2013 Distillery Hand-Bottling Ex-Bourbon Cask#1793
香りはヨーグルトっぽい乳酸系、若々しさとニューポッティな麦、フレッシュレモン、奥にチャーした木樽が微かに香る。
味わいはバターのオイリーさ、ショートブレッドのようなもったりとした甘さ、ミドルにヒリヒリとしたスパイシーさがやってきて、若さを感じる。鼻抜けには良い花の香りが良く出ており、口腔内も徐々に花のニュアンスで満たされる。フィニッシュまで力強く、ペッパーのようなスパイシーさが残る。
【Good】
蒸留所で直接樽から詰めたハンドボトリングです。10年ほどの熟成ということで、やはりかなり若いニュアンスが出ていますが、あまり嫌味な部分は無く、よく出来た最近のモルトといった感じです。トマーティンのハウススタイルが分かるほど呑んでいないので、どういう部分が該当するのかは分かっていませんが、フレッシュなレモンとフローラルなニュアンスは結構好みでした。
2013年は多くの蒸留所でハンドボトリングが提供され始めたようで、自分が行った2012年10月には無かった蒸留所でも始められていたりと、蒸留所の方針が色々と変わり始めたように思えます。同じ頃、徐々ボトラーズから良いリリースが減っていったように感じられるのも、きっと偶然ではないでしょう。原酒不足が深刻になり、ボトラーズに良い樽をまわすよりもオフィシャルとしてしっかりしたものを出したい。蒸留所を訪れてくれるようなコアな人たち、あるいはそうでない人には興味を持ってもらいたい、そんな意図が見える気がします。